芝草品種特性
芝草は、大きく分けると、寒地型芝草と暖地型芝草に区別されます。
寒地型芝草は、北海道や府県の高冷地など冬期間寒さが厳しい地方での越冬性が良く、耐寒性
に優れた草種で、ケンタッキーブルーグラスなどが有名です。
日本の大手・種子輸入販売会社は、種子の原産国の試験場を訪れ、データーやターフの状態を目で確認し、日本の気象下で良好なターフを形成出来そうな品種を持ち帰り、実際に日本各所にある研究農場で播種育成しデーター取りします。実際、研究農場や研究試験センターなど見学ましたが、品種特性のデータ取りする作業の大変さにも驚きましたが、試験品種数×反復試験(数区画の試験区を設けて平均を出すことで、より確実なデーターを取ることが出来る)で広大な試験面積にも驚きました。
品種特性、生育特性のデータを基に輸入販売される品種を決定されます。
実際ゴルフ場で品種を決定する場合は、管理刈り高特性、生育生態特性(芝密度・マット形成度)を考慮します。闇雲に値段だけで決定している訳がありません。
ケンタッキーブルーグラスの草種の中でも、特性を考慮し品種を選択し、特性に見合った管理することで、定着率を上げることが出来ます。
〜混播のすすめ〜
芝生を造成するときに、数種類の草種・品種をブレンドし播種するようお勧めします。特性の違う草種・品種を混播することで、気象や環境リスクを分散するのが目的です。
もし、病害が発生した場合、耐病性の違う品種を混播することで、激発することが少なく、序々に罹病が進むため発見しやすくなります。また、ペレニアルライグラスなど品種に多く活性しているエンドファイト(内生菌)の効果で、害虫の被害が減るなどの効果も期待できる。
エンドファイトとは・・・
植物に感染して共生するカビや細菌のことで、芝草内にエンドファイトが共生していると、
耐虫、耐病、耐旱などの環境適応性が高まります。(日本の試験場でも効果確認済み)
感染は、種子によってのみで、自然感染は起こりません。
エンドファイトは、種子の遺伝子ではないので、種子の中で生き続けるわけではなく、種子の
寿命より短いとされています。有効利用するには、信頼できる品種の新しい種子で、保管状況が良
い種子を買うことをお勧めします。