WJ/WJ40号感想/2003.09.01
新連載三本告知。すなわち終わる作品が三作。先週「ルーキーズ」が終わったわけだけどあと二作品は?「キックス」と「ごっちゃん」なの?「ごっちゃん」なの?40号。
■アイシールド21
十文字の部屋でかかってたTVの歌番組は世間の風潮を批判的に暗喩してるんだと思いました。「頑張らなくたっていい、オンリー1で今を楽しく」という歌詞、今、確かにある風潮で、何となく心地よいフレーズに聞こえてしまいますが、堕落者が自分を慰めるための免罪符として使用しがちなフレーズでもあります。この作品で描かれているのはこのフレーズとは対極の、明日のために今を犠牲にして努力し、ナンバー1を目指してひたすら己を克己する男達です。
■ワンピース
とても清々しい読後感でした。子供は置いていかれたかもしれないけど、大人が読む漫画としては深みがあるイイ物語でした。異文化理解の物語。「真実の言葉」というアオリはちょっと照れくさく感じてしまいますが、懸命な言葉は文化の相違を超えて人の心に届くというメッセージがアツイ尾田先生テイストで描かれていたと思います。ゾロといい今回の話といい神の観念を否定的に描くことで抗議文なんかも届いているのかもしれませんが、尾田先生はこの手の問題の複雑性を十分に理解した上でそれこそ尾田先生の「言葉」としてこの作品を描いているのだと思います。
■テニスの王子様
輝いて、砂煙出して、英語喋ってます。後天的な刺激無しに言語が身に付くことはあり得ないのでリョーマは12歳以前に英語圏で生活していたことになりますが、その辺りどうなんでしょう。途中から読んでるんで設定が分かりません。
■ボーボボ
今週は「奥義!愛を取り戻せ!」と、意味不明の芸術論応酬がツボだったかな。
■超便利マシーンスピンちゃん
ツボついてるんだけど微妙に大衆には支持されないオーラを纏ってるのが尾玉なみえ先生を彷彿とさせます。ということは僕は好きだということです。息子さんの要所要所のツッコミとかプチダーティなネタとかかなりハマりました。
■武装錬金
やはり悪役にも救いを描くのか和月先生。蝶野の後ろ姿は勧善懲悪モノのそれではない。 空中アクションの見せ場から斗貴子カズキタッグVS鷲尾へという流れで激燃えの次週。強敵相手にタッグで戦陣張る展開は燃える。
■ブリーチ
雛森くんイイ━(゚∀゚)━!!死に神側でもキャラ人気を確立しようという久保先生にノセられてる気もしますが、これはイイ。巨乳系で戦陣を張っていた久保先生ですが、緩急つけて読者の心を狙ってきます。
本編はそれどころじゃない展開です。
■ハンター×ハンター
ヤバ面白い。意外性を何重にも重ねたバトル展開だけでも娯楽中枢ねらい打ちって感じなのに、ラストは瞬殺のカタルシスでしめる手の込んだ構成。ダークで頭脳戦偏向という特色はあるものの、バトルで読者を魅了する技術はやはり突出してると思う。この作者は。
■こち亀
今週は最近の中では異様に面白いと思った。こち亀独特のギミックネタ、体力ネタがまんべんなく入っててスゲー良かったよ。
■ごっちゃんです!!
えー、この掲載位置は無いよ!決勝戦は感動の予感するじゃん!もっと長く描かせてやってくれよ!
