増殖する心



背中をみつめていたい
そう思ったのは
いつのことだったろうか
そっと背中から抱きしめて
この腕の中に
包み込んであげたい
そっと耳元で
「大丈夫だよ」と囁いてあげたい

土に雨が染み込むように
いつのまにか、心の中に
思いがたまっていた

でも
この思いを伝える術を持たず
受け止めてもらえぬことも
わかっている

だから私は
心が重たくなりすぎないように
祈ることしかできない




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