サムライの記録17-シャフタマの春夏秋冬

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(解説)
私は30数枚の加藤様のスケッチの中で、このスケッチが一番好きだ。
香月泰男を始めシベリア抑留を描いた絵画は沢山ある。芸術的にも、歴史として描き残す意味でも、 捕虜生活を描写した優れた作品は多く残され、私も沢山見てきた。
それらは皆、父達の死亡に繋がる寒さ・餓え・重労働を表現した、シベリア強制抑留の記録でもある。 尊い人間の命を無視した捕虜生活を描写した絵画は他にも沢山残されて居る。
しかし、私はその苦しい環境の中で、ほのぼのとした、現地人との交流とか、季節の草花など、 明るく描いた加藤様のスケッチは大好きだ。何時までも父達を暗い所に置いておきたくない。
このスケッチの中の左下「朝日が出る」とある、方角的にこちらが東である。左上に雁が飛んでいる のが描かれている、抑留者は「渡り鳥になって日本へ帰りたい」と涙を流したとも聞く、方角的に 南東が日本の方角になる。
この収容所では毒きのこを食べて死んだ人は無かったようだ、又苔桃の実(総称ヤゴダ)は甘酸っぱ くて美味しい。
上の政治犯因人収容所と言うのは非共産党員が入れられて居たのである。日本人墓地も見える。