†† 夢 守 教 会 ††  第三話「輝きの先」5/(15)

  ◇

 そうしてあの日、あいつが私の前にやって来た。
 今は夢守教会の教会になっている哲学研究室の部室に、菖蒲さんの紹介であいつがやって来たんだ。
 夕暮れ時の朱色の光が、窓から差し込んでいたのを覚えている。
「君が、弓村理子さん?」
 菖蒲さんの紹介を信頼していた私は、率直に私の目的を初対面のあいつに話すことにした。

――取り戻したいんだ、美しかった私の風景を、と。

――そのために必要なんだ、「この世でもっとも確かなもの」が、と。

「それは面白そうだね」
 あんまりにも事も無げに言うので、私は反応に困った。
「僕と動機は違うけど、目的は一緒だ。僕も菖蒲さんは信頼しているし、菖蒲さんの提案も三番目を選んだ。せっかくだから二人で頑張って創ってみようか、菖蒲さんが言っていた『この世でもっとも確かなもの』ってやつを探すための、宗教サークルを」

 お前、バカだろう。
 正直に言うと、それが島谷優希の第一印象だった。      
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