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ポトチャリポラパ/コミック/2003年
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2003年/2月
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2003年/2月/28日
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「黄泉秘事録」櫻見弘樹(ビブロス)

・100円中古モノです。奥付けは1995年ってえから、8年前ですね。これがエライ名作でしたわ。おれ、個人的には2003年からの新参櫻見弘樹ファンなんだけど、これがベストじゃないかと思うくらい気に入りました。

・少年(小学〜中学ってあたりか)がイワクありげな聖書の封印を解くとそこからは美女(黄泉=ヨミ)が登場、なんでも望み通りにといいますが、まだ解けてない封印があったために、魔力が足りない。で、SEXと。

・え、新参のファンですが、どうも、櫻見氏ってマジメみたいですね。コメディに走りきれない。上記の設定なら案外と前例もその後もみたことあるようなモノです。いくらでもスチャラカにいけるパターンですよね。
・でも、櫻見氏は、そのストーリーをヨミの封印を解くということに主眼を置いて展開していく。ま、エロマンガだから「ノルマ」は入りますが、それも魔力を得るための「必然」ではあるからね。

・で、1冊でこれがすばらしくまとまっている作品になっているのですよ。
・クライマックス〜ラストあたりの展開はスケールの大きい「ラブストーリー」になっているのです。泣けますよ、真剣に。

・まあ、案外と弱点であると思いますが、エロは弱い人なんですよね。エロ描写はちょっとダメ的。もう1人のエロ要員である悪魔の「あくびちゃん」なんか、総てに渡って弱いし。だから、「LUST」でも描いたとおり、エロ抜きのビシッ!ってのが読んでみたいところです。櫻見氏なら「暁星記」や「空談師」に負けないものが描けると真剣に思ってます。

・と、絶版みたいですけど、みつけたらどうぞ。古さはないですよ(ちょっとウソ)。
(15:53:00)

「こちら○○ゲー製作 有現会社!!」O,RI(メディアックス)

・社員男1人にあと4姉妹のソフトハウスのマンガ。で、4人丼と、マンガにしてもマンガすぎじゃねえかよ!ってツッコミたくなるような。

・奥付け1999年ですけど、それよりも前の話みたいで、「ウインドウズに参入する?」みたいなセリフが時代を物語ってます。まえはPC98買ってエロゲー三昧というカタチでしたものね。

・で、フォトCDつくるといっちゃハメハメ。恋愛SLG作るから、今度はSMモノ、売れたからボーナスって3Pとか、そういう感じで、ユルく、エロく展開してます。

・あっさりした線でありながら、ちゃんと4人をきっちりと描き分けしております。顔、髪型はいうにおよばず、性格や体型もきちんと描き分けてます。実際、これに男と5人しか登場しないマンガでありますし、それがイノチではあります。

・ストーリーはないですが、不快なものを一切いれていないので潔くエロに集中できます。
・しかし、普通、この環境だったら男は死ぬと思いますし、仕事なんてやってらんねえと思うのです。
(16:15:00)

「爆裂牛乳」ITOYOKO(富士見書房)

・有名な人ですよね。たぶん、なにか買ったハズなんだけど、あまりおもしろくなかったので、その後、縁のなかった人。でも、本作はよかったな。

・大企業のオーナーである金髪少女が、突然家にやってくる。で、アメリカにいってるオヤジの仕事をタテにいきなり手込めされる少女。その後も、続々「調教」されるって感じ。

・で、一見、その手のSMモノかと思いきや、タッチはあくまでコメディであっけらかんとしている。ここいら出版社のカラーなんすかね。そのうちあらぬほうに物語が動いていくんだわ。

・わりと作者的に過渡期だったのか、持ち味なのかわからんけど、絵が安定してないような気がします。ただ、それが興を殺ぐってこともないんですけど。

・ああ、富士見書房って感じです。どういう感じかよくわからんが。
(16:38:00)

