B’TX(ビートエックス)感想



ACT1〜31>ACT32〜FINALACT

「B’TX」全話コメント/第5巻/2002.12.20


ACT32「悪夢の戦場」

 七魔将冥夢の攻撃ターンです。このバトル、夢の中の死=現実の死というのがポイント。単なる思い付きのファンタジーではなく、タナトス(死への願望)を用いて理由づけしているところが話に深みを与えています。

ACT33「夢の出会い」

 デイドリームの中で一番大切なものを忘れてしまった鉄兵は、敢え無く夢の中で死んでしまいます。しかしながらその時脳波レベルで鉄兵の夢にナーシャが干渉してきます。ナーシャ:「あなたの胸には今、大きな空洞があります。肉体にも心にも……その空洞を私が埋めてあげられるかもしれない。何故なら私はあなたの目的を知っているから。あなたのもっとも大切な人を……私の記憶の一部をあなたにさしあげます」……これにて鉄兵は鋼太郎兄さんのことを思い出して蘇生します。ビバ兄弟愛です。ナーシャは鉄兵を助けた理由を「救ってもらうのです、私たちを……」と説明。このもう一人のヒロイン、ナーシャの結末ははっきり言って泣けます。

ACT34「心の風景」

 北斗は冥夢を打つために自らの脳波をパルス変換して冥夢の夢へと入り込みます。まさか自分の夢に入り込まれているとは思わない冥夢は、北斗の穏やかな心象風景の前に敗北を喫します。最後には冥夢が北斗の兄、昴であることが判明。

ACT35「夢の終わり

 故郷の町に核を落としたのははからずも自分であることを思い出し、自らの懺悔を北斗に告げようとした冥夢=昴でしたが、全てを伝える前に夢の終わりが訪れます。現実に戻った昴は今際の際に鉄兵に真実を語り、北斗に伝えて欲しいと言い残して息を引き取ります。この最後のやりとり、そして北斗には何も伝えずに忘却の森を飛び去っていく鉄兵&エックスが最高にカッコいい一話です。

ACT36「血戦!神居島」

 華蓮VSメタルフェイスパートです。華蓮、若干ピンチになりますがシャドーエックスが駆けつけてきて圧勝。なにかしら華蓮の方が一枚上手という話です。

ACT37「アンダーヘルの死闘」

 相変わらず数式を解き続けてる鋼太郎兄さんですが、今回のメインはラファエロジュニアVSロン(生身)です。ロン、生身で発光鼠の死骸を使ってラファエロジュニアに勝利します。よく分からんでしょうがそういうこと。

ACT39「大いなる光」

 場面が激しく移り変わります。ロンと鋼太郎兄さんが出会う。ラファエロ、エリア中央を本格的に破壊開始。華蓮、神居島の大樹こそが光の樹と確信。鉄兵組、四番目の七魔将、サロメと遭遇。という感じで続きます。

ACT40「沈黙の調べ」

 サロメ(女)編も中々に熱いです。とりあえず「沈黙の調べ」を聴いたものはサロメに精神支配(マインドコントロール)されてしまうのですが、序盤は音楽の天才鳳の活躍&サロメの心的外傷(トラウマ)の発作により脱出。が、後半またピンチに……

 はい、まだまだ続きます。

 それでは次回、ピュアピュアドリームでっかく育て!!


「B’TX」全話コメント/第6巻/2003.01.15


ACT40「支配されぬ者達」

本物の男ってのは自力で感情や欲望を抑えることができるんだ。自分の心を他人に支配なんかされてたまるかよ」……サロメのマインドコントロールを打ち破った鉄兵の台詞がコレ。あー凄い。こういう男になりたい。

ACT41「時代に遅れても」

 鉄兵の瞳を見たその最初からサロメはすでに負けていたという説明で鉄兵の勝利。結局サロメは心のトラウマを消してくれるだけの男に巡り合えていなかったっていうか、男運悪かったっていうか、心の闇なんて光ってる心に触れればスパッと消える程度のもんだったのに自分でこだわり過ぎてきたために自己否定せざるを得なくなったていうか、とにかくいい場面なんですよ。「オマエは時代遅れなんだよ」と言い残してサロメ死亡。時代おくーれの、オンボーロにー…って何の唄でしたっけ?

