算額(1)・師範の考察(ヒント)
ポイントは∠APC=∠PBCを如何に証明するか、ですが、この問題の仮定としてPM=MAがあります。
長さに関する仮定→角度に関する結論という証明の流れのどこかで、長さの条件を角度の条件に置き換えるステップがなければならないはずです※。
長さの関係から角度の関係へ橋渡できる定理は…、と頭の中にある定理群をスキャンしていくと、
「四角形Sの2本の対角線はおのおの中点で交わる。」⇔「四角形Sは平行四辺形である。」
という定理に行き着きます。
つまり、補助線として、点Aを通り直線PBに平行な直線と、点Pを通り直線ABに平行な直線を引き、その交点をEとして平行四辺形EPBAを作れば、点Mはその平行四辺形の対角線の交点として捉えられ、これで、長さの仮定は角度の仮定に置き換えられたことになります。
あとは、接弦定理+平行線の錯角→∠PAC=∠PEC よって、四角形EPCAは円に内接する四角形。
これより、円周角の定理+平行線の錯角→∠APC=∠PBC となります。
この問題の面白さは前記※の着想にあると思います。
これが、当道場の「学習・思考の奥義」の中の
■量の属性(単位系など)に着目し、適用公式・定理を推定する。学習・思考の奥義のページを確認
の一例となるものです。

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