和歌山県 紀南 中辺路 世界遺産 熊野古道 の入口近くの方丈庵からの生活情報を紹介しています

 東近江市 船岡山

 
秋風が吹き出したと思っていたら、北国からは雪の便りの季節になっている、しかし、ここまで涼しくなるとワサビ畑の改造には最高の時期である、1年間に流れ込んだ細かい土砂を洗い流し、表面から20Cmくらい下まで養水が浸透して流れてくれると来夏の高温期に地温が上がらず、肝心な根茎が腐らず無事収穫できるのである。

 田舎の生活はさぞ単調な生活だろうと想像されるであろうが、少し視点を変えて実行する事で、結構忙しい暮らしである。

 草木染は前回紹介したが、沖への釣行の際に、海水を船の生簀に汲んできての塩作りや、老妻の認知症防止のためとして織物へ挑戦させ、その織物のための縦糸、横糸の染色等など。

 原材料は、塩作りにしても、染色材料にしても、労力さえ厭わなければ、海、山どちらでも無限にあり、日本古来の染料の藍草(蓼藍)や、ムラサキ草(絶滅危惧種)、綿花、紅花、などは自分で栽培する事で、材料店での購入の必要も無くあまりお金の掛かる事ではない。


 

方丈庵トップ > 田舎の生活のこと >塩作りと草木染と織物(11月2日)

 塩作り

 
 塩作りは船を購入したときからの構想であった、ケンケン漁では陸地から30〜40Km、それ以上まで沖に出る事がたびたびである、黒潮本流の近くでの海に色を見ていると、この海水で出来た塩はどんな塩に成るだろうと思ったのが事の始まりである。

 出来上がった塩は、市販されている荒塩の感じであるが、舐めると甘く感じるこれは塩の結晶の表面に付着しているニガリ成分(マグネシュウム)のためであるらしい、人間の舌の、味覚を感じる細胞は、「甘い、辛い、苦い」など色々な細胞があり、この塩の場合、結晶に付着したニガリ成分が最初に甘さ細胞に反応し、その後に塩の結晶が溶けて塩辛さを感じるのである。

 今からの季節は、大根、ハクサイ、等の美味しくなる頃である、この塩で漬けた漬物はニガリ成分のためか、コクのある、昔懐かしい味がする。

 ところで作った塩を如何するのか、疑問に思われることであろうが、そこは田舎のこと近所の農家に無償で提供しておくと、ハクサイや大根になって帰ってくる計算である。

 しかし困るのは、ハクサイや大根の収穫時期はみな同じなので、今年は大きな漬物樽を用意しておかなければならないだろう。


                                                         


早朝からの出漁 沖を行く20万トン級のタンカー

取水の準備. 海面下20mからの取水
庭に温室を利用して作った濃縮装置 循環ポンプ
濃縮中(初日ごろ) 濃縮中(4日目ごろ)
10分の1に濃縮した海水をさらに煮詰める 30分の1くらいから塩の結晶が始まる
出来た結晶を金網で掬い取る 出来上がった塩(2Kgくらい)
塩の巨大結晶(煮込み中結晶が始まった頃に作業を中止したら翌朝に出来ていたものである)

  偶然のこととはいえ、この巨大結晶には驚いた、高さは低いが正四角推である、水晶などの結晶もこのように出来るのだろうか、塩は型込めしてマイナス30〜40℃で凍らせると金槌でたたいても壊れないと聞き及んでいるが果たしてこの結晶がどれほど硬くなるのか、冷凍コンテナで試してみる積もりである。


 
夏から初めて現在までに製造できた塩は下記の通りである、使用している動力は循環用の24Wのポンプのみで、燃料の薪は間伐材で、何十年炊いても無くなることは無い、人件費は無視したとして、いくらのコストが掛かってるのだろうか。
 
 
  生産量
製塩回数 着手日 濃縮終了日 日数 出来数量 備 考(投入水量)
1 8月16日 8月30日 15 2.4 Kg 286.7
2 9月7日 9月23日 17 2.1 Kg 292.4
3 9月24日 10月10日 21 2.0 Kg 143.4
4 10月10日 10月26日 17 2.8 Kg 160.6
5 10月29日 Kg 172.0
                                                             
 

 草木染と機織は次回更新いたします
織物練習(小学校の教材で) 天然素材による縦糸、横糸の染色
青花(友禅の下絵具青紙の材料) 紫染めの原料ムラサキ草(日本種)
藍染の原料(蓼藍) 綿花(紡いで、染めて、織って)が夢

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