†† 夢 守 教 会 ††  第三話「輝きの先」5/(13)

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 どうせ死んでしまうのに学業なんかに精を出しても意味が無いと判断した私は、進学した葉明学園高校ではドロップアウト気味になり、町を徘徊したり、硬質な本を読んで過ごしたりすることが多くなった。
 今にして思うとあいつの言葉を借りるまでもなく少女趣味なことだが、その頃の私は、生きる意味、とりわけ生まれてきた意味について考え、また答えを模索していた。
 そしてその答えを得るためには、どうしてももう一度あの美しかった世界の風景を私の両瞳に取り戻さなくてはならないということも感じていた。時間は限られていた。本当にどうすればいいのだろう。私は大げさじゃなく途方に暮れていた。

 この頃、少し哀しかったことと、凄く嬉しかったことが私に起こった。
 哀しかったことは、リューシがビジネスをやるとか言い出して学校に来なくなったこと。
 嬉しかったことは、菖蒲さんという類い希な知性を持った美しい女性と出会ったことだ。
 この二つの出来事も、後々私の短い人生の中で重要な意味を持ってくることになるとは、この頃はまだ考えもしていなかった。      
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