ACT42「道化師の涙」

 サロメの残した精神支配にかかりミーシャを狙うジャグラー。もちろん失敗して酷いめにあいます。ジャグラーの陰惨な性格は顔へのコンプレックに起因していることが判明。芸人としてやっていけば良かったのになぁ。

ACT43「エリア崩壊」

 サブタイのまんま本格的にエリアが崩壊し始める話。もちろんラファエロのせいで。

ACT44「美しき死」

 五番目の七魔将サファイア登場。このバトルのテーマはずばり美しさ。ヴィジュ●ル系死ねという車田正美の個人的なメッセージにも思えます。言いすぎ?

ACT45「見えぬもの」

一番大切なものは目には見えない」という星の王子様の一節をかけつつジャグラーの改心を描き、サファイア戦では「本当の美しさってのは見るもんじゃなくて感じるもんだ、心でな!」と鉄兵の鉄拳が炸裂する構造的に秀逸な一話。あー、鉄兵の言う通り。まったくブレイクハートですな。

ACT46「ブリリアントな終焉」

 鉄兵の光を吸収するにはヤツの器が小さすぎたという説明でサファイア死亡。

ACT47「七魔将ポー」

 六番目の七魔性ポー登場。このポーVS北斗がこの作中で一番好きなバトルかもしれません。テーマはずばりアイデンティティ。重要な要素としては二人とも頭脳系の天才タイプってことと、ポーは二重人格者という設定でしょうか。

 怒涛の終盤。まだ続きます。

 それでは次回、目覚めよ、その魂!


「B’TX」全話コメント/第7巻/2003.01.30


ACT48「知力の死闘」

 この回はエンターテイメントとしてスッゲー面白いと思います。相手に問題を出して、相手が考えてる時間だけ仲間を救出できるというこのバトル構成。少年バトル漫画は数あれど、命がけで行われる数学バトルってのは中々斬新だと思います。結果としては北斗が確率問題において排中律を超克した形での「公平な目」を定式化して大ダメージを与え、「エピメニデスの嘘つきパラドックス」でトドメを刺しました。熱いー。

ACT49「破滅への消去(デリート)」

「多重人格、彼の病気だ……」by北斗。数学バトルに敗れたポーがブチ切れて別人格を発動。ハッキング攻撃でマックスの記憶プログラムがどんどん失われていって北斗がピンチになる話なんですが、この北斗VSポーのテーマは「アイデンティティ」。記憶を失うマックスという展開には、果たして記憶=自我なのか?という問いがさり気無く盛り込まれているようで深いです。

ACT50「本当の自分」

 ベスト3くらいに好きな回です。幼少時代のロンVSアラミスと現在の北斗VSポーが同時進行で進むのですが、ロンの方は少年時代に抱く純粋な問いとしての「本当の自分」、北斗の方は極めて哲学的な問いとしての「本当の自分」、二つの角度から「アイデンティティ」について掘り下げられ、最後は車田的に収束する良く出来た一話。逆ハックでポーのB’Tを爆破して北斗が勝利するのですが、ポーは今わの際に本来の人格に戻り「これで安心して死ねますよ、だって自分でも知らない自分のままで死ぬなんて、あまりにも……」と言い残して息絶えます。その言葉を聞いたあとの北斗の独白が泣けます。