2003年/2月/27日
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「空談師」2巻 篠房六郎(講談社)

・こりゃ、近いうちに通して読まないと、置いていかれるな。
・ということで、2巻目になり、さらに物語がヒートアップ。

・舞台はネット世界。ものすごい大掛かりで進化しているネットRPGの世界。そこでの出来事を描いている。場所によって、いろいろなパターンがあると思われるが、ここでは黒と白の属性を持つもの同士が定期的に殺戮しあう街。
・今のネットRPG、MMORPGに通じる世界でありながらも、圧倒的にできることが増え、その世界を現実としてとらえてるため、どこにもないマンガになったのです。
・近いのをいえば、西部劇のテーマパークで死に役のロボットが暴走して人を殺しまくる、「ウエストワールド」が近いかもしれんか。どこにもないけどたしかに存在している世界。
・たとえば、全ての人はメールや通信機能によりいながらで遠距離の人と会話ができる。それぞれ、「ジョジョ」のスタンドのような能力を持っている。魔法が使える。殺し合いができる。死んでも死んだことにならない。ゲームの中の1キャラが死んだだけだからな。
・ということが顕著なのは、そういうシーンというよりも会話。絶対にありえない種のやりとりが行われている。
・そしてそれが極上の世界を作り上げてる反面、かなり敷居を高くしている。なぜなら、そのシーン、会話などで、いつも、「これはネットでのゲームの世界の会話」ということを意識しなければならないからなあ。でも、それこそがまたおもしろさの理由にもなっていると、かなり痛し痒しな、あるいは、肝の据わったことになっている。

・「ジョジョ」的とはいえる。ジョジョもたぶん今はじめて読む人にはアタマおかしいとしか思えない世界だから。

・まあ、ここいらのサジ加減というか、仕様が、「プロ向け」なんだよ。なんのプロかはいわないけどさ。

・だから、万人に薦められるものではないんだけど、おれは属性が合うもんで。とてもおもしろいのですよ。

・ただ、「アフタヌン」を毎月買ってたら、コミック買わなかったかもしれない。それは「ジョジョ」もそうだろうけど。1回何ページのブツ切りで読んでたらストレスが溜まってたろうなと思う。
・だから、いつになるかわからんけど、キッチリ終了してからイッキ読みされるのが、本作の場合ベター。
(18:04:33)

「種男」1巻 間宮聖士(日本文芸社)

・エロマンガですね。1話読みきりで、種男という粗野で野卑な男が主人公。で、毎回ちがう女性が半分レイプみたいなカタチで種男に犯されるというもの。

・種男のモノがデカイので、「ああ、こんなのはじめて」現象が起こり、結果、和姦になってしまうのですね。業界用語でいうところの「ほのぼのレイプ」ってやつですね。

・で、種男は必ず中出ししますが、そのレイプをきっかけとして、基本的には女性の運は向いてきたりするわけですよ。

・絵柄がいわゆる「エロ劇画」なんですが、これ、全面CG使ってますね。なるほど、エロ劇画+CGだとこうなるのかということがわかりますわ。

・で、問題はこれがいやらしいのかどうかということなんですよね。どうなんでしょ?(聞いてどうする)

・今のマンガとCGってのはまだ出会ったばかりだと思うんですよ。まだお互いに歩み寄りが必要だと思う。ましてエロは!ということで、まだ、エロ劇画では、文字通りの「肉筆」のほうがおれ的にはイケるぜ!って感じですかね。まあ、エロ劇画というより「エロ」全般っすか。おれ、CG処理の妙にツヤツヤしてるのは、これぞCG(もしくは背景画のスクリーントーン)でございってのにはシラけるタチなんですね。
(19:03:23)

2003年/2月/26日
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「暁星記」3巻 菅原雅雪(講談社)

