「賢治先生がやってきた」(短縮バージョン)
(20分) 一幕六場
【あらすじ】
「ある日突然、賢治先生が学校に赴任して来られます。
考えごとをしながら歩いていて、ふいに「ほー」と叫んで跳びあがったり、
何かをメモしたり、賢治先生はふしぎなんです。
いったいどんな授業をされるのか、生徒たちは楽しみにしています。
1時間目は美術の授業、美術室には賢治先生の「月夜のでんしんばしら」
という奇妙な絵が飾ってあります。その絵が突然画面から抜け出して動き出したから大騒ぎ。
2時間目は国語、「雨ニモマケズ」の詩を朗読します。先生の課題は、
「ほにゃららニモマケズ」の詩を書くこと。どんな詩ができるかな。
3時間目は音楽。賢治先生が作曲された「月夜のでんしんばしら」の歌を歌います。
美術室から、絵から抜け出した月夜の電信柱も駆けつけます。
4時間目は総合学習。賢治先生は、園芸も得意らしいよ。
トマトやジャガイモの収穫をして、
「トマトを食べてもいいかな?」とトマトさんに聞いてから、みんなで食べます。
賢治先生は、トマトと話しができるんです。そこの風の又三郎くんもやってきます。
そして、昼休み。生徒たちは風の又三郎くんから、賢治先生の秘密を少し聞き出します。
5時間目と6時間目は、賢治先生の理科の授業。理科室でプラネタリウムを使って星の勉強を
します。授業の最後に賢治先生が「今日は、放課後理科室で危険な実験をしますから、近づかないように」
と注意されます。しかし、生徒たちは、暗くなり始めて理科室に忍び込んで、ついに賢治先生の
秘密を知ってしまいます。賢治先生の秘密とは何でしょうか。そして、秘密を知られた賢治先生は
残念ながら学校にとどまることができず、銀河鉄道で去っていきます。
くわしくは見てのお楽しみ。」
【では、はじまりはじまり】
ナレーター その前の夜、大きな流れ星がみえました。四月はじめのなんだかかすんだような
夜だったのに、流れ星は長く尾を引いて流れました。まるで宇宙からきた列車のような
長い光の尾だったそうです。
(客席の後方から舞台脇まで張りわたされた線を伝って、窓に点灯した銀河鉄道が急降下して
くる)
【一場】
(幕前の張り出しで)
(校長、賢治先生、生徒五人がいる)
校長 みなさんに紹介します。宮沢賢治先生です。岩手県の花巻農学校から
こちらに来てくださいました。先生、どうぞ。
賢治先生 宮沢賢治です。よろすく。
(帽子に外套のいでたち、賢治は最後まで帽子を被っている)
(礼をして舞台の生徒の前を歩いていく。「ホーホー」と叫び跳び上がりざま
空中で足を打ち合わせ、すこし走って立ち止まるやメモをとる。
ふと顔をあげて、足ばやに去る)
生徒 おかしな先生やな。
生徒 「ホーホー」って叫んで、跳びあがって……、それに何か書いてたぞ。
生徒 あの「ホーホー」は、なんやねん。
生徒 何を書いてたんやろ。
生徒 不思議な先生やな。
生徒たち (みんなで歌う)
賢治先生はふしぎな先生
賢治先生はふしぎな先生
生徒 いったい何の先生かな。
生徒 何をおしえてくれるのかな。
生徒 たのしみやな
【二場】
生徒たち (大声で)賢治先生の授業はおもしろいぞ。
生徒 1時間目は美術の授業です。美術室に入ってください。
(幕があく。中幕は閉まったまま)
生徒 これが賢治先生が書かれた「月夜のでんしんばしら」の絵です。
(賢治の絵そのままに、月夜のでんしんばしらに扮した生徒が額縁の中に立っている。
生徒たちは張り出しにいて、その絵を怖々のぞきこみにくる)
月夜のでんしんばしら わたしは月夜のでんしんばしらであります。
(と、画面から一歩踏み出して、敬礼をする)
生徒たち 「おー」(というおどろきの声をあげて、後じさる)
生徒 うごいた。絵がうごいた。
生徒 すげえ絵だな。
生徒 ふしぎやな。
生徒 けったいな絵やな、電信柱の人間か。
生徒 賢治先生はこんな絵をかくのか、ふしぎな先生やな。
生徒 2時間目は音楽。音楽室に入ってください。
(生徒が五人、賢治作曲『月夜のでんしんばしら』の歌を歌いながら行進してきて、
月夜のでんしんばしらの前でとまる。曲に合わせて月夜のでんしんばしらも足踏みをする)
合唱隊 ドツテテドツテテドツテテド
でんしんばしらのぐんたいは
はやさせかいにたぐいなし
ドツテテドツテテドツテテド
でんしんばしらのぐんたいは
きりつせかいにならびなし
生徒 ふしぎな音楽やな。
