パテを如何にして使いこなすか
光硬化パテ
タミヤ他から出てますが便利すぎて仕方ないですね
一見値段は高いですが余らせたものを捨てるという状況が余り無いのでなかなか減りません
パッキン付きの密閉可能な携帯用灰皿に小分けして使うと便利がいいです
硬化光源はシークレットペンのようなブラックライト様のLEDや3W級のパワーLEDライトに青フィルターをかけたものが便利いいです
(模型用は業務用な紫外線硬化ではなく可視光で良いものが大半です、青っぽい色の方がよく硬化する傾向はあるようですが・・・)
微細気泡に指ですり込む方法はこのパテが一番使いやすいかも
Mr.グルーアプリケーターとの合わせ技は今までの成形の常識がひっくり返るレベルの使用感です
フタがパテ成分で割れるという報告が多く上がってます、フタを上にして立てて保管するのがいいかもしれません
アルテコ瞬間接着パテ
瞬間接着剤アロンアルファのメーカーアルファ技研より満を持して登場した革命的なパテ、今までのものとはまるで違います。
紫の液体(瞬間接着剤?)と白色の粉末(瞬間接着剤の粉?)を混ぜて硬化させるペースト状パテ、特性は瞬間接着剤と酷似しているが、硬化後の物性がずいぶんとモデラーの都合の良いようになってます。
>硬化が早い⇒約5分で完全硬化、瞬着用硬化促進スプレーで瞬間硬化
>食いつきが良い⇒瞬間接着剤並みの食いつき、特に薄い部分でも強後に食いつくところは最高
>安定性が高い⇒硬化後はシンナーで膨れたりヒケて来たりすることはほとんどない
>適度な柔軟性⇒ウレタン樹脂に非常によく似た硬度・弾性を持っている、切削時の感覚もウレタン樹脂に近いので、ヤスリがけ時の削れムラや切削時の
引っかかり・欠けが起こりにく〜…えーい、もう起こらないでいいや(笑)
注意
基本的に瞬間接着剤なので湿気で風邪を引きます、硬化時に発泡して来たら粉は乾燥剤といっしょに保管して水分を飛ばしましょう。
また、硬化時に瞬間接着剤の数倍の量の刺激性のガス(有害)が発生しますので換気を特に注意しましょう。
あと、初代に比べると格段の進歩だといっておきます(初代がヘボヘボだったんで長いこと買わなかったんよ、改めて使ってみて大後悔)
欠点
さしあたっては単価が高いこと(1,500円)、でもそれなりの価値はありますがね。
あと、種類を間違わない、該当品は『SSP−HG』です。
プラパテ
主にチューブ入りの、シンナー臭いグレーや白色のぺースト状のヤツです。数限りない欠点を補って余りある使い勝手の良さと安さでフツーに使われてますが、この当たり前の欠点が最後の最後の段階でモデルを台無しにすることが多いです。しかも初心者の枠から抜けられない人はパテの欠点に気づかず過った使い方をして困っている場合が多いです。でも、口で(字だけど)説明するのも難しい。んで、こーだ!
>1ミリ以上盛らない⇒それ以上はポリパテかエポパテをつかう。
>しっかり乾かす⇒我慢して半日は待て。
>とにかく乾かす⇒サフ吹き後の加工は下地にもしみこんだ溶剤を飛ばしてから行なう。
>あまり水研きしない⇒空研ぎ⇒サフ吹き⇒水研ぎの順、終了後すぐに水気を乾かすこと。
つまり、ヒケだ、ヒケ。溶剤や水分を吸収してすぐ体積が変わるから正確な加工ができないんだよな、だから、加工するときは常に乾燥状態にしておくのが一番長いやりかただわな、んで、慣れてきて、ズレを見越した加工ができるようになってはじめて便利道具の仲間入りになるんよ、このプラパテっちゅー奴は。あと、お湯+洗剤は絶対使っちゃだめ、ふやける。
成分構成
基材:スチロール系樹脂・アクリル系樹脂
溶剤:有機溶剤
基材
樹脂等の粉末。この粒子のサイズによって用途が変わる。商品名に1000より小さい番号や、何も書いてない物は一般用、1000番〜2000番が仕上げ用、サフェーサーは通常2000番以上に相当する細かい粒子が使用されています。
溶剤
チューブ入りは大概シンナー、但し一部サフェーサーでシンナーを混ぜると分離するものがあります。
エポキシパテ
粘土状、主剤と硬化剤等量を均一に練り混ぜて使用、製品ごとの性質の差がかなり幅広い。
硬化時間は5分から半日、硬度はプラ並み〜ほぼ加工不可な硬さまでさまざま、エポキシ接着剤に近い特性を持つ(耐水・耐熱・耐溶剤性高し、混合で硬化)。通常GKで使うグレードだと、加工可能な程度に固まるまでが30分〜1時間、硬さはウレタン樹脂より若干固め、価格は中指2本分位の量目で700円前後、わずかな刺激臭がある。と、こんな感じです。
商品ごとに性質のバラツキがかなりあるので詳しくは商品レビューを見てもらうとして、共通事項を挙げときます。