・2部「奈落」編完結。なぜに、ここまでコミック化が遅れたのかと思いますが、1,2巻が出たときの遅れっぷりに比べればなんもなんもですね。

・大未来の木星を舞台に繰り広げられている「もののけ姫」みたいな話。という味も素っ気もないあらすじを書けるおれって勇気あるなあ。

・3巻では、ヒルコが拾われた村が突如襲われて壊滅。そのころヒルコは市場で顔を売っていた。と、いきなり物語が動きはじめます。なんとなれば、ここまでがグランドプロローグというカタチとしてもいいくらいですが、そうすると終わるころにはわしゃ還暦じゃよフガフガ。

・物語ではそんなに日数が経ってませんが、実際の時間は異様に経ってる。しかも、間があきつつ、だから、毎巻微妙に絵がちがうんだな。基本はいっしょってのがあるがな。
・そいでもって、主役のヒルコの変化がすごい。マッチョで、無敵でありながらも少年といった難しい役どころではあるんですが、作者は場面によって描きかたを変えることでそれに対応という手段をとっているので、その傾向に拍車がかかっている。
・3巻においては、56p、121p、168pと、ピンポイントでみると同一人物とは思えない。でも、流れで読むと同じ人物なんですね。
・これ、マンガにおいてはアタリマエなのですけどね。

・3巻ではそいでもって、各キャラの表情がスバラシイですね。とくに囚われの身になったマユミがそれでも意地張ってツツジをかばったときの表情はすごいです。こんな絵、描けそうで描けないと思いますよ。圧倒的なスケールとか世界観ばかりに注目されがちですが、こういう土台がどんどんしっかりしていくから生まれるリアリティというのも見逃せないところです。。

・もう、コミカルとかそういう線は捨て去った感じですね。前にあったホッとするシーンなんか描いてる余裕がなく、どんどん重く深くなっていきますね。
・たぶん、1人でなにもかにもやってるような気がする。それがこのスローペースなんだろうが、アシをもうちょっと雇ってスピードが上がらないものかなと思ったり。早くつづきが読みたいんだよ。
(23:35:27)

2003年/2月/23日
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「美女で野獣」2巻 イダタツヒコ(小学館)

・女子高生「女闘美」コメディの2巻目。
・借金返済のために日夜、映画館地下のアリーナでどつきあう女子高生たちのドタバタマンガ。

・今回は地下アリーナを飛び出してけっこう出張版が多かったなあ。特撮ヒーローショーとか、ジャングル風呂でバトルロイヤル、新幹線で殺し屋と丁々発止と、盛りだくさんでございましたよ。

・女の子はかわいいし、アクションはスゴイ。随所に映画カンケイの小ネタをはさみ(巻末に解説がある)つつも、手堅いツボを押さえた作りでございますよ。

・安心して楽しめる娯楽作。その完成度は2巻でも高まった。

・このマンガはワンパターンこそ華と思うんで、このパターンをヘンに変えないほうが吉と読んだ。
(22:44:05)

「LUST」櫻見弘樹(大都社)

・短期集中2連発の作品集。ああ、エロですよ、読者さん。

「GODS」
・シリアス路線。近親相姦モノですね。兄妹ですね。このパターン、意外とありますね。

・妹を理想の女性としながらも、できないために他の女性と遊んでは捨てしてる男。その男に謎の女が現われる。
・って、なんだか、言葉足らず。んー、わかるっちゃあわかるけど、もうちょっとわかりづらいような。
・もうちょっと説明が欲しかった。深みのために1回分ほど足りない感じ。

「しっぽの仕組み」
・これは同名書がありますね。解説によるとその2巻という位置付けです。はじめてこれだけ読むとちょっとわかりづらいかもしれませんね。

・アタマのよくなる薬を飼い猫に投入したら美少女になっちゃった。その続編ですね。

・こっちのほうも、前巻(一応2巻ってことですし)に比べてややシリアスな展開ですね。ほのぼのした味は残しつつも、「しっぽ」(美少女になった猫の名前)を軸に話がでかく展開してハッピーエンドに収束します。そこまで追求するか!ってぐらいの「ハードSF」になってます。ほんとか?