ACT51「生きる理由」

 いよいよ七魔将篇最後のバトル、暗黒の哲学者凱VS鳳がはじまるわけですが、このバトルのテーマはずばり「生きる理由とは何か→人間にとって一番大事なもののため→一番大事なものは何か」、こんな感じ。飛ばしてます車田正美。そもそもこの前の北斗VSポーあたりから車田正美に神が宿っていたとしか思えません。それくらい「B’TX」の終盤は高密度かつ珠玉の如きエピソードが連続します。機械皇国の延命措置を利用して西欧、東洋のあらゆる哲学を修めた凱はそれでも「生きる理由」が分からないと鉄兵に「生きる理由」を問いただします。小問答の後凱は鉄兵に失望して鉄兵を刺しますが、そこに駆けつけてきた鳳は「哲学者には鉄兵の生き様が見えぬか……」と語ります。鳳曰く「鉄兵には思想も宗教も哲学も頭でっかちの人間が考えた精神の虚構など一切通用せぬ、なぜならコイツは人間にとって一番大切なものを持っているのだからな……」…さあ数学バトルの後は哲学バトルです。果たして「一番大切なもの」は何なのか…!!ってところで場面変わって鋼太郎兄さん。酸欠状態のアンダーヘルにて死にゆくマルチェロ……「せめて青空の下で死にたい」というマルチェロに対して鋼太郎兄さんはコンピュータのスクリーンに青空の方程式を描き出します。「残念ながら私は科学者に過ぎない。もしも私が芸術家だったら違う形で青空を表現できたかもしれないが……」by鋼太郎。この場面も好きだー。鉄兵=太陽、鋼太郎=青空というメタファーがここに見て取れます。青空兄さん最高。

ACT52「信じる心」

 改心したジャグラーが鉄兵を助ける話です。残虐性の裏に顔への劣等感があったジャグラーなわけですが、そんなジャグラーの顔を見ても「人の顔を笑えるほど俺だっていい男じゃねえよ。それに上っ面だけ綺麗でも中身の汚い奴なんかいっぱいいるじゃないか」と言う鉄兵。その言葉に報われたジャグラーは鉄兵を救うためにリュカオン部隊に特攻……

ACT53「はじめての場所」

 凱VS鳳、イデアの世界と現実世界を行き来できるという謎の技に鳳は劣勢を強いられ、終には追い詰められます。「首を落とす前に一つだけ聞いておこう。人は死んだらどうなる?天国へ行くのか、地獄へ行くのか?」という凱の問いに対して「どこにもいかん。灰になるだけだ」と答える鳳。その返答に対し「初めて意見が一致した」と述べる凱。熱いけどニヒリストな二人。

ACT54「永久物質(エターナルマター)」

 鳳に止めを刺そうとする凱の決め台詞が「ニーチェ曰く、神は死んだ!」なのも熱いですが、謎の技の正体が実はイデアは関係なく体をニュートリノ化することで無限の実体を手に入れていたという極めて物理学的な説明なのもよく分からなくて熱いです。実際哲学と物理学は根本的に近いです。このレビュ、ここまで中高生への伝道も意識して面倒な学術用語は控えようという良心がかすかにあったんですが、ここから先はそのかすかな良心さえ捨てさせて頂きます。主観ブッち切りの専門用語バリバリで語らせて頂きます。中高生の皆ゴメンよー。全開で語りたいんだよー。というわけでこのバトルの何が凄いかってその思想的応酬ですね。凱はニーチェに代表されるいわゆる無神論的実存主義者なわけですが、ニーチェが狂い死にした事実からも示唆されるように、やっぱりそこには限界があったわけです。その限界をニュートリノというニーチェの時代にはなかった物理学の事実をもって超克しようとしているのがこの哲学者凱というキャラなわけで、確かにニーチェの時代にニュートリノの存在が分かっていれば哲学は新たな展開を迎えていたかもしれない……が、しかしそれでも猶凱は「生きる理由が分からない」と言う様にどこか思想的欠落を感じているわけです。その欠落に鳳が、というか車田正美が叩きつける圧倒的真実とは何か!?というのがこのバトルの見所なわけです。

ACT55「音の記憶」

 ……そして鳳(車田正美)が叩きつける圧倒的真実がこちら、ズバリ。絶体絶命の鳳は最後に「440Hzのラの音=産声=人類共通の愛されたい願い」をひたすら奏で続けます。結果凱は愛の前に敗北。「確かに使い古された言葉、これほど安易に使われすぎた言葉はないだろう……しかしそれでもあえて言おう!この世でもっとも美しく、もっとも強いものは愛だと…」by鳳。この話は凄いと思った。何が凄いって説得力があることが凄い。悪い例えだが今のジャンプ連載陣ではどの作品も作中で「一番大事なのは愛」と語っても説得力はないと思う。長いキャリア、技巧的ではなくとも何処か心の中心に訴えかけるような作品を描き続けて、世間的にも評価を得ている車田正美が言うからこそ説得力がある。上記の台詞、2ページ見開きでドドーンですよ。凄いですよ。やっぱ愛かーとか思いましたよ自分。

 はい、いよいよ次で最後です。

 それでは次回、Tomorrow is my day!!