>硬化前の素材は人体に有害です、ヘラを湿らせるのに舐めないこと、あと、かぶれる人が最近多いみたいなので、ヘラだけで処理するか、使い捨ての手袋を使うなどの防護措置をしたほうが良いかもしれません。
>40〜60度の熱をくわえると硬化時間を大幅に短縮できます、が、よく注意しないとサフ吹き面、塗装面を沸騰させてしまう場合があるので注意。あと、火は使っちゃだめ。
>キャストに対してパテ自体の接着力が弱いので、加工時は剥離方向に力を加えない。
>水か油を使って手指や道具にパテが付かないようにすると加工が楽。でも、油を練り込んでしまったり、パテ盛りするところに油を塗ってしまったりすると後々困るので注意。
>量の多いときはあまり気にしなくて構いませんが、小豆大(BB弾)以下の量を混ぜる時は、きっちり1:1になるように混ぜること。2種を混ぜるヤツは皆、コレ、重用ネ。
使い方、使い所
盛り付けた形そのままに硬化する性質を利用して、ある程度までモールドを施してからかためたり、ひも状にのばしてモールドしたり、挟み込んで隙間をふさいだり、気泡の団体さんには指で擦り込んだりと、使い勝手は実に良好、棒状に伸ばす場合はへたらない様に芯を入れるなどの工夫が必要。後加工がつらいのでほぼ完成状態で固めると吉。
ポリパテ
FRPの親戚、成型のための芯材が違うだけ、FRPはガラス繊維や布(Fiber)、ポリパテは樹脂紛や石紛を芯材として主成分の液体に混ぜ、芯材のコシで形を作っていくワケです(双方共、小麦粉や磨き粉で硬さ調整する人がいるくらいですから、硬化時の化学変化と後加工の際に不都合な素材でなければ何の粉でもまあOKだと思う、うどん粉パテっていうのも合ったし)。GK製作でFRPを使うことはまあ無いので今回はポリパテの説明のみ。
=性質・特性・注意事項=
>成分構成⇒2液混合ポリエステル樹脂+芯材(樹脂粉)+粘度調整用溶剤(シンナー)等が主成分、一般的に『ポリパテはヒケない』と言われますが、ウソです、溶剤成分が蒸発する際、わずかに収縮します(通常0.3%程度)。混合比を変えたり、溶きパテにしたりするとさらに変化します。強度・硬度については芯材の性質に左右されます。
>主材+硬化材の混合による化学反応で硬化します。この反応時に熱が発生するんですが、この反応熱は混合量が増加するにつれて劇的に上昇し、場合によっては100℃を超え、プラ素材を侵したり、作業者が火傷を負ったりします(100g以上から反応が激しくなります、これはエポキシ接着剤・ウレタン樹脂等、他の化学反応硬化物も同様です、重要なことなのでよく憶えておいてください、あと、さわれないほどの温度になると、猛烈にガスが発生する場合があります、このなかで、瞬間接着剤とウレタン樹脂は特に刺激の強いガスを発生します。直撃するとかなり危険ですので必ず換気して、できれば背中側が風上になるようにしてください。
……ちなみにキャスト注型時にこの蒸気をモロに吸ったとき、まるでマンガの様に鼻血が弾けて花が咲き、10分程悶絶、2日ほど瞼がお岩さん状態になりました(キャスト2キロ混合時)、むっちゃつらかったです、ハイ…。
>小豆大以下で混ぜるときは硬化不良になる可能性が高いです(単純な数学ですね、うん。1%のズレでも、合計100gの1%と10gの1%では10倍の差がでる〜、と)。固まったフリして、ずっとペタペタのままだったりする場合もすくなくないので、ある程度まとまった量、大豆サイズ位の量から混ぜるようにしたほうが良いでしょう。
>加工のすすめ⇒加工前のペースト状時は加工らしい加工になんないので、ある程度固まり始めてからが勝負、ペタつきが消え初めるころはパルサ材の様にザクザクと削れます。
硬化後もドライヤーや半田コテ、バーナーなどで80度〜120度位に加熱すると、又ザクザク削れるようになります。ぺ一スト時は不定形さを利用して、隙間への流し込み、挟み込み、擦り込みが効果的、特に微細気泡の団体さんには指で擦り込むと一発でほぼ埋まっちゃいます、フィギュア・メカにはもってこいの方法です。なお、性質上混合時にいっしょに混ぜ込んだ空気が気泡として残るので、削ったり、磨いたりした際に、つぎつぎと穴ぼこが出てきます。これはもうどうしようもないので地道に埋めていってください。あと、鉱物の粉末や石粉が芯材のものは、加工の際、工具の刃がすぐダメになります。なまくら刀はケガの元なので刃はまめに交換するようにしてください。