生徒 3時間目は国語です。
生徒 賢治先生は、童話や詩も書いてるらしい。
生徒たち 『雨ニモマケズ』を朗読。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテヰル
(中略)
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボウトヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
賢治先生 では、みなさんも、この詩をまねて「ほにゃららニモマケズ」という
詩を書いてみましょう。
生徒 4時間目は総合学習の時間です。外の農場で授業をするそうです。
(暗転、張り出しの生徒は退場。中幕が開くと背景は農場)
【三場】
(農場で賢治先生が授業している)
賢治先生 草引きごくろうさん、少し休憩しようか。
君たちが鋤き込んだ堆肥をたっぷり吸い込んで、
じゃがいもは、ほら、ほっこりうまってる。(じゃがいもの根方をなでるように押える)
こっちのは、もっこりうまってる。こっちのじゃがいもはかっちりだな。じゃがいも家族は
土の中で手をにぎりあってるね。鈴木君、どうかな。
生徒(鈴木) こっちのは、ぴったりうまってます。(と、根方にさわる)
賢治先生 いいぞ、こっちのは、どうかな、山崎君。
生徒(山崎) ぺったりうまってます。
生徒 先生、土が暖かいです。
賢治先生 土が暖かくて、じゃがいも一家は幸せだ。じゃがいもさんたちはこれでいいぞ。
じゃあ、こっちのトマトはどうかな、木下さん。
生徒(木下) ほっぺたみたいにほっぺりしています。(と、トマトに触れる)
賢治先生 そうかそうか、ほっぺたみたいか、じゃあこっちのはどうかな。
生徒 むちむちしています。(みんなが笑う)
賢治先生 そうか、じゃあ、このほっぺりトマトとむっちりトマトをすこしいただこうかな。
もぎたては、おいしいぞ。いいかい、しずかに、しずかに。「トマトをたべてもいいかな。」
(と、ちいさく叫ぶ)
(どこからか「いいぞ」という声が聞こえる)
生徒たち あれっ?……
賢治先生 きこえたかな。
生徒 なんかきこえたかな。
生徒 ようわからんかった。
賢治先生 じゃあ、きみたちもきいてごらん。
生徒たち トマトをたべてもいいかな。
(何もきこえない)
賢治先生 だめだ、だめだ。もっとこころをこめて、ほんとうにいただきますという
気持を込めて呼びかけるんだ。
生徒たち トマトを、たべてもいいかな。
(「いいぞ」という声がかすかに聞こえる)
賢治先生 そうらきこえた。みんなはとても上手だ。
生徒 ふーん。おかしいな。
生徒 せんせい、口の中で何かいってませんか。
生徒 ○○先生の腹話術みたいに。
賢治先生 いってないよ。じゃあ、トマトのお許しがでたから、みんなでいただこうか。
(風がふいてくる。『ゲゲゲの鬼太郎』の音楽にのせて
「ど、ど、どどどのど」という声が響いてくる。)
賢治先生 あっ、又三郎がきたようだな。わたぼうしのように、この風にのって。
生徒 又三郎ってだれですか。
賢治先生 しー、みんなで、呼んでみよう。はずかしがりやなんだ。
生徒たち (『ゲゲゲの鬼太郎』の曲にのせて)
ど、ど、どどどのど
ど、ど、どどどのど
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくゎりんも吹きとばせ
ど、ど、どどどのど
ど、ど、どどどのど
(ひゅうという風の音とともに、くるくるとまわりながら、又三郎があらわれる。異様な風体)
又三郎 おれ、風の又三郎だ、みんな、仲間にいれてくれや。
生徒 どこから現れたんだ。
又三郎 ど、ど、どどどのど(スローテンポの『ゲゲゲの鬼太郎』の音楽)
おれは風、風にのって飛んでくる。時間の壁もひとっとび、たつまきまきであらわれる、
というわけだ。よろしく。
賢治先生 森のなかを風が吹きぬけるとき、枯葉をおっかけて又三郎がとびでてくる。
生徒たち 風の又三郎はふしぎなこども
風の又三郎はふしぎなこども
(中幕閉まる)
【四場】
生徒 4時間目のつぎは一番の楽しみ、お昼休みです。
(幕の前で。生徒たちと又三郎)
生徒 賢治先生はトマトとしゃべれるのか。ふしぎやな。
生徒 トマトが返事したからな。
生徒 どうしてやろう。
生徒 正体不明やな、賢治先生の歳はいったいいくつなんやろか?
