「さちことねこさま」1巻 唐沢なをき(エンターブレイン) |
・「コミックビーム」で連載してるやつですよ。これがかなり意欲作ですよ。 ・唐沢なをき氏作品ではかなりシチュエーションコメディなんですよ。 ・唐沢なをき氏はギャグマンガ家なんで、これはかなり異色作なんですね。 ・では、シチュエーションコメディとギャグのちがいとはなにかって問題になるんですけど、まあ、あいまいなんですけど、ギャグのための設定、ギャグのための展開。そういうのがギャグです。すべてがギャグに最優先になっているのがギャグマンガと。一方、シチュエーションコメディというのは、ギャグがすべてではないわけです。そして、圧倒的にギャグマンガはないです。みなさんがギャグと思ってる多くの作品はシチュエーションコメディですね。 ・で、唐沢氏はそういった意味では絶滅寸前の純ギャグマンガ家ではあるんですよ。それがシチュエーションコメディだから新境地ではあると。以前にも「鉄鋼科学大魔号」とかシチュエーションコメディっぽいのはある。そういうのの中でもかなり純度の高いシチュエーションコメディが本作だったりします。普通のことをして新境地ってのはなかなかスゴイですよね。ちなみに、同誌で連載している吉田戦車(任侠猿蟹合戦)氏も新境地ですよね。 ・ビンボーなメガネっ娘のさちこは、どの人間にもある、業が固まった「アタマノサキナルモノ」がネコに見える体質のために、あちこちに転校してきて、ノリ屋のあおくさくんや、あおくさくんを密かに恋慕する御嬢様(これが本名)などを交え、ドタバタする学園コメディです。 ・ギャグはたしかに抑え目にしてるし、得意のダジャレ系も少ない。んまー、ラインでいえば、「ど根性ガエル」になるんですかね。あれもシチュエーションコメディの傑作ではありますよね。未だに描いてるし。 ・もともと、おれは、唐沢氏の描く女性が好きなんですけど、本作もさちこさまのほかにいろいろなタイプの女性が登場する。おれは、御嬢様が好きなんですけどね。 ・で、この微妙な「ほのぼの」が心地いいような感じもするし「なんかあるのか?」って裏の意図を読み取ろうとしたり、なかなかに興味深いものになっているのです。ギャグ的なオチのための伏線なのか? あるいは、マジで売れようとして狙っているのか? ・そういうのも抜きで単純におもしろいよ。 (08:58:32) |
「荘太君のアキハバラ奮闘記」1巻 鈴木次郎(スクウエア・エニックス) |
・しかし余談だけど、スクウエアエニックスってのは近いうちに社名変更でもするのかね? 出版社名みるのに奥付みなくちゃならない。 ・さて、本題だけど、すっかりお馴染みとなり、1ジャンルにまでなった、オタクギャグの1つになりますね。「辣韮の皮〜萌えろ!杜の宮高校漫画研究部〜 」「電脳やよい少女」「オタが行く」「げんしけん」。おれが買ってるのもこれだけパッとでてきます。 ・これ、おもしろいのは、そのメイン読者が、発行してる雑誌などを考えるに、その笑いの対象となってるオタク自身なんですよね。まあ、昔からオタクは自虐的ではあります。そいでもって、そんな詳しいことまで知ってる作者も実はそうという、なんつーか、肉を斬らせて笑いとるってな世界になってますよね。だからこそ、逆に薄いものをやったり、「なにそれ?」ってのをやるとプイとそっぽ向かれる難しいジャンルではありますよね。濃い「同類」のみが踏み入れていいジャンルと。 ・主人公・荘太君は、隠れオタクで彼女持ちってのが本作のキモなんですね。彼女とデートしてるけど、このあとのアニメ番組が気になって仕方がないとか、トモダチが遊びにきて、必死でその気配を消し去ろうとしたり。 ・2話目で、壮太君は彼女にカミングアウトし、彼女も一応それを受け入れましたけど、単に、笑いの軸がずれただけで基本は変わりません。 曰く、 オタクの世間とのズレを笑う。 ・っての。 ・なんとか、その道にひきずりこもうと必死な、アキハバラのマニア店店長。同じ隠れオタクのトモダチ、店長のライバルと、徐々にキャラが増えていくのも、なんとなくお約束な感じ。 ・でも、テンポがよく、随所にあるオタクギャグなんかも、味付けの濃さはおれ好み。関西ダシって感じ?わからんけど。ここいらの味付け加減がイチバン難しいんですよね。距離の取り方というか、想定読者の設定。 ・おもしろかったです。 (16:43:44) |
「マニマニ」宇仁田ゆみ(祥伝社) |
・大人の女性のための純少女漫画だそうです。 ・オムニバス読みきりの連作短編集です。登場人物は微妙に被ります。 ・登校拒否の2人(男女)と親友の娘の話、その娘を17で産んだ母親の話。その娘の中学の担任の話。 ・この登場人物がすべて愛するべき人たちでねえ。「カワイイ」女性ばかり登場します。 ・26歳で田舎に戻った女性。4つ下の幼馴染がすっかり大人びてることに驚きつつも、受け入れてしまう。 ・トモダチの悪口をいわれ、へこみながらも、2人の友情を生きがいにしている娘。 ・そういう子の担任を任されて苦労する女教師。楽しみは片思いの和菓子屋の職人と話すること。 ・この「カワイイ」ってのは、つきつめると「いとおしい」ってことになるのかもしれないですね。みんな年齢も境遇もちがうけど、一生懸命がんばって日々すごしてるって感じで。 ・ふと、宇仁田ゆみ=近藤ようこという方程式がアタマに浮かんだ。 ・どこにでもいる市井の女性に焦点をあて、その地味ながらもがんばってる毎日をやさしい視点で描く。物語の組み立てのうまさも含めて、共通点は多い気がするんだけどどうだろ? ・ちょっとマジ泣きしたことですし。オススメ (17:44:05) |
「娘式」永岡脩晴(司書房) |
・エッセイマンガですね。 ・2pとかもらって、いろいろと描くって感じ。青木光恵氏のデビューもそうだったよなあと思ったり。でも、青木氏に比べると「娘」度が高いなあ。ちょっとオタクはいってる映画が好きなお嬢さんって感じですかね。どことなく優雅さがあるなあ。もちろん、青木光恵氏に比べてですよ。 ・で、映画みた、**かっこいーとか。デジカメほしーとか。コミケ落ちたーとか。日焼けが怖いとか。飼ってる犬とか。文字だけなら、そこいらにゴロゴロしているテキストサイトみたいなのを絵に書き起している感じ。それが近いようで、カネ取れるかどうかの壁として立ちはだかってるのですよ。 ・ちなみに。「スパイダーマン」観ようと思ったのは本書に影響を受けたからだったりします。 ・あと。「クレヨンしんちゃん」のエピソードがいいですね。いやがってる友達(女)に「奢るから」とムリヤリ連れて行ったら、そのトモダチ、非常に感動したので、映画代返すっていった話とか印象に残りましたね。 ・ただ、857円(税別)の価値は薄いです。エッセイマンガの難しいところは、それをカネをだしてもいいというレベルまで昇華させることですよね。ここいらのノリはぶっちゃけ、テキストサイトのそれとも似てますよね。 (17:59:39) |
「ラブやん」2巻 田丸浩史(講談社) |
