倉西裕子の著書

Books by Yuuko Kuranishi(倉西裕子) (1)

倉西裕子『日本書紀の真実 紀年論を解く』(講談社選書メチエ 2003年 )

内容:本書では、日本書紀の紀年法には、プラス・マイナス120年構想が設定されており、多列・並列構造にあることを解明いたしました。
 研究史上、日本書紀の紀年は、信憑性に欠くということが常識とされてきました。そこで、本書では、日本書紀の紀年と実年代との間には、具体的に、どのような矛盾や不整合があるのか、研究史を辿ることで確認することから論を起こし、さらに、その矛盾は、どのような理論を用いれば、きれいに説明することができるようになるのか、を検証、考察いたしました。その結果、日本書紀紀年法には、神功元年から雄略五年までの間に、応神列(A列)・雄略列(B列)、允恭列(C列)、仁徳列(D列)からなるプラス・マイナス120年構想と多列・並列構造が設定されていることが明らかとなってまいりました。
 本ホームページ、「倉西先生のご学問所」の歴史学コースの日本書紀紀年法入門は、本書での研究を基礎としています。さらに詳細にわたって、紀年法について学びた、考えたい、とお考えの方は、ぜひ、本書をご参照いただきたいと思います。本書は、単行本として発表させていただいた、わたくしの最初の研究成果ということもあり、考察が、まだ十分ではなかった点などがありました。そこで、本ホームページの歴史学コースにおいて、履中・反正列を加えて整理するなど、多列並列構造の年代列に訂正を加えさせていただきました。また、わたくしの最新作、『源氏物語が語る古代史 交差する日本書紀と源氏物語』にて、多列並列構造の訂正年表を提案させていただいております。

目次:
プロローグ 序章『日本書紀』はこうして解明できる 第一章 応神元年から雄略五年までの編年 第二章 「紀年論」と「倭の五王」 第三章 神功紀の「紀年」 エピローグ 紀年体系のグランドプラン

倉西裕子『「記紀」はいかにして成立したか 「天」の史書と「地」の史書』(講談社選書メチエ 2004年)

内容:日本書紀と古事記は、似て非なる史書です。なぜ、似て非なる史書であるのか、本書では、「日本式紀伝体」ともいうべき史書の編纂記述様式の実在問題をアプローチに、両書の性格の相違を古代日本の統治制度のあり方にまで掘り下げて考えてみました。
 「帝紀」と「旧辞」、「天皇記」と「国記」など、日本書紀や古事記には二つの史書が、恰も一対であるかのように並べて記載される場合が多々見えます。このように、二書一対であることに検証を加えてゆきますと、古代日本には、研究史上、「祭政二重政体」とも称されてきた、神祇を掌る「王」と政治を掌る「王」の問題があったことが、見えてきます。言い換えますと、神祇を担う「天」としての立場と、政治・軍事を担う「地」としての立場があったことがわかってくるのです。本書における考察を通して、日本書紀は「天」の性格、古事記は「地」の性格の強い史書であるという結論が導かれてきます。
 国史の編纂をめぐっては、どのような編纂記述様式を用いれば、その国の歴史を、統治体制をも包含する形で、もっともよく伝えることができるのか、という問題があります。
 「大王」=「天皇」か? 「天皇」の号の定義は「天」か「地」か? 「大王」や「天皇」の定義の問題なども含めて、古代日本の統治のあり方と史書の編纂様式との間には、たいへん面白い関係が見えてくるのです。


目次:プロローグ 序章 「歴史書」 第一章 「日本式紀伝体」は存在したか? 第二章 似て非なる史書『日本書紀』と『古事記』 第三章 書名が語る『日本書紀』・『古事記』成立の経緯 エピローグ



倉西裕子 『聖徳太子と法隆寺の謎 交差する飛鳥時代と奈良時代』(平凡社 2005年)

内容:日本書紀紀年法のプラス・マイナス120年構想によって端的に示されるように、120年という数字が、日本書紀では、重要な天数となっています。
 特に、基本年代列となる応神列(A列)と雄略列(B列)の間には、実年代との関係において、ちょうど120年のズレがあります。この120年のズレ自体は、江戸時代に、既に本居宣長によって指摘されていたものですが、実は、飛鳥時代と奈良時代を交差させるという、たいへん興味深い役割を果たしています。すなわち、推古紀には、ちょうど120年後の奈良時代の出来事を反映させた記載があり、その反対に、120年前の推古朝の出来事が、奈良時代の政治史に影響を与えていたことが、わかってくるのです。
 120年のズレ問題は、日本書紀に留まらず金石文などにも見られます。このように考えますと、聖徳太子をめぐる謎についても、その発生原因に蓋然性の高い説明ができるようになってきます。
 本書では、120年のズレ問題を視点として、飛鳥時代と奈良時代をめぐって展開されてきた様々な研究論争を解決するための、示唆に富んだ説を提起させていただきました。


目次:プロローグ 第一章 『日本書紀』の編年問題―A列とB列 第二章 『日本書紀』成立年の謎 第三章 『薬師如来像光背銘文』偽造説と『釈迦三尊像光背銘文』偽造説 第四章 「多利思比孤」は聖徳太子か? 第五章 聖徳太子実在・非実在論−聖徳太子複数説 第六章 法隆寺再建の謎−奈良時代の政治史のなかの聖徳太子 エピローグ

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