お前か・・・。
雨だというの酔狂なやつだ。
こんな日に私の所へ来るなど。
どうしてお前は屈託なく笑うのだ?
この暗い部屋でお前という光だけは輝きを失わないのはなぜだ?
フッ・・・、莫迦なことを聞いた。
お前にわかるはずなどないのに。
光そのもののお前に。
・・・外に出るか。
お前はこの部屋にはまぶしすぎる。
雨は・・優しいな。
誰にも分け隔て無く、惜しげもなく降り注ぐ。
・・・お前に似ている・・・。
守護聖として聖地へ旅立つ日、あの日も雨だった。
あれは慈愛の雨だったのだろう。
見送る者と見送られる者双方の涙を隠し、想い出を記憶の底に沈めてしまうための。
だが、誰も彼も雨に濡れているのに、聖地の使者に連れられていく私にだけは雨が降らないような気がした。
私だけを素通りして地面に吸い込まれていく雨・・・、泣き叫びたいのに声が出なかった。
・・何を見ている?
悲しんでくれるのか?
大切な者達から引き離された幼子はもういないのだぞ。
私の中に?
・・・そうか、お前はわかっているのだな。
わかっていてなお、私と関わりを持とうと言うのか。
・・・・・それがどういうことか、本当にわかっているのか?
フッ・・お前は・・・。
いや、よそう。
今はただこの心地よい雨に打たれていたい。
この私でさえ素通りせず降り注ぐ慈愛の雨。
・・・それはお前だったのだな。
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雨降りデートシリーズ第九弾です。
クラヴィス様は最初に書いたアンジェキャラで、ゲームを始めて、ネオロマンスの世界とは如何なるモノか教えてくださった方です。
(Specialの公園デートで木陰に連れ込まれた時は『な、何しとんねん!!』とPC画面に思わず叫びました・笑)
守護聖の中で旦那様にするならこの方。多少部屋が汚れていようと、料理が不味かろうと、いつもニコニコ元気でいれば
許してくださるでしょう。(この考え方がリーカーの道から外れてる?)
2003.3.1
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