・いいです。最高です。 ・田丸氏の諸作品ってどれもこれも、なんだか気持ちのいい世界が描かれてる。しかも、それはわりと統一されている。悪くいえばどれもいっしょ。でも、その世界がとても心地よいものなので、全部おもしろいというスンポウさね。 ・愛の天使ラブやんが降臨したのは、ロリ・オタ・プーの三重苦の男・カズフサだった。で、なんとか恋を成就させるためにラブやんの苦難の日々は続くのだった。 ・あと、いつものグダグダでした。でも、最高なんです。 ・2巻はジャモジさんがいい味だしてましたね。 (18:29:43) |
「好きな女性のタイプは?」小泉すみれ(集英社) |
・以前、「アイドルと恋に落ちる方法」って名著を出されていたので、チェックしたら、これはイマイチでしたね。って最初にイキナリ結論をいうと続かなくなりますね。 ・高3のボクが突然、「おれは燃えるような恋がしたい」と、色気づくわけですね。で、女をとっかえひっかえするもフラレ倒す人生なのです。 ・まー、このボク、直情径行型で、まったくといっていいほど感情移入できないのが最大の欠点ですね。それに引き換え登場する女性はどれもこれもかなり魅力的に描かれています。で、よく、こんなバカとつきあってるなあという感じがして、これまた現実的じゃない。 ・と、なんか、おもしろくないんだよねえ。夢物語みたいなんだわ。まだ、「ラブやん」のほうがリアリティがあるような。そういや、前作の「アイドルと〜」もリアリティのない話ではありましたがね。 ・まあ、おれの年齢とかも影響あるのかもしれない。こういうのを「ガキがノボセあがって」としか思わないんだもんねえ。 ・ということで、ヤングが読むと、もしかして、夢のあるいいマンガかもしれないなあ。わからんけど。主人公はこれで、女運が異様に強いんじゃねえの? (19:16:13) |
「先生とボク」かるま龍狼(松文館) |
・エロマンガ界の鳥山明(いろいろな意味で)のはじめてのオールショタエロマンガです。おれにとってもオールショタははじめてだなあ。 ・小学生のカワイイ男子があんなことやこんなことをするマンガですね。世の中には、ノーマルだけど、ショタでコーフンするだんすぃーが多いそうだ。だから、実は、変形バリエーションで、普通のエロとなる。 ・と、書いたけどどうかな? ・で、ふと思ったけど、小学生って女子だと、ロリになり、ヤバイことになるけど、男同士ならOKなのかしら? ・基本的にショートの寄せ集め的なんですけど、ちゃんと、ギャグがあって、エロもあるんですよ。 ・でも、女の子の方がいいなあと思ったおれはまだまだひよっ子だなあと思いました。 (22:19:00) |
「オタッキー伝説」こしばしげる(日本文芸社) |
・うーと、タイトルが気になって買いました。はじめて買うマンガ家で、まったく予備知識ナシ。 ・オタクだけど、超人マウス「オタッキング」って特撮ドラマに憧れるあまり、アクション研究のため空手を習い、特撮ショーのバイトをしてる。そのうち、ものすげえ強くなってしまったけど、本人は自覚してない。 ・そいで、オタッキングのコスプレのときだけ鬼のように強くなるという話。 ・2話目からは、セルフパロディらしい「どついたろか」(元ネタは「しばいたろか」ですね)のキャラになりきり、ヤンキー連に伝説になる。って、マンガ。 ・意外といったら、アレですけど、きちんとアクションしてるし、バリエーションも豊か(たとえば、マンガのキャラになりきってるなら、最新号の強敵にコスプレすればかなわないだろう?って闘ったり)だし、楽しく読ませていただきました。ラーメン屋にでもあったらぜひ手にとって見てください。おれも、明日、店の棚にならべます。 (22:46:21) |
「幕張サボテンキャンパス」11巻 みずしな孝之(竹書房) |
・ああ、最終巻。前巻のとき、「そろそろ年貢の納め時」みたいなことを書いたら、そのとおりだったのですね。 ・筆者自体、あとがきで、「Aのカードが4枚つづけて出たようなもの」なんて書いてましたが、まさにそのとおりだと思います。おれ、これと「いい電子」以外はまったくみずしな作品には興味ないしねえ。 ・うまくみんなが納まるところに納まった11巻でした。まあ、うまく終わらせたなと。 ・描き下ろしの裏話によれば、7巻で終わるって話であったのだけど「大人の事情」で延びたんですと。それはそれで正解かなと。 ・ま、おめでとうございます。これを超える作品を描いてくださいね。 (23:54:00) |
「焼きたて!!ジャぱん」8巻 橋口たかし(小学館) |
・パンの世界大会・モナコカップ中。 ・相変わらず、ワケのわからないところが多いですねえ。ホント、これがわからないってのが、なんか疎外感あるほどです。これは、「おもしろい」ってことでいいのか? フォントいじりのテキストサイトをみてて爆笑する人が読むマンガって気がしてきたわたしなのです。 ・そういうところのセンスがちがいすぎるんですよね。これまでも感じていたけど、今回は強く思ったりしました。 ・そう、思った今巻のイチバンの理由は月乃があまり登場しなかったからかもしれませんね。 ・あと、主人公の性格は、設定ミスなんじゃないかい?と、ふと、思ったり。バカポジティブというかね。 (00:09:51) |
「ジュゲム・ジュゲム」1巻 ケイケイ(講談社) |
・3巻が新刊コーナーにあったのがきっかけです。帯に「秋月りすさんご推薦(はあと)」とある裏に「ハマる人、増殖中! オムニバス8P」というのが決め手です。 ・そいで、棚を探して、1-2巻、別の本屋で3巻をまとめて。おれにしてみれば、かなりなギャンブルであったが、大当たりであった。久しぶりの大当たり。 ・こういうのがあるから、予備知識ナシでの本買いは止められないんですよね。 ・オムニバス8pのショートギャグです。中崎タツヤ氏なんかと同じです。まあ、中身は全然ちがいますが。 ・25歳を過ぎたあたりの、女性(不特定のキャラ)の読みきり8pギャグです。 ・たとえば、久しぶりにあった同級生がキレイになってたからダイエットを実施する話。 ・マンションの上の階の住人がオガクズをベランダからまいたために、洗濯物と鉢植えがオガクズまみれになった女のささやかな復讐。 ・雨の日のOLの移動手段。 ・後輩ができたときのココロ構え。 ・ものすごい化粧で変わる女性の苦悩。 ・こういうのです。こういうのを、川原泉氏のデフォルメ絵(実はデフォルメのほうが多いんだけどね、川原氏の場合)のような感じで、展開していくのです。 ・これ、秋月氏も3巻のオビでホメてましたが、セリフ運びと、展開が、名人なんですよ。ものすごいスムーズ。間の取り方も絶妙。基本的に、顔に点が2つ(目ね)のシンプルな描画でありながら、それが独自の味わいになってるすごさ。まあ、だから、「美人」とかを表すのにちょっと苦労あるみたいけど。 ・1巻読んで、これは絶対に奥さん、おもしろがるなと確信し、「面白いから読んでみ」とムリに読ませた。 ・1巻も半ばくらいで、「どう、おもしろい?」と訪ねると、ビールを一口飲みながら「イマイチ」と答える。 ・でも、そのまま、3時間かけて一心不乱に3巻まで読みました。 ・このやりとりは「あずまんが大王」の1巻が出たときと同じだよ。もしかして、大ブレイク? オススメ (15:48:37) |
「ジュゲム・ジュゲム」2巻 ケイケイ(講談社) |
