定数の決定(MKSA系)
(1)1Aの定義と真空透磁率μ0の決定
アンペールの法則:H=I1/2πr…(11)
アンペールの力:F=I2BL=I2μ0HL…(12)
(11)を(12)に代入すると、F=(μ0/2π)・(I1I2L/r)…(13)
1Aの定義:I1=I2=1[A]、L=r=1[m]のとき、F=2×10-7[N]
→μ0=4π×10-7[N・A-2]…(14)
(2)1Cの定義
1Aの電流が流れている電線の断面を、1秒間に横切る電荷≡1C
(3)真空誘電率ε0の決定
ガウスの法則:D=q1/4πr2…(31)
電界強さの定義:F=q2E…(32)
DとEとの関係(真空中):D=ε0E…(33)
(31)〜(33)→F=q1q2/4πε0r2
電荷間クーロン力の実験:q1=q2=1[C],r=1[m]のとき、F=9.0×109[N]
→ε0=(1/36π)×10-9[C2・N-1・m-2]…(34)
(4)電磁波に関する微分方程式
マクスウェル方程式は積分形だが、これを電磁場内の微小体積に適用することにより微分形となり、
さらに下記のような電磁波に関する微分方程式(真空中)が導出できる。
∂2E/∂t2=(1/ε0μ0)・(∂2E/∂z2)
∂2B/∂t2=(1/ε0μ0)・(∂2B/∂z2)
真空中の光速度をcとすると、
c2=1/ε0μ0
∴ c=(ε0μ0)-1/2
(14)(34)を代入すれば、
c≒3.00×108m・s-1
※電磁波の存在により、電界・磁界は思考上の便宜的な概念ではなく、実在であることがわかった。