生徒 さあ、わからんな。又三郎君、いくつなんかな。
又三郎 百歳。
生徒 ひぇー、百歳。
生徒 NHKの『百歳ばんざい』に出られるな。
生徒 せやけどとても百歳にはみえへんで、どうみても三十五歳くらいや。
−−−ここは、つぎのように演じる案もあります。
又三郎 百十七歳。
生徒 ひぇー、百十七歳。
生徒 ギネスブックに載せてもらえるな。
生徒 せやけどとても百十七歳にはみえへんで、どうみても三十五歳くらいや。
−−−
又三郎 そりゃあ、そうだ、賢治先生は三十七歳で死んでるんだから、それから歳とってないよ。
生徒 えー、死んでる……。だったら、賢治先生は幽霊。
生徒 まるで学校の怪談みたいや。こわ、ああこわ。
生徒 せやけど足あるで。(賢治をまねて、「ホー」と叫んで、跳びあがって足を打ち合わせる)
生徒 賢治先生は死んだかもしれんけどたしかに生きてるよ。(強い調子で)
生徒 わたしもそう思うわ。
生徒 賢治先生はふしぎな先生やな、死んでも生きてる。生きているけど、ほんとうは死んでいる。
生徒 このふしぎはもっと、調べてみたいな。『ふしぎ発見』や。
(チャイムが鳴る。)
生徒 あっ、つぎの授業がはじまるで、行こうか。
【五場】
生徒 5時間目と6時間目は、合わせて賢治先生の理科の授業です。理科室に入ってください。
今日はプラネタリウムを使って星の勉強をするそうです。
(中幕が開く、星空の背景、青の暗めの照明)
賢治先生 さあ、みんな暗室の暗さに目がなれてきたかな。……これは、
プラネタリウムといって、天井に星空が映るようになっている。
生徒 わあ、きれいだ。
生徒 本当の夜空みたいや。
賢治先生 ほら、そこのミルクの流れたあとのようなのが天の川、
銀河だ。星が砂のように集まった天(てん)の川。
生徒 すごく明るい星があります。
賢治先生 この明るいのがデネブ。
生徒 えっ、デネブー?
賢治先生 デネブーじゃなくて、デネブ。白鳥座の星だ。こういうふうに天の川を
白鳥が飛んでいて、そのおしりのところ。
生徒 だから、白鳥のおならでデネブーか。(生徒おしりをつきだす。他の生徒が笑う)
賢治先生 これがカシオペア、そして白鳥、近くにこと座、そのさきがわし座。
さそり座は見えない。天の川にそって走るととってもきれいだ。
生徒 何に乗って走るんですか?
賢治先生 そう、何がいいかな……。ぼくは、百年まえに宇宙飛行士になりたかった。
生徒 百年前……、やっぱり百歳。(と、生徒同士でめくばせする)
賢治先生 そう、百年前に……。
生徒 百年まえにロケットはあったのかな。
生徒 ロケットどころか、飛行機もあったかどうか。
賢治先生 大きいトンボみたいなプロペラ飛行機ができたくらいかな。
ロケットもなかったし宇宙船もなかった、だからぼくは考え出したんだ。
生徒 何を考え出したんですか。
賢治先生 銀河鉄道。
生徒たち 銀河鉄道?