・なぜか、2巻だけ、ツヤ消しなカバーの紙質です。 ・2巻はOL編が目立ちましたかね。 ・不況で、リストラはされなかったけど、職場が社長の自宅になり、社長夫人の読めない行動にストレスが溜まる主人公。 ・トモダチの約束フッ飛ばして、憧れの人と仲良く残業→夜食となったら、そのトモダチが強引に乱入。 ・アパートのカギを無くしてしまった12/31のOL ・深夜、ゴキブリとの対決。 ・一瞬にしてマインドコントロールが解かれ、彼氏と別れるOL ・セールスマンとの対決。 ・後輩にトイレ掃除をさせるために苦悩するOL ・連休に彼氏とプチ同棲生活。 ・などなどあります。 ・このトイレ掃除編なんかは、ホント、すごいと思いましたよ。あと、すげえ、イケメンとつきあうことになった並の容姿の女性の苦悩とか、ヘンタイ上司と一時不倫をしていた女性の後悔と恐怖(ヨリ戻そうよ〜)の日々とか。実は、かなりエグイ(下ネタはあまりないですが。血便の話くらいか)こともあるんですけど、絵がそのエグ味をさらりと取ってくれるのです。 ・くやしいときに唇を噛む絵はサイコーです。 ・リアルなんだかよくわかりませんが、このマンガに登場する女性の思考回路は勉強になります。それを活かす機会がくるかどうかは別として。 オススメ (16:02:25) |
「ジュゲム・ジュゲム」3巻 ケイケイ(講談社) |
・最新刊です。 ・こう、通して読むと、2巻はちょっとドロっとしてたみたい。その反動からか、3巻ではまたほがらかなネタも多くなる。 ・調子に乗って、ゲームハードを買ったために、金がなくなり、偶然遭ったモトカレに「前に貸した5万返せ」という話。 ・同棲した彼氏とケンカ。 ・三十路OL2人組の休日の過ごし方。 ・ダイエット再び。 ・片付けられない女と、片付けすぎてしまう女が3巻の最初と最後に配置されてるのもいいねえ。 ・で、ここまで書いておいて「実は」となるんですが。 ・実は、おれが本当にツボったのは、1−3巻通してある、単行本のオマケである、筆者のエッセイ風4コマだったりします。とくに2巻はよかったです。 ・ともかく。再読性が高くて、おもしろいので、かなりおれは今気に入っているし、ハマっているのです。けっこう、パラパラと読み返してます。いい買い物でした。正解でした。大当たりでした。 オススメ (16:15:47) |
「金魚屋古書店出納帳」2巻 芳崎せいむ(少年画報社) |
・金魚屋という、どんなマンガもそろってるすごい古書店を中心に、マンガがらみのハートフルストーリーの2巻目です。 ・2巻の巻末11話目は描き下ろし98pですよ。98p! ・「タッチ」の貸し借りで芽生えた高校生同士の恋。 ・ふとしたきっかけで出会った3人の話。 ・マンガキングを目指すコンテスト。 ・そして、描き下ろし98p。手塚治虫記念館と、水木しげる記念館に、「マンガの神様」を探しにいく話。 ・ただ、長いだけじゃなく、通常の5話分くらい、いろいろと詰め込んでおり、それでいて、すばらしくいい話に仕上げております。 ・しかし、こういうことやられたら、「おれ、雑誌で読んでるからコミックいらないもーん」とはできませんよね。しかも、2巻のベストだし。 オススメ (16:25:47) |
「沈夫人の料理人」1巻 深巳琳子 (小学館) |
・深巳琳子氏は「他人の家」の1巻で、なんとなくお見限りだったのですが、これは、ずいぶんと前作と毛色がちがうので手にとってみました。 ・昔の中国。お金持の夫人と、そこで雇われている料理人のゆがんだ主従関係を軸としての料理マンガ。料理マンガとしても、あまりないラインですよね。 ・美人で妖艶ながらも、ワガママで、Sっ気が非常に強い奥様。そして、その怖いことを散々聴かされており、恐怖しながらも、ワガママに応えるべく、料理を作る料理人。 ・まあ、かなり、変則的なSMカンケイです。まあ、本当の意味での女王様でもあるし、召使でありますからねえ。いつしか、料理人も振り回されることに陶酔したシーンなんかも盛り込まれてますが、お互いにそのことをハッキリとは自覚してないんですね。奥様はヒマつぶしにいじめたら楽しいと思っているし、料理人は、奥様の期待に応えないと指を切られて犬のエサ係にされるという恐怖からつきぬけて「いじめられたい」という欲望があることに気づかないフリをしてる。 ・と、そういうことを読み取ることができるのは、やはり、キメの細かい描写だからこそなんですねえ。 ・で、「料理マンガ」なんですよ。そこんところもキッチリしてます。 ・うるさい来客を黙らせる料理を作れ。 ・一晩で吹き出物を治す料理を作れ。 ・料理マンガでつきものの料理対決もバッチリ。 ・で、それらのレシピまであるんだよなあ。ソツのないマンガですよ。 ・巻末のオマケエッセイマンガ(当然のごとく中国旅行記2pだけど)もあるという、ホント、ソツのないマンガ。 ・で、ソツがなさすぎてつまらないかというと、そんなこともないんですよね。ほのかに香るエロな感じ(まったく、この奥様と料理人のやりとりだけで醸し出される)がまたステキなんですよね。 ・ま、もう1巻様子をみますが。 (16:48:42) |
「コミックマスターJ」10巻 余湖裕輝&田畑由秋 (少年画報社) |
・うわ、なんか知らんうちに10巻か。 ・で、アレですよね、マンガのブラックジャックな話が、微妙に元ネタがあるのかないのかわからんところをついてきました。だから、パロディの入れ子構造みたいになっていたんですよね。 ・10巻はチャイルドブロッカーというのが興味深かったです。要するにオバハンたちの悪書追放運動ですね。それに世界的有名なアニメの巨匠をからませるあたりが、やや古いとは思ったけど、おもしろかった。 > 漫画大国日本で漫画を読めぬ奴は死ねっ > ・名言でございますね。 ・そして、古くない新しいネタ。買春で捕まるマンガ家ってやつ。これ大丈夫だったのか? 彼らはこの先、集英社から仕事が来なくなるんじゃないか? ・11巻予告には「BOOK GUY」なるものが登場する。これはなかなか楽しみ。 ・ということで、この路線なら長持ちしそうですね。まあ、マンガ業界もそこそこスキャンダルとかないとダメでしょうがね。 (17:05:52) |
「彼岸島」3巻 松本光司 (講談社) |
・ついに吸血鬼のいる島(というか、吸血鬼だらけの島)に上陸!と、思ったら、上陸する前に壊滅状態。そして、多くは囚われの身に。 ・そして、1人の犠牲で脱出することに成功。 ・と、これをねちねちと描いておられる3巻でした。 ・吸血鬼の「食料」としてのイス。裸で座らされ、食料と水はパイプを通してクチに流し込まれ、排泄物は開いた穴から流れでる。そして、あとは死ぬまで吸血鬼たちに血を吸われ続ける。これ、しのざき嶺氏のマンガにもありましたねえ。こっちの場合は精液をとられるんでしたが。 ・無骨なデザインな分、本作のほうが不気味でしたが。 ・さ、4巻から反撃開始となりますが、これはどういう「着地点」になるんだろう?それに興味があります。 (17:28:42) |
「青春ビンタ」4巻 私屋カヲル (少年画報社) |
