なるほど週刊トレーナーニュース 

真面目にスポーツトレーニング!

 

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【なるほど週刊トレーナーニュース】
 http://www.mag2.com/m/0000184398.html

(第439号)

平成26年 7月 14日

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こんにちは、ニャロメです。

台風が過ぎ去ったと思ったら、
もうすっかり夏本番といったところでしょうか。
体が暑さに慣れていないので、ワタシも選手もぐったりです。
マイタオル&サングラスが欠かせない時期になりました〜。

では439号のご案内です。

【本日のメニュー】

 ◆今週の活動ダイジェスト

 「救急法講習会受講しました〜」

 ◆今日のネタ帳・ピックアップ

 「マー君が選択した多血小板血漿(PRP)療法について」

 ◆トレーナーを支える元気の出る本

 「いのちを守る気象情報」

 ◆編集後記

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◆今週の活動ダイジェスト
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【救急法講習会受講しました〜】

今週は日本赤十字社の救急法講習会を受講しました。

ワタシの持っている資格、
日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)や、
NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
というのは、更新時に救急法の認定証を必ず提出しなければならないのです。

スポーツ現場で活動する人にとって、

「人の命を守るために知っておきたい知識・行動」

というのは、
どんな知識・技術よりも最優先でなければなりません。

毎回受講するたびに、
いろんなマイナーチェンジがあって、
やはり定期的に受講することが大切だなぁと感じています。

ちなみに今回は、

●心肺蘇生法を他の人と協力して交互に行う、とか

●AEDの使い方を先走らずに、きちんと音声を確認する、とか

●呼吸の確認方法が変わった(耳元ではなく、目で確認する)、とか

ところどころで、
以前受講した内容の変更がありました。

これは今、現段階で「これが一番適切であろう」というものに
変更されているのであって、
またしばらくするとよりよい方法が提示されるかもしれませんね。

心肺蘇生、特に胸骨圧迫は1分、2分やるだけでもかなりハードで、
救急車がくるまでの時間
(地域にもよりますが、ワタシの地域では平均6分ほどだそうです)
ずっと行い続けるのはかなりの労力を伴います。

近くに心肺蘇生を行える人がいるのであれば、
交代で行うほうがいいですよね。

訓練だからといって一人でずっとやっていると、
こういう「臨機応変」がきかないかもしれない。
だからこそ協力して行うことを訓練から練習するというのは、
大切なことではないかと思います。


毎回受講するたびに、

「どちらかで救急法の講習を受講されましたか?」

って聞かれるんですけど、
いつも同じところで受講しています(笑)。
指導員の方が毎回違うから仕方ないのかな?

そろそろ常連扱いをしてほしいところです(^^;)

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◆今日のネタ帳・ピックアップ
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【マー君が選択した多血小板血漿(PRP)療法について】

ヤンキースの田中将大投手が右肘痛を訴え、
DL(Disabled List=故障者リスト)入りしましたね。
診断の結果は右肘内側側副靱帯(MCL)部分断裂とのこと。

毎回ローテーションどおり登板していただけに、
本当にビックリしました(>_<)

・・・痛みをおして投げ続けていたのでしょうか。

●急に大きな外力で発症したものなのか

●実は以前から痛めていたものなのか(楽天時代?高校時代?)

●MRIの画像から部分断裂という判断は正しいのか

というトレーナー的な疑問がいろいろと思い浮かびますが、
何はともあれ、痛みがあって投げられないという状況なのは事実。
早く回復して元気な姿を見せてほしいと思います。

さて。

一番重篤な場合はトミー・ジョン手術も考える、
ということですが、
こうなると復帰までにかなり時間を要することになりそうです。

トミー・ジョン手術については、今年の春頃に
このコーナーでも取り上げました。

参考メルマガ:421号「ジョーブ博士とトミー・ジョン手術」
http://archive.mag2.com/0000184398/20140310200000000.html

参考メルマガ:422号「トミー・ジョン手術に思うこと」
http://archive.mag2.com/0000184398/20140317200040000.html

慢性的なスポーツ障害の多くは、
手術を決断する前に保存療法(手術をしないでリハビリ等で治療する)を
選択し、それでも状態が良くならない場合に手術に踏み切ることが多いです。

時間的な余裕がないとむずかしい面もありますが。

で、今回の右肘内側側副靱帯損傷(部分断裂)について、
手術を決断する前に保存療法で治療を行うことになった田中投手ですが、
その治療法というのが

「多血小板血漿=Platelet Rich Plasma(PRP)療法」というものなのです。

(ここまでくるのにだいぶ文字数かかっちゃいました(^^;))

