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■汎用サーチライトとは

 当サークルのサークル名でもあり、定期刊行している批評誌のタイトルでもあるのが「汎用サーチライト」です。主にアニメ作品の作品論を中心に、その他、執筆者が関心を持っている作品や現象などについて論じています。(内容については「既刊情報」をご覧ください。)

 「汎用サーチライト」がやろうとしていること、そして執筆者たちがある対象について論じる際の基本的な態度などがどのようなものなのか、創刊号に掲載した「創刊挨拶」をそのまま載せたいと思います。

■創刊挨拶(創刊号掲載)

 ある対象について、文章を書く。それも、それを書かなければならな いという切実さ――社会的意義だとか学術的意義だとか、そんな大仰なものではなく、ただ自分にとってそれが切実な問題であるのだという圧倒的で確かな感覚に急かされて、書く。急かされているとはいっても、本当の意味で「ある対象について書 く」ためにはどうすればいいのか、その本当の意味でということがつま りどういうことであるのかすらいつでも手探りの状態であるので、それは辛抱強い闘いである。その上、たとえある時、その答えになるかもしれないやり方を見つけたと思ったとしても、別の対象に向き合えば当然のように別のやり方が要求されるようなものとして、いつでも対象によ って姿を変えてしまうものでもあるので、新たな対象に向き合う時にはその度に同じように最初から悩まなければならないという、眩暈を覚えるような行為である。そうして出てくる文章は、今使おうとしているその言葉が、そしてその使い方が、自分が書きたいと思っている何がしかをまさにそれによって書き表すことのできるものとして本当に適切なのかと自問し、対象と自分との距離や位置関係を計り確認しながら、そうした困難な苦闘の末にようやく、それが少しでも達成できたのだろうか、できたかもしれないと微かに感じつつ、同時に、達成には遠く及んですらいないのではないかと脅かされながら、出されてくるようなものである。今回ここに集められたのは、そうして書かれてきた文章たちである。 そのような文章というのは、当人にとっては抜き差しならない切実な欲求を受けて生み出されてきたものであり、おそらくごくわずかではあれ同じような切実さを共有している人々がどこかにいるはずだという期待の下に、それを公表したいという欲望も含んでいる。しかし、どこにいるかも分からないそうした人々の手元に届くかもしれないという期待は 心許なくて、それどころかそのような文章は自らが置かれるべきものと して置かれうる場所を見い出すことすら困難であることが常であったりする。

だからこそ、それらの文章のための場所を作り、切実さを共有している人々に届いてくれたらという祈りのような期待を込めて、ひとつの雑誌を創刊します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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