・大バカエロコメも4巻か。 ・巻を重ねるごとにバカ度やアケスケ度が高くなるんですけど、反比例してチンピク度(小林よしのり風表現)が下がっていくのが残念なところです。 ・海。ナマコとまちがえてチンポを握る。 ・皮用瞬間接着剤を包茎の皮用とカンチガイしてエライ目に遭う。 ・カリカリクンというチンポを模したアイスを女子に食べさせて、フェラ写真としてコーフンする。 ・乾布摩擦で気持ちよくなる。 ・などなど、いい意味20%、ほか80%で「くだらねえ」ネタが満載です。 ・まあ、こういうアケスケエロのほうが描きやすいみたいですよね。どんどんリアリティがなくなっているのがさびしいわたしです。とくに海音寺センセイは化け物になってますしね。 ・あと、絵柄がまた変わった感じではありますね。 (17:38:34) |
「ウチの場合は」1巻 森下裕美(毎日新聞社) |
・毎日新聞で連載している新聞4コマですね。いよいよ巨匠ですよね。 ・いつもの森下マンガを丁寧にアク抜きして、ほんの微量の時事ネタ(オリンピックなど)を加えた仕上がりになっております。 ・なるほど。おれはちょっと納得しました。アザラシのゴマちゃんをメインにした「COMAGOMA」がだんだんと「アク」が混じってくるわけが。こっちで、アク抜きのマンガを描きすぎた反動でしょう。 ・そして、本作でも、徐々にであるが、「非カワイイ」キャラを混ぜ込んできている。多分に、森下氏にしてみれば、カワイイもエグイも等価なんでしょうね。カワイイだけじゃおもしろくないんですよね。だから、誰でもない、描いている森下氏がイチバン先に飽きるのではないかと。 ・最初はほのぼのファミリー4コマではじまります。小さくてかわいいユウヤ。ちゃっかりしててケンカの強い、ちょっとトシの離れたお姉さん。やさしいお母さん。デブでやさしいお父さん。 ・これに、徐々にエグ味担当のキャラがからんでくる。飼い犬のモアちゃん(ブサイク犬ってやつ)、ママのトモダチのモモコさん、空手道場のカマっぽい先生、大家さん、母方の母、モアちゃんが大好きで仕方がないペンションのオーナー。トナリの部屋の赤ちゃんなど。 ・森下氏のスゴイのは、これだけのキャラが登場しているのに、これまでの森下作品と比較してもあまりダブってないことだ。10人10色とはよくいいますが、それをちゃんと実践しているのですね。 ・それは、キャラの性格でもそうだけど、描写でもそう。なにげに、姉(アサカ)の描写は今までにないパターンだ。 ・今、なにげに発見したけど、森下4コマのキャラ(現代モノ)は、みんなマンションやアパートじゃないか?賃貸住宅というか。くわしくみると、そんなこともないんだろうけどさ。 (18:34:30) |
「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」17(80)巻 荒木飛呂彦(集英社) |
・ストーンオーシャン編では最終巻でしたね。通算80巻になりましたよ。あーこりゃこりゃと。 ・最後はまた「時間」モノでした。やはり、時間をいじれる能力ってのがイチバン強いんでしょうかね? たぶん、ストーンオーシャンはこれまででもっとも絵にするのが困難なスタンドが大挙して登場しましたね。絵にするのが困難なスタンドってことは、単純に、説明するのも難しいんですね。 ・人間以外の時間スピードがものすごいイキオイになり、太陽が光の虹になるって、クライマックスの描写はスゴイなあと思いました。 ・というか、この最終巻で、どこか別の地点にたどり着いてしまいましたね。 ・難しいマンガでしたよ。次のジョジョでは原点回帰を図るのはいかがでしょ? (23:46:26) |
「Dr.猫柳田の科学的青春」3巻 柳田理科雄&筆吉純一郎(幻冬舎コミックス) |
・昭和の科学ギャグ3巻目。 ・考えてみれば、昭和30年代の「ドラえもん」(正確には「キテレツ大百科」)ってラインはちょっとした発明でありますね。「三丁目の夕日」+「ドラえもん」に、あと、お色気があるんだね。これは、ムリなエロというあたり、「いけないルナ先生」あたりをホーフツとしたりなあ。 ・3巻では、巨乳のアメリカ女性に対抗するために「科学の力」でバストアップしたり、痴漢撃退にフラフープを利用したり、ペンキを被った女性を速やかにキレイにするとかのエロネタに加え、夏の別荘での異様発生した蚊との対決、リヤカーレース、民家での雪山遭難、おでん屋繁盛記と、盛りだくさんの内容。 ・それぞれの本当かどうか怪しい科学ネタも含め、非常にサービス旺盛の1本となってます。 ・しかし、本編はどうなるんでしょうね? 本作、もともと、科学的に特撮ヒーローを実体化したらどうなる?ってやつの登場人物が若かりし日ってやつだったんですよ。 ・まだしてなかったよね。オススメ (00:09:41) |
「風雲児たち」14巻 みなもと太郎(リイド社) |
・かなり、幕末になってきましたよ。これ、今、「幕末編」ってのが連載されてるワケなんだけど、結局、どこまでやったんだろうね?ってのが気になってきました。ワイド版は全20巻だから、あと4巻ですよね。まあ、これで、日本史習ってるような男なんで、予想もなにもないんですがね。 ・さて、14巻では、シーボルトが妻子を残してドイツに強制送還されるところからはじまって、遠山金四郎が出て、ねずみ小僧次郎吉が出て(彼の市中引き回しのエピソードは、例の駿ちゃん事件時の自民党の大臣さんの舌禍をホーフツとしますね)、二ノ宮金次郎を通り過ぎ、この巻のクライマックス、「大塩平八郎の乱」がドーンと。 ・本当、動乱にむけて、あわただしく動いております。ロマンを感じますよねえ。世界が動いている、時代が変わっているというのを感じます。 (00:42:17) |
「ONE PEACE」29巻 尾田栄一郎(集英社) |
・神の島でのバトルロイヤル状態で1巻もたせてる。すなわち、全編バトル。 ・今回、早い段階で、サンジとウソップは戦線離脱状態で、残りメンツでバトルですが、考えてみれば、チョッパー以外は、全部、神・エネルにやられてるのな。まあ、ナミはやられてないけど。 ・ちょいと、ガチャガチャしてたけど、よく持たせたな。 ・で、毎回恒例の真打ルフィ登場の「足かせ」もうまい方法だった。 ・まあ、エネルは電気。で、ルフィはゴム。ゴムは電気通さないからなあ。なんとなく、攻略法が想像つきそうだ。 ・個人的にはやられたチョッパーにたいしてのゾロのセリフがしびれたね。 > ズタボロのチョッパーを抱え、話し掛けてるゾロの背後にオーム。 オーム「気の毒にな」「敵討ちでもしたくなったか」 ゾロ「…………」「…いや…そういう戦いの動機はあまり好みじゃねェ…」 オーム「ほう…立派なもんだ…」 ゾロ「ただ」「少し」「燃えてきた…!!」 > ・意外とゾロはチョッパーかわいがってますからねえ。いっしょに風呂入って、背中流してやったりしてるしね。 ・ヤオイ方面では、ゾロxチョッパーってあるんでしょうかね。 ・まー、次巻でカタがつくのかしら? (00:59:49) |
「ひらめきラメちゃん」勝川克志(ふゅーじょんぷろだくと) |
