佐野自然塾

SANO JUKU NGO NIPPON

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はじめに…
 フィリピンという国と関わりを持って早や20年以上経過しました。フィリピンというとどうも若王子さんの一件以来、恐い国、危ない国といったイメージが固定化してしまいがちです。。しかしながら、聞くと見るとでは大違い、フィリピンの人達ほどハートフルでのんびりとした国民はいません。たぶんアジアの中でも一番日本人との相性がいい。これが私の率直な感想です。
 確かに日本の社会から見れば、貧弱でみすぼらしいところも多々ありますが、しかし人と人とのつきあいにおいては、年寄りも外国人も分け隔てなく特別視することもなく、笑顔で接してくるその態度には、心が和みます。お金はなくとも実に心豊かな人達が多いと思います。ぜひ一度実際に行かれてみて、自分の目で確かめて頂きたいな、と思っております。『百聞は一見にしかず』ですよ。
 それともうひとつ、当塾の自然塾というのは、やたらと欲のつっ張り合いをせずに、人は自然体でいいじゃないか、ということです。構えあって構えなし。『有構無構』。これは私の座右の銘。子どもたちに対しては、「頼らず、なびかず、おもねらず、努めて笑顔でやりすごせ」と、これは私の心意気。 (佐野自然塾 塾長:佐野典昭)

〒422-8043 静岡県静岡市駿河区中田本町48-14  TEL/FAX 054-288-9216

フィリピン日系の子どもたちの自立支援活動と地球環境問題とに真面目に取り組んでいる非営利のボランティアグループ」です。

佐 野 自 然 塾

これまでの歩み
塾長歳時日記
アジアンフェアトレード
フィリピン関連のホームページ

E-mail:sanoshizenjuku@hotmail.com

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塾長報告

佐野自然塾が「フィリピン古着エコプロジェクト」を始めるに至った経緯

「リメイク、リユース、リサイクル」を目指し、20084月より佐野自然塾がスタートした「古着エコプロジェクト」。紆曲折を経ながらも今も地道に活動を続けている。
 当初日本からのゴミをフィリピンを持ち込むのはマズイんじゃないのと言う意見もあって、正直考えた。そのへんのところがよくわからなかったので、自分の眼で確かめに行って来た。一年かけて色々調査してわかった。これはやるべきであると。それは日本の中古衣料は決してゴミではない、という評価を得たことと、アメリカ、カナダから送られてくるそれとは、格段に古着の品質に差があることも自分の目で確かめた。
 日本の古着は品質が高いという自負も内心あったのも事実。日本から持ってくる私たちの古着は不用品のボロじゃないぞ、と言う自信があったからだ。一つに、これは日本のアパレルメーカーの社長の協力、応援があって始めることができたプロジェクトであるということ。回収する衣料は全て一定期間が過ぎた店の商品ばかり。月数回の棚卸し品をもらい受ける。中にはタダではないがブランド品、新古品も多彩にある。我々は一年間の間に大型のダンボール(約1m×1m)、50個をフィリピンの慈善団体や施設に送り続けた。そして私自身が直接訪れ、反応を聞いてきた。いずれも感謝された。そりゃそうでしょ。送ったのはさらに選りすぐったものばかり。選別に手間暇は掛かるが、それで相手が喜ぶなら良いじゃないか、と言うこちらの心意気が伝わらないはずが無い。正直言って、すべて現地で売れるものばかりだから、バザーで売っても結構な売り上げとなる。そのお金が子どもたちの生活支援になればよいじゃないか、とただそれだけのハナシだ。
 それとこのプロジェクトで、もう一つ大事な目的がある。多くの子どもたちが学校に行けないのは貧困も勿論そうだが、親が子どもの教育に関する認識が希薄である事ではないかという事である。せっかく、こちらで送った古着で給食代を子どもが手にしても、親がそれを取り上げてしまう事だ。学費は無料でも学校に通う通学費、昼食代は自前である。学校までとても歩いて行ける距離ではない。お昼だって食べないわけには行かない。親も本当は自分の子どもの教育は大事だと言う事はわかっているはず。「金が仇の世の中」は特にこの国では深刻のようだ。
 かくして、我々はこの国にミシンや材料を持ち込んで、親の自立生活支援から取りかかろうということになって、始まったわけである。洋裁の専門学校を我々が現地に新たに立ち上げるには資金も無ければ時間もない。とりあえず、現地に理解者を探し、その場所を子どもたちの、また親たちの拠点として提供してもらい地道に展開していくしかない。佐野洋裁塾の立ち上げである。
 これがやっと今年の3月にめどがついた。あとミシンが10台要る。何とか頑張るしかない。色々な方々の後押しや、応援があって励まされている手前、ここでごめんなさいと、頭を下げるわけにはいかない。まァ何とかなるでしょ。「オマエ、金も無いくせにようやるなァ、アホか。」こういう親切で、大きなお世話な連中には「光栄だよ」と言っている。20年も関わってきたのだ。乗りかかった船を途中で降りるわけにはいかない。現在も起居を共にしながら長い間一緒に活動をしてきている仲間たちもいる。皆一生懸命頑張ってくれているのだ。
 フィリピンのボランティア活動については、私もそのメンバーの一員として参加している海外支援協会(ODRO)がある。最近では、学生たちの夏のフィリピンスタディツアーを企画したり、支援物資の提供やら現地の学生たちとの交流を中心にした活動をしてきている。今までのようなただものを上げたり、通り一遍の現地交流でなく、もう一歩踏み込んだ現地の生活に密着した活動を展開していくカタチで、我々の活動が拡がっていくよう努力していく事が大事だと思っている。

フィリピン国マニラ首都圏モンテンルパ市

〔現地活動拠点〕

ボランティアグループ