あちゃー、降ってきよった!
・・・な〜んて、ウソ。これも計算の内なんや。
あんたと二人っきりで雨ん中、こうやってひとつの傘で肩寄せ合うなんてことできるんやから。
宇宙一の男前と宇宙一の美人さんが相合い傘で歩いてるんや。
かーっ、絵になるなぁ。
な、あんたかてそう思うやろ?
うわっ、あんたって何でそないに正直なん?
もぅ、可愛いて、抱きしめたなるわ。
大丈夫やて。そない警戒せんでも。
俺ほど安全で、いざっちゅー時頼りになる男はおらんねんで。
あ、その目は信用してないな?
よっしゃ、ちょっと昔話でもしょーか。
俺には子供の頃から何かっちゅうたらバカ騒ぎしとった仲間がおってな、
その仲間内で見事カップルが生まれたんや。
そりゃもう拍手の嵐。いつの間にそーゆーコトになっとったんかはよーわからんけど
ふたりとも気持ちのええ奴で、祝福せん奴なんかおらんかった。
新郎は遠い星の出身で、その星の民族衣装で結婚式をやりたがってた。けど、
行って帰ってくるだけでも二週間はかかるってトコやから、民族衣装ゆーても手に入るもんやない。
両親も、親類縁者もほとんど主星に移って来とったしな。
それで、みんなで相談して、図書館通いをして、デザインを決めて、最高の生地で、
最高のお針子さんに民族衣装もどきを縫うてもらうコトにしたんや。
衣装が出来上がったんは結婚式の前日やった。
お針子さんの作業場は主星でもちょっと離れたトコにあって、
ちょうどそっちに仕事のあった俺は衣装を受け取りに行くことにした。
そやけど、無事受け取ってしばらくしたら、間んが悪いコトに雨が降ってきてしもたんや。
最初は小降りの雨やった。
俺はでっかい衣装箱をふたつ抱えてたけど、コレくらいやったら大丈夫って走り出したらその途端、ごっつい雨や。
とにかく結婚式の衣装だけは濡らしたらアカン思て、着てた服被せて何とか濡らさんと帰り着いた。
あん時の新郎新婦の嬉しそうな顔ゆーたらなかったなぁ。
そ、そう?
あんたもそう思てくれるんや。
そや。俺は決していい加減なコトはせーへんねんで。
結局、その後、俺は風邪ひいてしもて結婚式にも披露宴にも出られへんかったけど、
それでも満足やった。
どない? 頼りになるってわかってくれた?
えっ? でも安全かどうかはわからんって?
う〜ん、上手いこと誤魔化したつもりやったのにアカンかったか。
よっしゃ! 今度は俺があんたにウェディングドレスをプレゼントしたる。
あんたがドレスを受け取って、俺の横でにっこり笑って誓いのキスをするまで、
俺はあんたに手出しせーへん。
絶対や。
これやったら信用できるやろ?
・・・ウェディングドレス、贈ってもええ、よな?
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雨降りデートシリーズ第四弾です。
この人の喋りは難しいです。普通の大阪弁ちゃうしぃ。チャーリーさんが喋ってるように聞こえればいいのですが。
チャーリーさんは友達でも、恋人でも、ダンナでもいいなぁ。
(リュミ様が一番なのは変わりありませんよぉ)
2002.10.18
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