・珈琲文庫という名の、再発シリーズです。ほかには、永島慎二氏とか鈴木翁二氏とか。で、おれが買った本屋には、森雅之氏だけ売り切れていたよなあ。で、このメンツじゃ、勝川氏がイチバン好きなのです。 ・で、本書も持っていたような持っていないような。1994年に発刊されたのの新装版ってことで、微妙なんですよねえ。 ・まあ、忘れていたからいいんだけどね。 ・一回みたら、忘れられない絵。まあ、論より証拠。 ・多分に、スーパーデフォルメの絵は、鳥山明氏に影響を与えたと思う。でも、さらにデフォルメがキツイし、鳥山明氏は絵が「下手」になったが、勝川氏は、もー、おれの人生よりも長いだろう、マンガ人生において、ほぼブレがない。 ・たいていのマンガ家は、そのマンガ人生において、かなり絵が変わる。多分にほとんどマンガ家は変わってるじゃないでしょうかね。 ・ところが、本作は、1982年から1994年の間のものをもまとめたものだけど、まったく時間を感じさせない。ただ、そこに、古さはない。かといって、新しいともいえない。すなわち、時間の流れからはずれたところに、中空に浮かぶように勝川氏の絵は存在する。 ・そして、世界中に類をみない絵。よって、勝川の前に勝川なし、勝川の後に勝川なしという状態なのですよ。 ・内容は、メルヘンチックなのかと思いきや、かなり、ダークサイドの勝川になっている。おれも、ファンとかいって、こんなダークネスなやつ読んだのはじめてだなあ。 ・なんつーか、自分の分身が登場するような、つげ義春っぽいの。 ・かと思えば、エッセイみたいなやつもある。 ・実は絵とのギャップがものすごいんだよね。その2つのパターンは。でも、それがダメなのかというとそんなことはないんですよ。 ・マンガを描かずに酒ばかり飲んでいる筆者(の分身)。奥さんからも半ば放置されるような生活。でも、なんともならない。そんなとき、友人が結婚すると聞く。そして、2人で話してるうちに、「まだ、がんばれるか」と思う。(飛行) ・こんな話が、あの絵なんですよ。これにふさわしい言葉が難しいんだけど、「驚き」とか「インパクト」とか。 ・短くてサラリと読める話が多いけど、普通のマンガを読むペースじゃなくて、かなり意図的にゆっくり、1コマ1コマを眺めると、その密度の濃さに浸れると思いますよ。 (23:32:44) |
「りんりんD.I.Y」3巻 大石まさる(少年画報社) |
・2ヶ月連続で「りんりん〜」が読める幸せ。そして、これで終わってします寂しさ。そう、最終巻です。 ・3巻では、これまでの、D.I.Yというライン(その実、女子中学生2人(あるいはもっと)がただ遊んでいるだけ)から、ちょっと離れて、1巻まるまるドラマの回になってました。 ・彼女らも中学3年生になり、進路に悩むわけですよ。逢うは別離のはじまりってことで、いろいろとあるんですが、これが1巻通してかなり感動のドラマに仕上がっているのですよ。 ・なにせ、ほかの未「コミック」すっとばして、今日読んだのをそのまま今日書いてるくらいだ。どれほど感動したのかがわかるってもんじゃないですか。ええ、涙腺がちょっと、ゆるいことになりましたよ。 ・で、ラスト2話はもう、だーだーと洪水のようにってのはおおげさですがね。 ・本巻は世にもめずらしい(りんりんシリーズはすべてそうだけど)、オール2色コミックでして、これがキレイなんですよ。それが最高の演出になっているクライマックスの「旅立つ日について」は、すごいよかったねえ。これぞ2色のマジックですよ。って、まあ、大げさな気がしたんで、サクリとネタバラシしますが、回想シーンを白黒にしてるんですよ。でも、効果大きいよ。 ・相変わらずキャラは委員長がよかったのです。委員長の母親は怖いですが。 ・また、本を開けばいつでも彼女らの元気な姿がみられる。でも、やはりさびしい最終巻と。 オススメ (20:15:30) |
「タク坊の毎日」中川いさみ(小学館) |
・元祖マネキン漫画だそうです。1996年からやっていた、オールカラーのマネキンマンガがついにコミック化だそうです。「スピリッツ」連載だそうです。知りませんでしたが。 ・マネキンにポーズつけて写真撮って、フキダシを入れて、コマ割りして、マンガにしてるというものですね。よって、オールカラー。よって、1600+税というお値段。 ・ま、基本はほがらかなマネキン一家の日常ですよ。パパはヅラで、ママは浮気性で、タク坊はやんちゃ坊主です。 ・で、ちゃんと「中川いさみ」してますよ。ファン歴、けっこう長いおれが太鼓判ですよ。 ・こう読むと、中川氏の絵の力と、マネキンの写真の力、双方に魅力を感じますね。だから、中川いさみでありながらも、別のツボがあり、たとえば、マヌケな写真が好きな人(VOWとか)は、笑い死にするくらいの威力があると思いますよ。 ・おれはクワガタとユーカリがツボでしたね。 ・ただ、高い。笑うために1600円出せるか?ってことですね。 (20:26:48) |
「チカマニアックス」オガキチカ(大都社) |
・初期作品集の鬼、大都社から出た初期作品集。なんだそりゃ。 ・えーと、実はリアルタイムで発売日買いしたのははじめてのボクです。ニワカもニワカなんですね。 ・で、エロなんですね。あー、なるほどねえ。こういうの描いておられたのですね。 ・あとがきによると、「ルーツ」となるものらしく、なるほど、兄x妹萌えがルーツなのか。そういや、「Landreaall」もそうですねえ。 ・あと、代表作である「中央線チャンネル ルッカ☆マリンカ」もありましたね。しゃべくり漫才みたいの。ネタがはっきりいってわかりません。 ・そいでエロがエロいんですよ。そんなにアケスケなのはないんですけど、エロいわ。なんだろう?最近、その手の本読んでなかったからかな(エロ動画の鬼ですから)。よくわからんけど、オガキ氏の力ということにしよう。 ・たとえば、106pの騎上位の腰のラインやアングル。「忍法御色直っ」の股間部のトーン。シスタークラッカーのカイロ娘。「ボーンチャイルド」の「ぴくっ ぴくっ ぴくっ」とか。 ・うーむ、スリムだけど、やわらかそうって描写がいいのだろうか? ・おもしろかったです。買ってあるけど、まだ読んでない「エビアンワンダー」も読まないとなあなどと。 (23:00:06) |
「濃爆おたく大統領」1巻 徳光康之(講談社) |
・帯「プロレス、草野球、ガンダム…今度はサクラ大戦だ!!」という、惹句が、徳光康之の本質をついているような。徳光氏は自分の好きなものをいかに好きかということだけ描いてきたようなマンガ家でございますね。まあ、デビューの月刊少年マガジンの購読歴はちょっとしたものなので、「いきなりバックドロップ犬」などの、純粋ネタ(といっても、これ、微妙にプロレスネタだけどね)のギャグマンガがあることも知っているのだが、それよりも、「おれはこれが好きだ!」というマンガで食っていたことのほうが長いでしょう。 ・ということで、実は、本作、当初は薄いオタクネタでいこうと努力した跡があるんだわ。オタクを極めた人が住む、「おたくの国荘」を舞台としたドタバタギャグだったのです。玄関には、等身大フィギュアの管理人さんがホウキを持っていて、マンガ担当とアニメ担当は、部屋にマンガやビデオがいっぱいなので、廊下でモーレツなイキオイで「消費」している。アニメ担当などは、いっぺんに3台同時にみている。音声を消して、アニメの口を読唇術で読んでストーリーを理解しているんだな。 ・で、まあ、はっきりいってつまらんのです。 ・編集も徳光氏も痛感してたのだろう。 ・半分過ぎたあたりから、サクラ大戦ネタがはじまる。その前に、作者自身が登場してる「サクラ大戦追っかけ日記・3」もはさみますがね(これ、以前の「濃爆おたく先生」シリーズでも連載してた。だから3なんだね)。 ・えーと、正直濃すぎてわかりません。だけど、吾妻ひでお氏ゆずりの黄金パターン、「元ネタがわからなくても笑える」を採用しているんですね。だから安心さ。 ・そして、考えてみれば幸せですよね、徳光氏。好きなものにのめりこんで、それを描けば金ももらえる。おたく垂涎の立場ですよね。 「それなりに大変だろうよ」 ・いや、それでも、幸せだと思うよ。 (23:23:36) |