「B’TX」全話コメント/第8巻/2003.09.30


ACT56「最後の闘い」

 今際の際に「もう一度教えてくれ、鳳…愛とは…愛とはなんだ…?」と尋ねる凱。それに対する鳳の解答……「無償の優しさではないか…」by鳳。これにて超濃密哲学バトル決着。
 一方滅び行くナーシャの体にサイコクローンを施そうと説得するミーシャ。このサイコクローンなんて物が作中でネガティブに描かれている狂信的要素還元主義的科学観を表象しています。そんなネガティブファクターに対立するのはズバリ、その辺りはラスト2で語ります。
 「わたしは信じない、機械でも組み立てるみたいに、人の心まで複製できはしないわ」byナーシャ。

ACT57「破滅へのカウント」

 遂に復活するラファエロを前にアラミスと対峙する鉄兵。そして鉄兵に治療を施すアラミス、アラミスが女だと気づく鉄兵、そして既に死を覚悟しているアラミスの独白。「人は大人になるとどうして忘れてしまうのかな、少年の日の夢や希望や…少女の頃の理想やときめきを…」byアラミス。
 この辺りはビートエックスというより車田漫画に共通して流れている精神を垣間見た感じ。永遠の少年派漫画家車田正美。
 ラファエロ復活の直後特攻を仕掛けるアラミス、撃沈。

ACT58「ラファエロのドナー」

 アラミスの死を前に遂にバトルギアを装着してラファエロに突撃するロン。ページをめくるとロン、宇宙へ。ガンダムだったらまる一話かけて描かれるであろう地球−宇宙間の移動を一ページで描いてしまうほどラファエロの強さっぷりが強調されます。宇宙で不思議な球体を見つけるロン。どうやらコレがラファエロのドナー、ラスボス、機械皇帝の模様。

ACT59「光よ急げ!」

 挿入される華蓮とメタルフェイスの過去。昔から不器用だった男メタルフェイス、いやメタルフェイス。自らの命と引き替えに最終重要アイテム光りの核(コア)を華蓮に託します。それを受け取り遂に神居島を後にする華蓮。妙にリアルに描かれた犬達に見送られて鉄兵の元へと向かいます。多重構造だった物語がついに一つへ。
 一方ついにメインタワーの鋼太郎の元に辿り着く鉄兵。天窓をぶっ壊して登場するシーンは連載当時燃え死にました。「兄ちゃん!来たぜぇーッ!」by鉄兵。

ACT60「衛生の中のルネッサンス」

 機械皇帝がいると思われる球体の中に進入するロン。中には16世紀のルネッサンスが。これだけ聞いていても全然分からなそうです。いやとりあえずラファエロ繋がりってことと、次の話の人類再生(ヒューマンルネッサンス)にかかってくるんですが。
 一方鉄兵&鋼太郎と対峙するミーシャですが、ここにきてミーシャの体が崩壊。サイコクローンの限界がここにきて訪れた模様。永遠の生命を主張するミーシャに優しく諭すナーシャ。
 「そんなものありはしないわ、永遠の生命なんてありっこない…どんなに科学が進歩したって人間はいつか死ぬわ、花だって星だって太陽だって、いつか終わりがくるもの…」byナーシャ。
 少年漫画とは思えない哲学領域に話が入ってきた所で、機械皇帝とのアクセスを求める鋼太郎兄さんのアップで引き。ここから主人公の鉄兵を置き去りにした鋼太郎兄さんの独壇場クライマックスが始まります。