生徒 それはなんですか。
賢治先生 この地球から天の川までかけのぼるジェットコースター。
天の川のほとりを走る宇宙の超特急だ。
生徒 そんなのありませんよ。
生徒 スペースシャトルよりすげえや。
又三郎 ほんとうは死んだ妹のたましいを天の川まで送りとどけるために考え出したんだ。
(客席にむかって暗くひくい声でつぶやく)
生徒 銀河鉄道なんて、そんな電車はきいたことがないな。
生徒(小島) ぼくの全国時刻表にものってないかな。
賢治先生 全国時刻表。そうか、小島君はいつも時刻表をもってるからな。
そこにものってませんか?
じゃあ、電気をつけるぞ。(舞台明るくなる)
生徒(小島) はい、時刻表。(と、賢治先生に時刻表をつき出す)
生徒 先生、小島君は電車のことなら、なんでも知ってますよ。
行き帰りの電車のなかで、車掌さんのまねをしてるくらいですから。
生徒 この前なんか、校外学習で赤目へ行くのに電車のことは小島君が全部時刻表で調べたんですよ。
賢治先生 そうか、じゃあ、銀河鉄道の時刻表を調べてもらおうかな。
生徒(小島) (パラパラとページを繰って)のっていません。
賢治先生 ほんとうかな。もっとよく調べてごらん。小島君がほんとうに銀河鉄道に
乗りたいと思ってさがしたら、きっと見つけることができるよ。
生徒 そんなの、あるわけないです。
生徒 賢治先生、からかわないでください。
賢治先生 ごめんごめん。じゃあこのはなしはこれくらいにしようか。もう時間だから。
生徒(小島) 銀河鉄道999(スリーナイン)。
賢治先生 えっ、小島君、いまなんて言った。
生徒(小島) 銀河鉄道、スリーナイン。乗ってみたいな。(ジェットコースターのゴーッという音が
遠くから聞こえる)
生徒 いまの音聞こえなかった?
生徒 いや、聞こえたような聞こえなかったような、何の音かな……。
(チャイムが鳴る。)
賢治先生 チャイムがなったね。それではこれで終わりにします。ぼくは、今日の放課後ここで
たいへんあぶない実験をしますので、きょうはぜったいに理科室に近付かないように。
生徒 先生、どんな実験ですか?
賢治先生 それは秘密。いつか話してあげよう。でもいまは秘密。
絶対に近寄ってはだめだよ。
生徒たち わかりました。
賢治先生 じゃあ、これで終わります。
生徒 起立。礼。
(暗転)
【六場】
(五場と同じ理科室。賢治がひとりスポットライトに浮かび上がる。
駅員の帽子を被っている。)
賢治先生 (マイクを持ったふりで)銀河鉄道地球ステーション、地球ステーション。
まもなく到着いたします。銀河鉄道終点でございます。
お忘れもののございませんようにご準備ください。
(放送を終えて、かたわらに去る。)
(舞台、明るくなる。生徒たち、理科室をのぞいていたようすで、こわごわ現れる。)
生徒 賢治先生が駅員さんになってたぞ。
生徒 銀河鉄道地球ステーションってなんだろう。
生徒 理科室は何かの駅なのかな。
生徒 なんだか、こわいわ。
生徒 やっぱり約束をまもって来なけりゃよかった。
生徒 どこかへ連れて行かれそう。
賢治先生(声) 銀河鉄道、地球ステーションに到着いたしました。
お忘れもののございませんようにお降りください。
(ガタガタとものがゆれる音がする。立っていた生徒たち思わず椅子に座る。)
生徒 なんだ。なんだ。
生徒 きゃー、こわいわ。
生徒 理科室がゆれてるよ。
生徒 地震かな。
生徒 ちがうよ。列車が到着したんだ。
生徒 震えてる? どうなってるのかしら。
賢治先生 (スポットに照らされて)何か生徒の悲鳴が聞こえたようだが……。
(と、理科室を見まわす)何だ、君たちか……、
あれほどのぞきに来てはいけないと注意しておいたのに。
生徒 賢治せんせーい、すみません。
生徒 どうしてもオレたち、賢治先生の秘密をしりたかったんです。
賢治先生 しかたないな。でも、秘密を知られたからには、私はこのまま、
この学校で教師をしているわけにはいかないんだ。今、到着した銀河鉄道に乗って
さようならをしなければならない。
生徒 そんな、賢治先生、ごめんなさい。どうか行かないでください。
生徒 もっともっと、絵や音楽も教えてほしいし、「雨ニモマケズ」の宿題も
出ているし、どうしてくれるんですか?