「しこたま」鈴木典孝(ぺんぎん書房) |
・「COMICOIN」なる、WEBマンガ雑誌で連載されていたもの。作者はよくわからんけど、ギャルゲーからみで有名な人みたいね。その人のはじめてのオリジナル作品だそうな。と、今、検索して知るわたし。 ・そうか、どおりで女の子がかわいいワケだ。 ・至高のタマシイを求めて女小悪魔のマコちゃんがみつけたのは、激安アパートに住むシコタコン。で、彼はどんな願いもかなう悪魔の契約ノートに名前を書いたものだから、マコちゃんがラブラブになる。そいであとはスラップスティックと。 ・よくできてます。見せてないのに魅せるってやりかたは、なんとなくギャルゲー長いだけあるなあと思わせるエロさ。そのほかのキャラなんかも味がある。 ・こう、この手の、たとえば、具体的に名前を出すと、スクウエアエニックスとか、マッグガーデンとか、メディアワークス、メディアファクトリー、角川書店、少年画報社なんかの諸作品って、みんな、基本的にはよくできてるんだよね。でも、その先がない。欲がないのかなんか知らないけど、「おもしろい!でも、その先は?」って気になるんですよね。 ・おれは、昔、10点満点の点数つけるレビューサイトに書いてました。その際の点数基準として、「おもしろい!」と思ったのが8点。で、それにプラス、「笑った」「泣いた」「考えさせられた」などを加味し、9点、10点とつけていた。そういうのでいえば、8点ばかりなんだよね。 ・絵はキレイ、話はスムーズ、女の子はカワイイと。 ・たとえば、比較に出すとベタであるが、「少年ジャンプ」の新人さん、最近じゃ、かの、尾田栄一郎でも、最初は絵が下手だった。代々、ジャンプで天下を取る人はデビューの絵が下手だったような気がするなあ。まあ、鳥山明を例外として(彼は売れてから絵が荒れた気がする)。でも、天下を取ってるよね。多くの人が熱狂している。 ・つまりは、熱量なのかもしれない。 ・まあ、へへへ、はははと気軽に楽しんでもらうためなんだから、そうゴテゴテ組み入れてもしゃあねえやん?という見方もわかる。でもねえ。 ・で、本作は、でも、女性のかわいさにちょっと8点を超える熱量を感じました。ラーメン屋のガンコちゃんの大根足ラブですよ。 ・全体的なノリは「無酸素脳ファミリー/美夜川はじめ」(大都社)をホーフツとしましたね。明らかに絵柄がちがうのでこれは同一人物ではないかと思いますが。 (15:58:36) |
「Go WEST」1巻 矢上裕(メディアワークス) |
・絵が気に入ったから買いました。ジャケ買いですね。 ・ならずものが集うアメリカ西部。開拓時代、親を探して、1人の少女(おそらく日本人)が駅から降り立った。で、はじまる、西部劇ギャグ。西に向かってまっすぐ走る馬に乗って、親を探して一路西へと。 ・作者ははじめての人ですが、「エルフを狩るものたち」なんかのコミカライズで長々とやっておられるようです。すべての点でキャリアを感じさせます。 ・物語は3話以降、バカ2人登場で、いきなりバカ度が跳ね上がりおもしろくなってきます。っても、1巻は5話なんですが。 ・これからどういう展開になるんでしょ? 今のところ、もうひとつ西部劇らしさがないのですが。そういった興味も含めて見守りたいなと思いました。アニメ化も決まって並行して連載中の「住めば都のコスモス荘」はいいや。 (16:12:03) |
「ギャラリーフェイク」28巻 細野不二彦(小学館) |
・28巻は大ネタ「オリエント急行オークション」が最初のほうにありました。 ・あとはいつもの感じで。オリエント〜では、初期のころの、ちょっとスケコマシだったフジタをホーフツとさせるエピソードがあります。 ・最近は、細野解釈ネタがないですね。第二のモナリザとか、ゴッホの別の「ひまわり」とかそういう、ホントにそんなのあんの?ってなネタ。あと、複合ネタもないね。1つの話にこれでもかってネタをぶちこむ贅沢なつくりのがあまりない。まあ、贅沢なおねだりなんですけど。 ・それ以外は安定路線。ヘルパーのネタがよかったですね「欠けた柿右衛門」。 (16:30:20) |
「ダブルフェイス」2巻 細野不二彦(小学館) |
・サエない、サラ金会社の窓口。その実、会社オーナーでいて、悪事をマジックで解決する別の顔がある。「ギャラリーフェイク」がブラックジャック的なら、本作は「仕事人」的。 ・その2巻目。 ・まだ、2巻目ということで細野氏も新鮮なのか、同時発売だった「ギャラリーフェイク」より、本作のほうが、おれにも新鮮に映った。 ・幼児虐待、リストラ、結婚詐欺、銀行の貸し渋り、悪徳弁護士、悪徳警官(結局、この悪徳シリーズに落ち着きそうな予感はある)。ネタは今なら拾い放題だからねえ。 ・興味深かったのは、最後の話。のび太とジャイアンみたいな2人が大きくなってそのまま会社にいる。そしで、ジャイアンはムリにのび太をつれまわしたり、給料を操作させたりする。この話がよかった。あまり、主人公カンケイなかったけどさ。 ・そう、こういう通常のネタに加えて、手品で相手をこらしめるって「縛り」があって、そういった意味でも細野氏のネタもダブルフェイスなんですねえ。 ・あと、35歳で結婚詐欺にだまされる女性描写。ああ、おれも、こんな風にみえるのかと、さびしくなりましたよ。 ・帯によるとナポレオンズも絶賛です。 (16:42:14) |
「最強伝説黒沢」1巻 福本伸行(小学館) |
