†† 夢 守 教 会 ††  第三話「輝きの先」5/(9)

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 この世界の美しさを信じていたからこそ、模造の塔の屋上から見た銀世界に憧れたからこそ、中学二年の終わりに、同年代の一人の少年が「生は模造である」という趣旨の遺書を残して投身自殺した出来事は、強く私のあり方に影響を及ぼした。
 その後、正式に弓村を継ぐ時に決めた私の祝詞には、この事件が強く影響している。
 だってそうでしょう。
 春の日に見つける道ばたのツクシも、夏の空の入道雲も、秋の河川敷のススキも、そして冬の町の雪景色も、世界は美しくて温かくて、今、ここにいる自分は、絶対にホントウなんだから。      
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