生徒 銀河鉄道の話ももっと聞きたかったわ。
賢治先生 ありがとう、君たちの気持ちはわかったよ。しかし、これは決まったこと
なんだ。私は、この列車に乗ってゆく。……また、会えることもあるかもしれない。
その日まで、さようなら
(と、賢治先生が準備室の扉の中に消える)
賢治先生 (車掌口調の声だけ)銀河鉄道、南十字星駅ゆき、ただいま発車いたします。つぎは白鳥駅、白鳥駅」
(SLの発車する音がだんだん大きくなり、汽笛が鳴る)
生徒 外に出てみよう。銀河鉄道が見えるかもしれない。
生徒 そうね、賢治先生におわかれしましょう。
(生徒たち、舞台の前面に出てくる)
(舞台そでから電気をつけた銀河鉄道がのぼっていく)
生徒 あっ、銀河鉄道が発車していくぞ。
生徒 賢治先生と又三郎くんはきっとあれに乗ってるな。
生徒たち 賢治先生、賢治先生。(と叫ぶ)、
又三郎、又三郎。(と叫ぶ)
生徒 賢治先生、ぼくもこんど銀河鉄道に乗せてください。
(耳をすますと、遠くから「いいぞ」という声が聞こえる)
生徒 天の川まで連れて行ってください。
(「いいぞ」)
生徒たち みんないっしょでいいですか。
(「いいぞ」)
生徒 賢治先生、百年たったら、また会いましょう。
(「よーし、いいぞー、百年たったらまた会おう……。」)
生徒たち 約束ですよー、賢治先生。
(「いいぞ」)
ナレーター こうして、わたしたちの学校にやってきた賢治先生と
風の又三郎君は去ってしまわれました。賢治先生の『ふしぎ発見』をしたわたした
ちのせいかもしれませんが、とても残念です。この文化祭も、
賢治先生に見てもらいたかったのに、又三郎君といっしょに劇をしたかったのに。
でも、賢治先生はきっと、どこかで、わたしたちの学校生活を見守っていてくださると思います。
それに、賢治先生は銀河鉄道に乗せてやると約束してくださいました。
わたしたちはまっています。いつかかならず約束を守ってくださることを信じています。
いつかかならず。
全員で (『賢治先生はふしぎな先生』の歌)
賢治先生はふしぎな先生
賢治先生はなんだか宇宙人
なんでも教えるふしぎな先生
ふしぎを教えるなんだか宇宙人
夜空に叫べば汽笛がこたえる
天の川にも銀河鉄道フリーパス
賢治先生はふしぎな先生
こころにのこるあの叫び
賢治先生はふしぎな先生
賢治先生はなんだか宇宙人
なんでも教えるふしぎな先生
ふしぎを教えるなんだか宇宙人
畑で叫べばトマトがこたえる
よだかの星も銀河鉄道フリーパス
賢治先生はふしぎな先生
こころにのこるあのジャンプ
わたしたちの劇を見ていただいて、ありがとうございました。
【幕】
『賢治先生はふしぎな先生』はオリジナルで、池田洋子さんに作曲していただいた譜面があります。
「楽譜のページ」には、こちらからどうぞ。
追補
この脚本を使われる場合は、必ず前もって作者(浅田洋)(yotaro@opal.plala.or.jp)まで
ご連絡ください。
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