あ、雨だ。
ねぇ、君は雨が好き?
そう? ぼくと一緒だね。
ふふ、雨を見ると思い出すことがあるんだ。
聞いてくれる?
ありがとう。
ぼくが小さい頃の話なんだけど、
傘を買ってもらえることになってね、
すぐ上のお姉ちゃんの傘は赤くって、
ぼくの傘は緑色だったんだ。
それで、ぼく、お花のような赤い傘がいいって泣いちゃってね、
そしたらお姉ちゃんが
『マルセルは男の子なんだから緑の葉っぱになって女の子を支えてあげなきゃいけないのよ』
って言ったんだ。
『どんなにきれいなお花でも、下で支えてくれている葉っぱがなくっちゃ咲けないんだから』
ってね。
それまでぼくはきれいなお花ばかり見ていて、葉っぱのことなんて考えもしなかった。
でも、それは違うんだってその時わかったんだ。
君ってホントにお花みたいに可愛いよね。
照れることないよ、本当のことなんだから。
ぼく、君がどんなにおっきなお花を咲かしても支えてあげられるそんな人になりたいんだ。
君がそばにいてさえくれたら、ぼくは何にでもなれる。いくらでも頑張れる。
だから、お願いだよ。
ぼくのそばにいて。ずっと、ずっと、いつまでも。
ぼくに守らせて、君の笑顔を。
ぼくひとりだけに。
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雨降りデートシリーズ第三弾です。
この子は二十年くらい後が楽しみだなぁ
前緑の守護聖様のようにいい男になりそうな、そんな予感・・・(*^_^*)
2002.10.18
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