・櫻見氏の「ポインツ」と思われる着衣エッチも豊富だし、女性のシズル感も強くなった。これはけっこう大きいような。あと、やっぱり、かわいいね。このかわいいってのは「けなげ」とか「はかない」って感じの。まあ、だから、兄妹ネタが好きってのもやっぱり、そこいらの女性がポインツだからなんだろうなと思ったりする。妹は「けなげ」で「はかない」もんですし、それゆえに「守らなければ」という気になりますものね。

・えーと、落丁がないですかね?「番外編2」は2pと3pが逆でしょ?

・うまい作家ですよね。なんか、構想*年の大作を暖めていそうなんで、小学館の「IKKI」か「サンデーGX」あたりで連載をさせたらどうだろう?と勝手な提案しておきます。
(23:42:43)

2003年/2月/21日
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「冴木さんってば…」安田弘之(太田出版)

・安田弘之の寄せ集め的短編集。デビュー前のイラスト集からはじまって、ギャグ、麻雀、ほのぼの4コマまで。幅が広いようなせまいような。

・「IKKI」に掲載された、一番マンガっぽい、クラス1の美少女に憑いてる守護霊がまるでオヤジだった「守って!愛しの玉子様」
・正統派ショートギャグ。連載誌がつぶれたためにポシャった「久三さんどっこいしょ」
・表題作が未発表作ってのもアレだよなあの、連作集(未発表なのに)「冴木さんってば…」。冴木一家の出来事。後の「ショムニ」ほかに、すべてつながってる。
・格闘技好きのウサギさんと、エロいカッパさんのほのぼのとした物語「Fighter日記」。
・麻雀マンガ「おっちゃん」
・パパがウサギ(ほかは人間)のほのぼのファミリーギャグ「ラビパパ」
・安田氏としてはめずらしいド真ん中のエロシーンがある「20歳に聞きました。」

・こう、読むと、安田氏は本当に女好きだなあと思う。彼は女性崇拝という意味ですべて好きみたいな世界ですね。オマケである風俗情報誌の女性の似顔絵が延々続いているのはそういった意味じゃ究極。線に愛を感じますね。

・あと、女性がでてこない「ラビパパ」「Fighter日記」も意外にイケるなあ。これ、うまくハマって大ブレイクとかしないかなあ。

・ということで、意外なほど楽しめました。
(23:28:57)

2003年/2月/20日
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「家政婦が黙殺」篠房六郎(ビブロス)

・「空談師」の作者がエロマンガ誌に連載していたころの作品集ですな。
・でも、本編やあとがきでも何度かネタにしているほどエロじゃないです。
・まあ、ギャグマンガといってもいいんじゃないかと。駕籠真太郎氏がギャグマンガ家ってのと同じニュアンスで。

・奴隷のメガネッ子とそれをいたぶることに無上の喜びを感じるお嬢様のコンビシリーズ。まあ、「家政婦」シリーズになんのか?

・ヤクザの「ときメモ」な「男一発六尺玉」

・ほかいろいろと盛りだくさん。
・上記の男一発〜に代表されるように下ネタ+ギャグ+パロディというブレンドが多いですね。中年のオッサンが魔法少女の力を持ったり(で、(借金のため)ヤクザに事務所に連れてこられたところで、組長ほかの面々の前で変身して魔法を使ったりする)。

・このギャグの切れ味がすさまじい。ものすげえ衝撃度。おれは何回か爆笑してしまったよ。とくに「思い出の人」での「時間経過を表すコマ」では腹筋が痛くなるくらいだった。
・と、このギャグが埋もれるのはもったいないよなああ。「空談師」とかじゃあまり生かされてないしなあ。