・いや、最初は、福本氏のセルフパロディかなと思ったんですよ。 ・でも、読むとちがうね。これを「ハハハ」と笑うことはできなかったよおれ。たぶん、これまでのどの福本作品より、根っこは深いところにあるような気がする。 ・44歳の黒沢。高校卒業してからモクモクと土建業に勤しんでいる。が、ふと、気づくんだね。自分の環境に。でも、イマサラ金じゃない。地位もしょうがない。女も難しい。そうなると、男は人望なんですよ。 ・ということで、まわりから人望を得るために、奮闘するというマンガなのです。これが、ギャグタッチで描かれてるんです。 ・たとえば、トンカツ弁当に、自腹でアジフライを乗せる。 ・差し入れにビールを渡す。 ・挙句に、うまくいかずに公園でフテ寝してたら、子供がやってきて、メンドーみてるうちに誘拐とカンチガイされる。 ・これら、笑うように仕向けられてる。でも、笑えない。たぶん、福本氏もそこまで計算してると思う。 「若いやつらはハハハと笑って、年寄りは彼に自分を合わせるだろう」って。 ・まったく、おれは年寄りということを思い知らされたよ。 ・おれは黒沢と同じだ。たぶん、現実ではうまくやってると思うけど(どうかな?)、ネット上じゃ、おれは黒沢と同じだ。ここいら深く掘り下げるとミジメだからしない。だから、わからないってことにしてる。 ・自分を見せ付けられる。もしくは、自分の立っている場所が脆弱であると思い知らされる。そういった点での細かい描写はキリのように突き刺してくる。たとえば、カップル連れより、家族連れのほうが「痛い」ってこととか。 ・そう、そういった意味で、孤独に立ち向かおうとした黒沢はたしかに最強なのかもしれない。たぶん、人生最大の敵と戦おうとしている。多くの人は目をつぶってみないようにしてる(おれのように)ところに敢然と立ち向かってる。 ・ということで、これを読むといろいろとわかりますよ。多くの人に読んでもらいたい。そして、黒沢を笑ってる自分は、目をつぶってるだけじゃないのか?ってことを自問自答してもらいたい。 ・ちょっと大げさですね。 オススメ ・つまり、「しこたま」でいってたのはそういうことなんですよ。本作は8点の「先」があるんです。 (17:00:57) |
「つゆダク」4巻 朔ユキ蔵(小学館) |
・お。4巻にして、帯がなくなり、作者名がアラワになったな。メデタイメデタイ。 ・と、ストーリーも急展開だ。 ・人事部長を助けるために自らの身を投げ出して、その挙句、出向。場所はアイドル生産工場である、星之腰学園に赴任することになったのです。ま、基本的にやることは変わってないんだけどさー。 ・いや、ずっと感じてるんだ。朔ユキ蔵氏の悪意ってのを。いわゆる、エロコメを正面突破でやってるんですが、どことなく感じる、醒めた作者の視線。 ・それが、本作の場合、逆にいいところなのかもしれない。見本がありそうでない、パロディをみせられてるような感じ。 ・4巻の白眉は「死亡遊戯」パロディだ。各階にいる女子を自分がイク前にいかせること。コレ自体は、エロコメの元祖(になるかな?)である、「みんなあげちゃう/弓月光」をはじめとして数限りなくある。 ・ただ、珍しいよね。こういうベタなのも。そいでもって、「ベタだよなあ〜」なんて苦笑しながら描いている朔氏が想像できるんだよなあ。 ・で、3Fに登場し、4巻の表紙にもなったコがかわいいね。 ・まあ、相変わらず、マイサンは微動だにしないですが。 (18:12:14) |
「コミック星新一 午後の恐竜」VA.(秋田書店) |
・「ミステリーボニータ」という雑誌に連載されていた原作・星新一のショートショートをコミカライズしたもの。川口まどか、志村貴子、小田ひで次など9名。知らない人多い。というか、志村貴子、小田ひで次以外全部か。いわゆる、レディースコミック畑の人が多いね。まあ、しょうがないしょうがない。 ・星新一氏ったら、なみなみならぬ思い入れのある作家だ。今はどうか知らないが(多分、ライノベがその役割を担ってると思われる。おれらだと集英社コバルト文庫か)、趣味:読書の登竜門みたいなところがあったんだな。おれは自分で「発見」したけど、多くの人はおもしろいよとかいってすすめられたんじゃないかい? その、わりと初期っぽい代表作を9編。 ・思った以上に新鮮だった。 ・それぞれは、たぶん、まちがいなく読んでるものばかりであるが、長い年月で忘れてるのに、加え、それぞれのアレンジがおもしろい。原作は余計なものをすべて省いた文章なので、アレンジ具合がマンガ家としての力量を問われるワケであるが、案外とみんな忠実。唯一、クールで、説明を少なくした、ハードボイルドタッチに決めた志村貴子氏が光るといったあたりか。 ・でも、ベストは小田ひで次氏の「箱」かな。 ・これ、星新一氏が読んだらどう思ったろう?それが知りたいなあ。あと、「コミックキュー」あたりで、これパクレないかな? 朝倉世界一氏とか、小田扉氏の星作品コミカライズ読みたい。 (22:39:21) |
「ダーリンは外国人」小栗左多里(メディアファクトリー) |
・ガイジンと結婚した女性のエッセイコミックですね。 ・ま、感じは、けらえいこ氏の「あたしンち」以前の、夫婦生活エッセイコミックのパターンですね。出版社もそういや同じじゃなかったっけか? ・ダンナさんは、言語オタクらしく、日本語もべらべらで、日常生活は日本語100%ですごしているらしいが、そこはそれ、ガイジンとの生活はいろいろなちがいがでてくるわけで、そのおもしろおかしいことをピックアップしているというスンポウでさ。 ・たとえば、「踏切」が出てこないとか、ハトを数える基数詞を「100パト」といったり。映画のときにオーバーアクションだったり、親のリアクションとか、日本のなあなあ主義への不満、アパートなどの問題(マンガ家とガイジンってのはサイアクの組み合わせなんだそうだ)、笑いの感性のちがい、など、もりだくさんです。 ・通してわかるのは、結婚して生活すれば、男と女であり、パートナーであるんだなあということで、それぞれの生活習慣その他のちがいってのはいずれ、新しい2人のルールとして、飲み込まれ、機能していくんだなあとね。 ・ありきたりのことなんですがね。まわりまわってそこにたどりつくわけです。 ・そいでもって、絵がいいですね。非常にスッキリサッパリしてて、なるほど、マンガ内の分身のような感じなんだろうなあと思わせます。えーと、トニー(ダンナの名前)じゃないけど、おれも、小栗氏はちょっと干渉しすぎだと思います。一言でいうと「おせっかい」なところがあると思いますね。 ・で、あと、ダンナのガイジンっぽいコラム(日本語)もあり。こういう言葉は悪いですが、「いかにもガイジンの書いた」文章ですね。 ・おもしろかったです。ステキな夫婦だと思います。子供ができたら、またおもしろいことになりそうですね。 ・ただ、帯の「「立ち読みだけじゃ笑っちゃってだめだ!」と思って即買い!」はおおげさうそまぎらわしいでJAROに訴えられそうです。 (22:31:18) |
「浜山ペンタゴン」鹿嶋浩郎(あおば出版) |
・ハムスター4コママンガですね。 ・コンビニコミックっていうんでしょうか?雑誌のような紙質のコミックですよ。で、値段は380円。まあ、安いから買ったのです。 ・社宅の一家に買われたハムスター・ペンタゴンのノホホン生活ですね。人語をしゃべる(ただし、人間とは喋らない)。登場人物は宮崎弁を喋る。 ・で、まあ、微妙に本屋でスペースあるでしょ?そういう動物モノの4コマとか、ほのぼのショートを集めた作品。そういうのでの連載をまとめたものみたい。 ・やっぱり、ハムスター飼ってるんでしょうね、こういう人たちは。からだのアカを食べたら遠い目をしたり、フンを投げ飛ばしたり、なんでも口に入れてみたりとか、やっぱり、おバカなんですね。そういうことを知りましたよ。 ・で、本作、ほどよく擬人化されてて、どんぐりのコマ回し勝負したり、長老が杖がわりの爪楊枝で、ふすまに穴あけるのが趣味だったり、モグラと闘ったりしてます。 ・ほどよく楽しめました。宮崎弁ってのもミソですね。 (23:00:32) |
