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夢 守 教 会
†† 第三話「輝きの先」5/(2)
巫和の世界/7
携帯電話で竜志様に連絡を取った。
「もうじき満月が上ります。だから、『根底理論』は私が取りに行きますね。少しでも早く『この世でもっとも確かなもの』に触れないと、私、壊れてしまいそうで……」
竜志様は心配そうな声で受話器の向こうで何かを仰っていて下さったけれど、それだけを伝えて私は通話の停止ボタンを押した。
たぶん私は、もう竜志様のお側にいる資格を失っている。
だって、本当に人を刺してしまったのだから。
/巫和の世界7・了
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