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夢 守 教 会
†† 第三話「輝きの先」5/(10)
巫和の世界/マイナス4
介護負担のための休暇数取得超過からはじまった色々なごたごたで、お父さんは会社を辞めることになって、以後、アルバイトや派遣社員として最後の時までを過ごした。
自分の分の介護負担が増えてそれまでよりも輪をかけて憔悴した私は、ある日このままでは本当にお父さんもお母さんも私も死んでしまうと、役所の相談所に助けを求めて駆け込んだ。
結果として示された方法は、お母さんを終末施設に預けるしかないということ。
少しだけ、そうすることでこの地獄から逃れられるのだろうかという気持ちが胸を過ぎったけれど、お父さんとお母さんが、ここまで来てなおお互いを拠り所にしていることを知っていた私は、涙を流しながら首を横に振ってその案を否定した。
私が、もっと頑張れば、きっと、まだ、ダイジョウ、ブ……。
/巫和の世界マイナス4・了
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