■いちご100%
フと映画思考の美鈴ちゃんはオタク属性な気がしました。兄がアレだしね。
■キックス
ここにきてアクション絵に迫力が。ちょっと遅かったか。
■ジャガーさん
ジョン太夫に笑った。ダメ人間描いてもイイ感じに笑わせてくれるから好き。
今週号はスゲー良かった印象だなぁ。僕の精神状態にも由来するのかもしれないけど。
WJ/WJ41号感想/2003.09.22
感想は休みました。雛森くんの切れっぷりがステキでした。
WJ/WJ42号感想/2003.09.22
感想は休みました。ムサシにビックリ。
WJ/WJ43号感想/2003.09.22
久しぶりに感想書きました43号。
■神撫手
好き嫌いはまだ保留。第一話でヒロインが出てこないのはマーケティング的に不安な印象……主人公の可愛さでお姉さん層をターゲットにしてるんでしょうか。マガジンも大好きな僕としては読み切りの時も書いたけど「奪還屋」と被って新鮮な驚きが無いというのもあります。幻術を見せる能力とかかなり重なるんで。
■アイシールド21
最近十文字視点でピコ燃えてます。サブキャラに感情移入できちゃうからイイよね。
■ワンピース
今週は一番下に別枠で感想書きます。過去篇を大人向けの視点から見てみようかと。
■サソリ
新連載の中で一番弱いような、そうでも無いような。一話一話時代劇風に完結してる今回までは気軽に楽しめてます。大きい話になっていったとき深みある話になるかどうかかなぁ。
■サラブレッドと呼ばないで
で、新連載ではコレが一番好き。個人的に柔道やってたんで柔道漫画は歓迎。そういう点でテコンドー漫画も歓迎してたんだけどね。なんかタイトルからして作品としての終着点が読めそうな感じですが、二話読んだ印象ではソレなりに続いて欲しいです。
■ブラックキャット
イヴのイヴによるイヴのためのブラックキャット。マーケティングとして正しいと思うんで何も言いません。マジでイヴを主人公にするべきかと。この人次の連載では萌え萌え学園漫画とか描いたらブレイクしそうな気がします。
■ブリーチ
雛森くんと乱菊さんです。貧乳か巨乳か。このあたり巨乳しか選択肢がないいちご100%よりもマーケティングのセンスを感じます。「男は皆巨乳が好きなんだよ水希ちゃん、とりあえず描いとけ、ヤハハ」みたいな親父的ないちごの担当と、「幅広い趣向に対応する、それが商業の正しいあり方です」みたいな理知的なブリーチの担当という対照を想像。まあそれはともかく剣八のプレッシャーの描き方が良くって最近ホントこの作品好きです。
■ごっちゃんです!!
四股の対比最高。ごっちゃん四股に笑いすぎた自分。頑張って欲しい。次週の千秋楽で最終回じゃないことを切に願います。
■武装錬金
生き死にを洞察する重いテーマを何気に描いてますが、僕はカズキの理念にかなり共感するんでもうこの作品は大好きです。掲載位置が下がった気がしますが、このパピヨン篇で終了したとしても単行本は買いますし、短期でもかなりのFavorite作品になると思います。
■ハンター×ハンター
もしかしたら閲覧者の皆様は僕がかなり動物ネタ好きなことに気づいているかもしれませんが、このシリーズの動物型はホント嫌な感じです。ヤッちゃって欲しい。どちらかというと、「ごっちゃんです」のごっちゃんの方が小動物系で好きです。
■ワンピース
今回の過去篇はノーランドがシャンドラの神への儀式を否定してみたり、そう思ったら「提督は神とかが嫌いなワケじゃないよ…」なんて台詞が出てきたり、またまた今週は嫌な感じの「神」が出てきたり……ちょっと主題を読みとるのに混乱してしまうかもしれないんですが、僕としては「根元的に大事なもの(命とか)は神であっても否定して守る、そうじゃない表面的なもの(身より木の文化など)は相手を尊重して重んじる」という風に尾田先生の描いた物語を汲み取りました。
というのはこの辺りから大人向けの話になりますが、最近の思想風土にそんな感じの流れがあるんですね。相対主義でも絶対主義でもダメ、絶対大事なモノは原理として保持しながら相対的な価値は尊重していこうといった考え方です。僕も結構支持してる考え方です。
相対主義は「真実は人によってそれぞれ、文化によってそれぞれ」みたいな考え方なんですが、コレの欠点は突き詰めちゃうと目の前で人が殺されかけてるのを見ても「それも殺したい人にとっては真実なんだ」と言って見過ごさなきゃならなくなってしまうことです。この辺りはノーランドが目の前の命を見過ごさずシャンドラにとっての真実であった大蛇をぶった切ったことからも、この過去篇は相対主義礼賛ではないことが分かると思います。