ACT61「人類再生(ヒューマンルネッサンス)」

 とりあえず機械皇帝の目的が人類再生と分かりますが、それよりもラストの伝道者の書の朗読が背景に流れる中でのミーシャとナーシャの最後の共同作業が泣けます。光の核(コア)を持った華蓮の接近を知ってついに機械皇帝へのアクセスを開始するミーシャ、途中で息絶えながら残留思念でもって作業を完遂します。最後に良心をみせたミーシャと全世界の運命を託すというナーシャの想いを受け取って鋼太郎兄さんが機械皇帝の元へ。その間鉄兵はラファエロの足止めです

ACT62「天空の玉座」

 遂に合流する鉄兵と華蓮、光の核(コア)を受け取り、逃げるラファエロを追って舞台は最終宇宙決戦へ。
 そして一方天空の玉座にて遂に機械皇帝との対面を果たす鋼太郎兄さん。ここからが連載時、最も僕が心を打たれ、立ち読みしながら泣いてしまったMyベストシーン。
 「あなたは神か?」と問う鋼太郎兄さんに「余に知らぬもの、出来ぬこと、不可能はない」と答える機械皇帝。そんな機械皇帝に「ならば神の解答を三つだけ教えて欲しい」と鋼太郎兄さんは三つの質問を叩きつけます。
 「一つ、宇宙とは何故存在するのか?」
 「二つ、生命は何故誕生したのか?」
 「最後に、人間の幸福とは何か?」by鋼太郎。
 それらの質問に数値と記号だけの要素還元主義的な解答をみせる機械皇帝。そして飛び出す鋼太郎兄さんの作中最燃え台詞。
 「あなたの答えには失望しました。その程度の皮相な知識なら私はすでに七歳の時にマスターしている。とても神の解答とは思えない」by鋼太郎。
 ここは最高だった。遺伝子工学に代表される要素還元主義的科学の盲信VSそれに対する愛や自由意志といったという構造が所々に埋め込まれていたこのビートエックス。どんなに科学が進んでも人の心は分からない。論理や言語に関しては少しだけ分かってきた現代でも、愛や自由意志というものがいったい何なのかは全然分からない。鋼太郎兄さんは既にそう言ったものを見つめ、また体現している真の探求者、機械皇帝とは科学者としての格が違う。散りばめられた作中テーマの収斂と、ラスボスを倒す(しかも言葉で)カタルシスが同時に感じられた、最高に感動した一話。何が凄いって「小難しい資料より漫画は描き手の感性一つ」とか言ってる車田先生は科学哲学の本なんか読んでるとは思えない点。それでなんでこんな話が描けるのか。やはりこの時期神が降り立ってたとしか思えない。最高。

FINALACT「永遠の軌跡」

 ラスボスラファエロ&機械皇帝に光の核(コア)の一撃を叩きつける鉄兵。しかし通用しなくてピンチに。絶望感漂う中、「泣くな鉄兵!わたしたちはまだ負けてはいない」と一人強気な鋼太郎兄さん。「でも…」とぐずる鉄兵に向かいまたも燃え台詞、「私は科学者だ。確実な勝算があって言うのだ」by鋼太郎。もうなんでこんなにカッコいいんだこの人は。
 ラストは機械皇帝の想像を遙に超える形で宇宙中の太陽の光を集め、またも科学者としての格の違いを見せつけつつファイナルアタック。このまま撃ったら兄ちゃんも…と戸惑う鉄兵に対して 「言ったはずだぞ鉄兵、わたしは科学者だと…わたしは自分を犠牲にするほど聖人君子ではない!だから迷わず撃つんだ!!」と最後の燃えっぷり台詞が鋼太郎兄さんから飛び出して光の一撃。消滅するラファエロ、そしてグランドフィナーレ……
 二つのエピローグ。「神様ってどこにいるの?」と尋ねる幼い子供に対して「あなたのここに…」と子供の胸を指す華梨。そして神居島に帰ってくる鉄兵と鋼太郎……それを涙を流しながら迎える。四霊将もエックスも死んでしまっていますが、悲壮感はありません。非常に清々しいエピローグです。ラストに「きみのおかげでほんとうに幾多の困難をのりこえてこれたよ、あきらめずに最後までやりとげる勇気と希望と元気をありがとう、そしてさよならB’Tエックス」という車田先生の言葉(推定)が見開きでどどーんと載って終幕です。良き物語でした。

 Complete!!

 

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