1.プラス・マイナス120年構想

   
 応神元年から雄略五年までの間で、実際の経過年数よりも、紀年数が120年分多く加算されていることがわかりました。このことは、応神元年から雄略五年までの間では、紀年が折り重なっていることを示しています。それでは、どのように紀年は折り重なっているのでしょうか。
 

  









日本書紀の編年は、一本の年列によって構成されているわけではありません。複数の「年代列」が平行することによって成り立っています。これを、多列・並列構造といいます。すなわち、紀年の折り重なりは、複数の「年代列」を平行させることによって解決されているのです。
 さて、それでは、どのような「年代列」によって、多列・並列構造は、構築されているのでしょうか。応神元年から雄略五年までの間には、以下の6本の「年代列」が設定されています。



「応神元年=西暦390年」を基準年とする「応神列」
「仁徳元年=西暦397年」を基準年とする「仁徳列」
「履中元年=西暦427年」を基準年とする「履中・反正列」
「允恭元年=西暦433年」を基準年とする「允恭列」
「安康元年=西暦455年」を基準年とする「安康列」
「雄略元年=西暦457年」を基準年とする「雄略列」



 多列・並列構造を図示すると、次ページのようになります。


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