実はこのPRP療法。
自分の血液から遠心分離機によって血小板を取り出して、
損傷部分に注入することで、細胞の活性化や再生を促す効果が期待され、
美容外科、形成外科などでも用いられている方法なのです。

もちろん整形外科の領域においても、
オーバーユースなどによる慢性的なスポーツ障害に
試みられる治療法の一つです。

●アキレス腱炎

●膝蓋靱帯炎

●テニス・エルボー

●腱板炎 等々

そして今回の内側側副靱帯損傷にも適応できるのではないか、
ということで選択された治療法なのです。

ここまで書いていてナンですが、
いつも大変お世話になっているスポーツドクター・内田宗志先生のブログが、
とても丁寧にまとめられていますので、
詳しいことはこちらのページを是非読んでみてください(^^;)

参考ブログ)スポーツ整形外科医S. Uのブログ
http://blog.livedoor.jp/soshi_sports/archives/1281915.html

もう一つ気になる記事もありましたので、
こちらもリンクしておきます。

参考ページ)スポニチ・アネックス
楽天・斎藤 PRP療法で復活も「劇的には良くならなかった」
http://ow.ly/z7oLu 

この記事の中では
ドジャースのトレーナーさんは
「注射でリハビリを選んだ場合の成功率は20%前後」
とコメントされているようですね。

ワタシは実際に経験したことがないのでわかりませんが、
PRP療法に加えてメディカル&アスレティックリハビリテーションが
大きな鍵を握っているといえそうです。

田中投手が元気に復帰してくることを待ちましょう。

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◆トレーナーを支える元気の出る本
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【いのちを守る気象情報】
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4140884045/dosportstrain-22/ref=nosim

学生時代に気象予報士の資格を取り、
北海道文化放送の報道記者、民間の気象会社を経て、
現在はNHKの気象キャスターとして活躍する斉田季実治さんの著書。

「台風」「大雨」「雷」「竜巻」「大雪」「熱中症」
「地震」「火山」

という自然災害について、
過去の事例を挙げながらとてもわかりやすく解説されています。

またこういう災害に遭遇したとき、
どのように行動すればいいのか、
普段からどのようなことに気をつければいいのか、
という具体的な行動指針が盛り込まれており、
まさに「いのちを守る」ために学んでおきたいものばかり。

実はこの本、「はじめに」の部分で斉田さんの思いに感動しました。

気象予報士の資格を取り、
報道記者として働くようになった斉田さんですが、

「同じような気象条件、同じような場所で、
 繰り返される人の死を取材するのは苦痛でした。
 かつての私がそうであったように、
 災害報道を見ても他人事としか捉えない人が
 あまりにも多いことに気づかされたためです。

 (中略)

 災害が起きたあとに取材をする「報道記者」ではなく、
 災害を未然に防ぐ「気象の専門家」として
 生きていこうと決心しました」(P5、はじめにより引用)

この後、東日本大震災が起こり、
自分の無力さを痛感させられたという斉田さんですが、
そこから「自分に何ができるのか」を問い続けた結果、
この本を世に出そうと思い立ったそうです。

・・・すごいですよね。無力感にさいなまれながらも、
自分の出来ることを考え続け、こうして行動して、
ワタシのような一般人が、

「ああ、これは読んでおかねば。知っておかねば!」

と気象に対する知識・興味・理解を深めることになるのですから。

熱中症はご自身の体験談も載せられていました。
トレーナー的ツッコミとしては、
冷たい水のがぶ飲みは「ちょっと待った!」と言いたくなりますが(^^;)、
こうした経験から、少しでも多くの人に、
熱中症で命を落とさないためにできること、知っておきたいことを
書かれています。

今年は「大雪」にも見舞われましたし、
「大雨」「台風」「雷」など、
どれをとっても知っておきたいことばかりです
(雷の項目もかなり参考になりました。またそのうちまとめます)。

何より斉田さんの思いが本当に熱くて、
ワタシもこれぐらい情熱を持って仕事をしなければ!
と思わされた一冊です。

【いのちを守る気象情報】
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4140884045/dosportstrain-22/ref=nosim

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◆編集後記
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ついつい力が入って本の紹介が長くなってしまいました(笑)。
救急法もそうですが、こうした災害情報についても、
常に新しい情報がアップデートされています。

昔、雷が鳴ると「貴金属類を外す」と教えられましたよね?
今は外さないほうが落雷を受けた際の死亡率は低いということが
わかってきたそうです。いやはやかなり勉強になりました。

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