日本書紀紀年法入門
日本書紀紀年法入門

 日本書紀は、七二〇(養老四)年に成立した我が国初の正史です。しかし、日本書紀は、これまで、信頼性のある史書として、評価されてきませんでした。
 その最大の理由は、紀年と実年代との関係が、はっきりしていなかったことにあります。何々天皇の何年といいましても、それが西暦では何年にあたるのか、まったく、わからなかったのです。
 こうした不明瞭な紀年と実年代の関係は、わたくしの拙い研究成果であるプラス・マイナス120年構想と多列並列構造によって、数学的に説明することができます。日本書紀の紀年は、応神元年(西暦390年)から雄略5年(西暦461年)の間においては、複数の年代列によって構成されており、神功元年(西暦201年)から神功69年(西暦389年)にかけて不足している120年分の紀年数をカバーしているのです。
 日本書紀の紀年と実年代との関係がわかれば、日本古代史の見通しは、かなりよくなります。日本古代史の本当の姿は、日本書紀が扱う時代の年代がわかって、はじめて、見えてくることになるのですから。

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