「駅前浪漫奇行」駕籠真太郎(太田出版) |
・駅前シリーズ第3弾。おれ的には、駕籠マンガの本線と思ってますよ。 ・とはいえ、シリーズは巻を重ねるごとにワケがわからんようになるなあ。 ・今回は、一応仮タイトルが「駅前印度」ということでもおわかりのように(わからんね)、世界各国を「奇行」するという形になってます。 ・もはや、1p6コマで、ネタを並べていくという、表現法も極北といった感じです。前からそうでしたっけ?思い出せないのですが。 ・英国からはじまって、独逸、印度、フランス(聖女)、ロシア(共産)、韓国などなど。ロシアなんざ、それで1冊出してるんだけどねえ。(「踊る!クレムリン御殿」) ・ネタとしては、その国を故意に曲解して、デフォルメして、逸脱するという、よくわからんことになってます。 ・たとえば、英国の場合、女とやりたい場合、手袋をぶつけて決闘。産業革命でバイブ大量生産。スパイカーはボタンひとつで選挙カーに早代わり(中でセクハラし放題)。 ・独逸の場合、すべてのものが分断されてる。壁ができる。 ・印度は輪廻ですべてのものが回転してる。あと、カレーと無抵抗主義。 ・フランスはジャンヌダルクネタ。火あぶり、神のおつげ。ロシアは粛清。韓国はビビンバを混ぜて食うことから、すべてのものを混ぜる。 ・それから、「宇宙」「未来」と倍率ドンでワケわからんことになっていく。いや、ほんと、ワケわからん。いい意味でも悪い意味でも。 ・大丈夫か?駕籠真太郎?いい意味でも悪い意味でも。 (23:50:38) |
「20世紀少年」13巻 浦沢直樹(小学館) |
・奥さん曰く 「やっとおもしろくなってきた」 そうです。 ・たしかに、分岐点であり、新展開でありました。 ・「ともだち」がまさかの暗殺。結局、あいつが「ともだち」ってことでよかったのか?って思いを引きずる。 ・「MONSTER」でもそう思ったし、本作でも何回でも思った けど、ウラがありそうでない。で、なんだと思ったのがえらい根が深かったりする。独自なノリがある。これがでもみんなに受けいられてる「通常」なのかなと思ったりもする。 ・このなんていうか、おれだけ「合わないなあ」と思う感覚は、ユーロビートが近い。 ・でも、ユーロビートと大きいジャンルを出したけど、その中にもいい曲はあるってこともおれはわかってるつもりだ。その感覚がまた浦沢作品と近かったりする。 ・だから、おれにとっては、「20世紀少年」はユーロビートの名曲って感じがする。 ・そして、思う。どうしたい?って。どう終わるのこれ? これも「MONSTER」のときに思った。そして、終わってみれば、もう、おれは「MONSTER」の記憶があまりなかったりする。たぶん、本作も同じだろうなあ。 ・でも、今はおもしろい。そんな感じですよ。 (00:14:05) |
「本秀康名作劇場」本秀康(小学館) |
・傑作。 ・拒食症になったのかと思うくらい、毎月やせていく「IKKI」という雑誌に連載されていたもの。毎号読みきりのオムニバスストーリー。 ・で、コミックは、それを並べただけだと思うだろう? ところがぎっちょんちょん。 ・あとがきによると、「サージェント式」を採用したのですよ本書は。 ・サージェント式てのは、なにかというと、ビートルズのコンセプトアルバムであるところの、「サージェントペパーロンリーハーツクラブバンド」的ということで、「バラバラの要素の曲たちに統一性をもったひとつのアルバムにするということですね。まあ、コンセプトアルバムがサージェント〜であるかどうかはともかく、そういうことですよ。 ・つまり、オムニバス読みきり短編で「IKKI」に掲載されていた本作は、この作品集になるにあたって、1つの作品になってしまったということですよお立会い。 ・ずっと、4コマのほのぼのマンガを描いていたマンガ家、「本秀康」が、担当女性が結婚するということで、その連載を止めて、「文学」に挑戦したのが本作です。そういうつくりになってる。だから、こういう言い方はちょっと失礼ですが、「つじつま」を合わせるための描き下ろしも多数収録され、1つの作品としての完成度は飛躍的に高まっている。タイトルもだから、作品のタイトルでありながら、マンガ内マンガ家の作品集のタイトルにもなっている。ここいらもサージェント式ではあるね。こういう細かいコダワリは本氏ならではだな。 ・で、内容が、また、それにふさわしいデキになっている。現時点で最良の本秀康作品が奇跡的ともいえるタイミングで収録されている。駄作一切ナシ。まあ、多少、ウエットかなと思うけど。 ・怪獣が現れた、でも、どうすることもできない男は、気分転換にストレッチをはじめる。そうしたら、その中のポーズが偶然、変身のポーズでスーパーヒーローに変身する。そして、怪獣を倒しにいくのだが…「かっこいいぞ、俺」 ・ひょんなことで1流企業の社長秘書にスカウトされた女性の最初に行ったことは、牛丼を買いにいくことだった…「愛する社長」 ・地球に遊びに来た宇宙人が、ふと、現地のコドモに見つかってしまった…「ホタル」 ・ラストを飾る、サージェントでいえば、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」に匹敵する大作「人生の夜明け」。 ・そして、その後の「リプライズ」。ほか、多数。 ・たとえば、「ホタル」のコドモが次の「若葉のころ」での吉村さんとラーメン屋の行列をまってて、それを「本秀康」に目撃されてたりするって細かいネタもたくさん仕込んである。 ・傑作。これ以外の言葉が思い浮かばないくらい圧倒的に充たされる読後感。 ・オススメ (20:25:25) |
「げんしけん」2巻 木尾士目(講談社) |
・ああ、そうか。そうだったのか。 ・1巻のとき、2巻の展開がどうでるか、不安と期待が半分まじってましたけど、よかったですよ。 ・前作「四年生」「五年生」とかにあった、「重い」のは無くしたんですね、それは正解だと思います。というか、おれはそれ肯定派。 ・と、まあ、大学のオタクライフギャグマンガですね。これはこういうので楽しめばいいんですよね?3巻でまた、ペロ〜ン(by上田(くり〜むしちゅう)from「銭形金太郎」)と換えるなんてないですよね? いきなりヘヴィな展開になりませんよね? ・そういうのだと見込んで、話をすすめます。 ・って、そう続かないんですよね。それぞれキャラが立って、役割が固まって、うまく動いてるねえ。だから、主人公の「妹」や、自治委員会のメガネっ子などの新キャラも安定してるんですよね。 ・ということでコミックオマケのエピソードその後4コマも含めて、普通に楽しく読ませていただきました。2巻読んだ今となっちゃあ、1巻は「説明」が多かったですね。「オタク」というのを異質なものとして、ちょっと距離をおいていた。それの視点担当として、非オタクの春日部さん(普通の大学生)がいたんですけど、ぼちぼち染まってきてるからねえ。そこいらの境界線がなくなってきたのが、逆にいい感じですね。 ・コミケの骨折話とぷよぷよのコスプレの話が好きです。 ・おもしろいですよ。でも、ここまで徹されると逆にちょっとアレだったりとか。まあ、サジ加減なんですけど。 (00:04:02) |