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夢 守 教 会
†† 第三話「輝きの先」6/(1)
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幾ばくかの回想に思考を任せながら、郊外へと至る道を淡々と歩き続けた私は、やがてT大学の敷地内に辿り着いた。
中心へと至る道は手の行き届いた樹木が両脇に立ち並んでいる。こんな夜に訪れたのでなければ、季節柄、新緑の風景を楽しむことができたかも知れない。
だけど今の私はそんなことに興味は無い。
満月は既に姿を現し、奇妙なくらい人気が感じられない大学の敷地内を照らしている。時刻は既に頃合いになっている。
研究棟までの舗装路をもう五分ばかり歩いて、私はその建物に辿り着く。
五階建ての、古びたコンクリート建築物。
月明かりに照らされて浮かび上がる概観は廃墟のようで、なんだかおあつらえ向きだ。
研究棟。
言語学研究室は中央部の五階に位置付いているはずだ。
私は、「東口」から横長のその建物に入った。
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