>夏期1ヶ月、冬期3ヶ月位でパテ中の溶剤の揮発が終わり、それに伴って収縮も止まります。この頃になるとカチカチに固まっちゃってますのでモノによっては一切の加工ができなくなってしまいます。加熱すれば若干柔らかくなりますが、ボソボソになる場合が多いので、追加加工が必要な場所はごっそり削り取ってから盛り直したほうが良いかも知れません。
>素材に対しての接着力はあまり強くありません、大量盛りや、力のかかるところに盛る際は、盛る面に大きな引っ掛かりを付けたり、一度剥がして再接着したりした方がよいです。あと、薄盛りは剥がれやすいので、下地を掘り込むか、瞬着を混ぜたりして補強したほうがよいでしょう(個人的には掘り込みをおすすめ)。
パテ・応用編
初心者モデラーには出てきた気泡にそのまんまパテ盛りだすひとってけっこう多いようですが、これは改めたほうがよろしいです。まず、気泡というものがどのようなものか想像してみましょう。キャストキットはゴム型にキャストを流し込み、それが化学反応でかたまったものです。この流し込みの段階で巻き込んだ空気、型に注がれてから、中で湯(鋳型に流す液体のこと)が暴れたときに巻き込んだ空気、細かいデティール、突起などに湯が流れず(大概は空気逃がし道のつくりそこない)残った空気、反応時、湿気や離型剤の使いすぎて発生したガスが、気泡の発生する原因になってます、んで、液体の中に巻き込まれた気体は表面張力で球形を成します、これは炭酸飲料等の泡をみていただけれぱおわかりだとおもいますが、炭酸飲料をコップに入れたものを想像してください、で、これをキャストキットにたとえますと、コップがゴム型、炭酸飲料が湯にあたります、で、タンサンの泡が気泡になるワケです。
で、このたくさんのアワの中で、我々を困らせているのは『コップにくっついてる泡』と、『表面に浮いてきた泡』の2つなのですね。おわかりいただけましたでしょうか、ここで、このコップにくっついてる泡の1つをよく見ると、べたっとくっついている訳ではなく、わずかな一点でくっついています。工作を難儀にしている要因でおます、これにより、顔を出している一点より隠れている部分がでかい&気泡の内部はツルツルのテカテカという状況が発生します。このため、気泡を埋める前に穴をえぐって口を広げなければならず、ツルツルで引っ掛かりがない表面性状の為に、やっとこさ埋めたパテもあっさり剥がれちゃうとゆー結果になります。
つぎに、表面に浮いてきた泡がどんな悪影響を及ぼすか、なんですが、こいつはほとんどが注型時の上面にあたる部分にできます。たいがいが大きな気泡で、モールドをまるごと喰ってたりすることが多いです。で、じつはですね、このタイプの気泡のほとんどは量産用ゴム型製作過程での設計ミスです。つまり、回避する手段があるんです。ですから、ひどい物はリリース側の企業努力を促すためにクレームを出しましょう。大手など、メーカーに余力があるなら交換してもらうのも1つの手でしょう。ここで『んなもん自分の腕で処理してナンポやんけ』というひと、それ、あってます。でもね、GK製作の敷居を低くして、ユーザを維持、拡大していく為にも『製品』としての質の向上を図ることは大切です。
メー力ー側も、クレームが来ないと甘えが出ますから(特に営利的成長してデスクワークの人がいっぱい増えてるような場合)、
せいぜいケツを叩いてみんなで幸せになりましょーっちゅーコトです。御理解ください。
で、本題の、如何にしてこれらを処理するかと言いますと、こーします。
1.気泡の群れを見つけたら根こそぎえぐってパテを盛って自分で元通りでっち上げる。
2.大きめのツルツル気泡にはツルツルな所でもがっちりくっつく瞬着で覆っちまうか、ツルツルを削り取って、ツルツルじゃなくしてからパテ盛り。
3.見なかったことにしてそのままパテ盛りしてフタ。
以上の3大必殺技で〜、え、マジメにやれ?でも、わし、いままでずっとこーして………、いや、やっぱちまちま埋めるとストレス溜まるっしょ?イライラするのは体によくないし、実際ポリパテの指擦り込みと上の3つで事足りるし……………………えー、ちまちま埋めるのがフツーだそーです、でも、上の方法でも不都合はないはずです。あと、気泡でモールドや突起が丸ごと欠けちゃってる場合、悩んだ挙げ句、腕が上がるまで放ったらかしにするより開き直ってテキトーにでっち上げてでも完成させたほうがいいっスよ。どーせ自分のだし、模型なんてのは作ってナンポ(ああ、押し入れの在庫は何年分かのぅ…)だし、完成させたら気持ちいいし。う…、なんだかいつのまにやら大脱線…。 と、まあこんな感じで(どんな感じやねん)処理してね。と、以上。