算額(S3)・師範の考察(ヒント) |
「円に内接する2つの四角形ABDC,ABFEがあって辺ABを共通にする。」という形で この問題を捉えると、暗礁に乗り上げてしまう。 「内接四角形」という概念は「外角はそれと隣り合う内角の対角に等しい。」という定理を通じて、 角の関係しか捉えることができないため、 辺AB,CD,EFが1点Pで交わるという仮定が捉えられないからである。 (この仮定は角の関係だけでは捉えられない。) しかし、円と交差する2つの三角形PBD,PBFがあって辺PBを共通にする、という形で この問題を捉えれば、方べきの定理(※)に繋がり、 PE・PF=PA・PB=PC・PD(*) ∴PE/PD=PC/PF また∠DPFが共通であることから、 儕EC∽儕DF ∴∠PCE=∠PFDとなり、四角形CDFEは円に内接する四角形であるといえる。 以上の考察において、三角形と四角形の特質の違いは興味深い。 ※)方べきの定理を知らなくても 儕AE∽儕FB,儕AC∽儕DBがわかれば、 PE,PF,PC,PD間に一定の比の関係式が成立する見通しがつく。 *)内接四角形の場合とは異なり、 2つの三角形が1辺を共通にするという仮定がここで生かされる。 これが、当道場の「学習・思考の奥義」の中の ■ 構成要素の捉え方・着目部分・仮定の翻訳形式(特に長さか角度か)を変えてみる。…図形問題 ⇒学習・思考の奥義のページを確認 の一例となるものです。 |