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本場伊豆のワサビ田


 秋風も吹き出し、厳しい暑さの中、南紀でのわさび栽培も何とか無事に峠を越し安堵しているところである、昨年暮れに新設、改良したのが上手く行き来春の初カツオの頃の収穫が楽しみである。

 昨年の改良の際に水量を2倍に増やしたのと、梅雨明け後に80%の遮光が功を奏したようだ、また今年は梅雨明けが遅く気温も低く、日照量も少なかったのにも助けられたところが大いにあつたのかもしれない。

 しかし、梅雨明けから約1ケ月半の雨無し(降水量40mm)には慌てさせられた、取水している谷(宮ノ谷)は過去に一度も水枯れしたことが無い谷と聞いてはいたが、9月末の降雨で一息ついた所である。


方丈庵トップワサビ栽培のこと >秋のワサビ (10月7日)



 現在、谷の水を利用しているのは、自分を入れて5軒であるが、内3軒は雑用水であり、1軒が趣味で古代米を作っている、これも田植え時期の一時期であり大した水量ではないが、やはり後から入植した者には水ひとつにしても先住者への気苦労がある

  小雨も困るが降り過ぎても困ったものである、上流からの取水パイプを通って流れ込んで来る細かい土砂で、浸透して行くはずの水が表面だけを流れ、養分が根に取り込まれないのかいつの間にか消滅するのである。
水枯れ寸前の谷 通常の谷
昨年末に新作の畑 昨年末に改造の畑
鉢植えワサビの実験 土砂の流入で消滅した箇所
 
  

  戦後開拓団としてこの一帯に入植した人達が、山の中腹から取水、田んぼに水を引いた導水路の跡が現在も残っているが、あの食料難の時代には水争いで死人まで出たという話は、今年の少雨を経験して頷けるところである。

  思い付きで始めたワサビ作りであるが、農作物としては環境に一番左右される作物ではないかと思う、年間を通しての水の確保管理、水量による作土内の温度(20℃以下)の確保、日射量の調整、風通しの工夫等など、昨年伊豆に行きワサビ田を見て回り、いろんな工夫を見てきたのが今年の成果に繋がったのだろうと思っている。
伊豆のワサビ田 1
伊豆のワサビ田 2
伊豆のワサビ田 3 伊豆のワサビ田 4

 ここ紀南で、いたるところで小規模ではあるがワサビ栽培がなされているが、大規模に栽培するにはやはり長野や伊豆地方みたいな、条件や環境でないと採算が取れないであろう。

 近隣のワサビ栽培を見ても、自分の作付面積の5倍くらいまでである、専業で栽培している所は無く、他に仕事を持っている人が片手間で現金収入を得る為の栽培であるようだ、また
消費も観光客目当てで民宿などの宿泊施設などである、ワサビは収穫時期が限られていないのでストックする必要が無く、当日の宿泊人数に合わせて収穫すれば良く、その点は便利な作物なのである、自分も来客の時には、前日に未熟ではあるが大きめなのを持ち帰り、当日釣った魚でご馳走するのを楽しんでいる。