4月
「有名人の法則」
<著者>山田登世子 <発行所>河出書房新社 1500円
「私は有名になるぞ」
「どうやって有名になるつもり?」
「ふふふ。よくぞ聞いてくれた。それはだな。35歳とか40歳の誕生日に、突然枕もとに神様がお立ちになって、<お前は今までまじめで正直に生きた。ごほうびあげよう>と、おっしゃるんだな。それで、私は、不思議な力を授かって、病気の人を治したりするのだ。ほんでー、うわさを聞きつけてマスコミもやって来る。有名人になった私は、週刊誌をにぎわせ、本を書いたり映画を作ったりするのだ。う〜ん。夢だな〜。早く神様が来ないかな〜」
「そういう考えの人の所には、一生、神様現われないと思うよ」
「あ、やっぱり?」
「当たり前でしょ!」
↑これは、知人と私の会話である。さぁ、どちらが私でしょうか?
この本は、どういう男が、女から好かれるのか。その法則を明らかにした。
答えは実にカンタン。そう、女にもてるには、有名人になれば良いのだ。ただそれだけのこと。男性は、偉人こそもてると思っているが、全くの勘違い。偉人は、モテない。もてるのは有名人なのである。もてるための法則を12の定理で解き明かす。
女にもてたい、有名になりたい、すてきな恋人が欲しい、自分の気持がわからない。つまり愛の定理がわかりたい方々は、ぜひどうぞ。「有名人の法則早見表」もついているよ。
軽妙な文体で、最初はおもしろく読んだが、半分位までくると、この文体に飽きてくるのは私だけ?一休みしてから読み始めると、また最後の方は、おもしろくなっていくよ。
女の人が有名人になるなら、脱げば良いんだってよ。あなたならどうする?
「んまんま」
<著者>犬丸りん <発行所>竹書房 1200円
犬丸りんの存在を知ったのは、月刊4コママンガ雑誌「まんがくらぶ」であった。イラスト&エッセイ「んまんまくらぶ」を連載していた。食べ物に詰まった懐かしくて甘くてせつない楽しいお話なのだ。イラストもかわいく、ほんわかして読みやすい。雑誌の連載が終わってしまった時は、残念だった。はやく単行本にならないかな〜と、じっと待っていた。
食べ物にまつわる話って、高いとか安いとか、美味いとか不味いとか、あの味は、味付けは、と好みやこだわりの自己満足や自慢話で、イヤになるんだけど、この本は違うぞ。身近な食べ物の味と人との話なのである。
自宅のトイレに閉じ込められる話は怖かった。特に、一人暮らしの人は、気を付けるように。
「イーハトーブの幽霊」
<著者>内田康夫 <発行所>中央公論社 1400円
内田康夫ファンおよび浅見光彦ファンに、思いっきり怒られそうである。
56ページ読むのに、3日もかかってしまた。あくびばかり出る。この調子でいったら、1冊読み終わるのに15日以上かかってしまう。1ページ5秒のペースで、大ナナメ読みした。大体の内容は、わかったが、犯人は、わからなかった。
イーハトーヴと言えば、宮澤賢治。宮澤賢治ファンの私は、本のタイトルだけで、図書館から借りてきた本。
わくわく、どきどき、早くページをめくりた〜い。てな感動もなく。私のリズムに合わない、歯切れの悪い、だらだらした文章。ぜんぜんおもしろい本ではなかった。内田氏の本は、もう読まなくていいや。わかっただけでも、一応の収穫である。うんうん。 |