オイルサーディン




 私は酒が好きだ。愛している。私にとっての酒は世の中を生きる上での糧であり、動機づけなのだ。更に、困難な事や辛い事に取り組んでいる時の、常に最終目的になっていると言っても過言ではなかろう。これをやり遂げればキューッと一杯出来るぞといつも自分に言い聞かせているのだ。すると、困難は困難でなくなるのである。勇気が湧くのである。自信がみなぎるのである。計り知れない活力が生まれるのである。

 そんな私が愛飲するものの一つに、ウイスキーの炭酸割りがある。いわゆるハイボールと言うやつだ。ところで、ハイボールにするウイスキーは安酒に限る、と言うのが私の持論である。何故かグレードの高い銘柄は、炭酸で割ってもうまくないのである。4リットルのペットボトルに入れられて特売されているようなヤツほど、炭酸で割ると涙ぐむほどうまいのだ。

 しかしながら例外がある。それはバーボン。バーボンとはトウモロコシを主原料としたウイスキーなのだが、このバーボンと炭酸がよく合うのだ。そして私は、ちょっとしたことを成し遂げた後、うれしい事があった時などには、少し贅沢をする。ちょっと寝かされたバーボンをハイボールにして、一人喜びに浸りながら、真夜中にチビチビやるのだ。これもまた格別である。

 少し前置きが長くなったが、ここで何を言いたいのかというと、オイルサーディンである。オイルサーディンとは鰯の油漬けの事であって、スーパーなどではこの缶詰を、1缶200円位から揃えている。栄養価も高く、とても庶民的な食品であるのだが、これを肴にハイボールをグッとやるのが、
これがまたなんと言うか、自分としては至福の喜びなのだ。そればかりか、惣菜のひと品にも十二分に成り得る。そんなオイルサーディンのレシピをここでひとつ。と言っても、これは自分のオリジナルではなく、比較的スタンダードな調理法であると思われるので、ここはご存じなかった酒を愛するご同輩向けに、と言う事で。

 話は簡単。缶詰のふたを開けたら中のオイルを1/3程残して捨てる。そこへ薄く切った玉ねぎをタップリと入れ、コンロの上に焼き網を置いて、缶のまま載せるのだ。そして油がはねない様にアルミ箔で蓋をして、弱火でクツクツと蒸し焼きにするのである。

 ・・・火災に注意!

 鰯にバッチリ熱が通ったところで、火からおろしてポン酢をかける。何とこれだけで簡単に、あなたにも至福の喜びが味わえるという訳。

 是非お試しを。




材料


 オイルサーディンの缶詰 玉ねぎ ポン酢







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