一方絶対主義は「真実は一つ、どんな人だろうが文化だろうがそれは共有しなきゃならない」みたいな考え方なんですが、これの欠点はやはり「俺の文化こそ真実、そうじゃない他の文化は殺してもいいや」みたいな考え方に陥りやすいことですね。その辺りはノーランドが「俺らの進歩した文明こそが真実!そうじゃないシャンドラ文化はダメ」とは言わず、身より木文化を尊重した発言をしていることから、この過去篇は絶対主義礼賛でもないことが分かると思います。
で、結局ノーランドは絶対的に大事なもの(命)のために相対的に大事なもの(生け贄文化、身より木文化)をダメにしてしまったんですが、その行為は肯定的に描かれてますよね。その辺り尾田先生も最近の絶対的に大事なものは絶対守る、その上で相対的に大事なものは尊重するという考え方を持ってるんじゃないかなぁと思った今過去シリーズでした。
しかしながら前から言ってますが、今週なんぞ読むとホントこの空島篇はパレスチナ問題の歴史背景を意識してるような気がしますね。もしホントにそういうのも意識して描いてるのだとしたら、そういう事象に創作媒体でメッセージを発せられる尾田先生のような大人はホントカッコいいですね。
WJ/WJ43号感想・補/2003.09.23
昨日の感想で「いちご100%」は巨乳しか選択肢が無いと書いてしまいましたが、良く考えてみれば途中から唯が参戦してることに気づきました。巨乳にしか目がいってなかったことを謹んでお詫び申し上げます。さらによくよく考えてみれば「ブリーチ」の方も井上、空鶴とコレまでは巨乳で押してきた作品です。というわけで最近の戦略傾向としては、とりあえず巨乳、安定してきたら貧しい感じも……ということで。普通という選択肢を選ばないロックな作者の存在は何か嬉しいですね。
WJ/WJ44号感想/2003.09.29
レッドな表紙の44号
■ワンピース
「黄金の鐘だけはやらねェぞ」の台詞は深く考えようと思うといろいろ考えられそう。何かこう、侵略者に対してコレだけは譲れないモノ、作中で偽りの神なんかより全然大事なモノ、そんな感じのモノを表象してるんじゃないかなぁ。単純に考えてもノーランドとカルガラの友情のシンボルだしね。それを守るルフィっていう展開は想像するだけで燃えるっていうか感動しそうっていうか。
■アイシールド21
あのままファッキンUSAで貫かれなくてホッとした。いや別に心配してなかったけど。土下座間違って伝わってる所とか、異文化理解ネタは個人的にツボ。
■ブリーチ
とにかく剣八の圧倒的強さが伝わってくる。まだ技とか全然使ってないのにこの迫力が伝わってくるのは凄いと思う。既にラスボス戦のノリです。なんという巨大な小宇宙(コスモ)だ。
■サラブレッドと呼ばないで
昔柔道家だった僕にはツボな作品。投げられて頭打って景色がドロドロする感じとか、うんうんという感じ。次週から受け身が描かれるみたいだけど、受け身とか体裁きとか、地味だけど重要な辺りをどう漫画のエンターテイメントの中で表現するのか期待……凄い難しいと思うんだけど…。ライバルが内股ってことで主人公の技は背負い投げでしょう、たぶん。
■神撫手
設定説明に費やした一話という印象。そろそろヒロインを出さないと生き残れないと思う。
■AX戦斧王伝説
史実を世界設定にした西欧モノというのは個人的に好き。でもあんまり少年漫画に無いよね。取材に手間がかかり過ぎるんだろうか。それ系統の作品では「グラン・バガン」という清々しく打ち切られていった作品を思い出しますが(ワリと好きだった…)、コレもこのままではグラン・バガンと互角の印象。歴史モノ好きなんで頑張って欲しいんですが。
■武装錬金
斗貴子さん萌えキャラ化計画みたいな。というかマジで単行本一巻に収録されるであろうカズキ、斗貴子のキャラコンセプトとか楽しみ。って、核金が託されて戦闘の説明がなされたってことはもう一バトルあるってこと!?まさかホムンクルス化した蝶野と……僕は「るろうに」なんかも薫は死んだままが良かったとずっと思ってたんだけど、最近和月先生の作品は救いを描いてくれた方がいいなーなんて思ってる自分がいます。カズキのキレイ言を最後は蝶野が受け入れるって展開がいいなぁ。ともかくカズキの相変わらずの真っ直ぐっぷりと友人らのイイヤツっぷりが眩しい一話でした。
■ハンター×ハンター
扉絵、真ん中の人はいったい?冨樫先生?本編は鎌っぷりを満喫の一話。カイトの能力はアタリが出たらどうなるんだ!!という期待を読者に持たせますよね。
■ごっちゃんです
「時は止まる」描写がホントにジョジョっぽいのが最高。あと偽の稽古記憶最高。ぐりんぐりん何か回してるの最高。というか壮絶に面白いだろコレ。なんでこんな後ろに載ってるの。
■いちご100%
「何ぃ!?地下一階中華料理屋が爆発!」で今週最も笑いました。
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