・あと、絵的にはやはり思ったとおり、高寺彰彦氏の影響があるなあ。前にもいってるけどさ。
・本作でいえばp136の1コマ目の処理とかな。

・いや、すばらしい。去年の6月の奥付になってますね。知りませんでしたわよ。中古400円で買って申し訳ない気分でいっぱいです。
・謹んでオススメと。
(14:45:13)

「魁!!クロマティ高校」6巻 野中英次(講談社)

・6巻のサブタイトルが「零点・家出編」ということで、なにがなんだかわかりませんが、グッズはあちこちでみかけるし、ゲーム化するしで、ものすごいことになってます。空前のブームですか。
・うむ。いろいろな点で手堅い作りになってますね。堅牢という言葉がしっくりくるかな。ビクともしないおもしろさがあります。

・今回はたぶん、もう出ないであろう新キャラ・高橋秀樹やアザラシのアラちゃんなど出てますが、そういうのも「思いつきでだしてみた」というギャグになるのがすばらしく堅牢です。

・今回メカ沢が喋らなかったことと、ゴリラの出番が少なかったことが気にかかります。それくらいですよねでも。
(14:54:08)

2003年/2月/18日
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「歯車競争」長田裕幸(河出書房新社)

・短編集。これ読んでやっと気づきました。「トト」のときには気づかなかったのですが、彼は「MAGARA」を描いていた人なんですね。うーん、なぜ気づかなかったのだろう。

・元(峠の)最速男が警官になる「109」(全3話)
・峠の走り屋と軽トラで勝負する「RALLY ART」
・バスの中だけで話が進行する「JACK」シリーズ
・鉄砲玉が持ってた暗殺用GLOCKとサバゲで買ったGLOCKが入れ替わる「GLOCK」
・あと、写真(シュミみたいです)、アニメ用絵コンテなども。

・疾走感がありますよね。どれもこれもよく動く。宮崎アニメ的な動きというか。そして、それは、ありきたりですけど絵の巧さですよ。

・そいでもって、なんていうか、「ヤンマガ」フォーマットな話が多いですけど(掲載元がモロそうだからですね)、それはそれでうまくこなしてる。とくに「JACK」シリーズはわりに後先が読めないネタでよかった。もう3回くらい膨らませてもよかったんじゃないかい。

・弱点は、人とナリがもうひとつ描けてないような気がしましたかね。キャラが立ってない。魅力が薄い。まあ、それはムリからにひねり出した「難」なワケで、無視していただいてもけっこうですけど、そこいらを補強するとさらにいい感じになるとは思いますよ。あと、女性がでてきませんね。これらの短編集には女性があまり登場してない。

・いや、ブレイク寸前でしょ。なんかの拍子で一気にスターダムへって感じの人です。あまり類似点もないんですが、なぜか、尾田栄一郎氏を連想しますし。
(14:57:07)

2003年/2月/15日
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「少女、ギターを弾く」2巻 朔ユキ蔵(ワニマガジン社)

・まだ続くのですね、の2巻。衝撃はすごいが一発ギャグみたいな世界だったので、2巻以上は続かないだろうと思っていたが、普通に「つづく」になった。

・彼女自身と彼女の弾くギターが徐々にセカイ(あえてカタカナ)を変えていく青春バンドマンガ(毒電波とエロ入り)ですね。

・少女は、ギターを弾き、まわりを巻き込んでいく。この図式は曽田正人氏(「め組の大吾」「昴」)にちょっと似ている。

・元セフレ(というか生バイブですか)のボクもボクの恋人の巨乳のメガネッ子も彼女のギターと毒電波にやられてどんどんおかしくなっていく。あと、なぜか、同居しているギターショップの店員兼バンドのメンバーもおかしくなっていく。

・元セフレのボクと同居のバンドのメンバーの区別がつかないなあ。

・ま、ともかく、彼女のカリスマ性はいよいよ高まってるワケですよ。
・そして彼女は「誰も私に感情移入するなよ」と屋根の上で下半身まるだしでつぶやくワケですよ。ほとんど「デロリンマン/ジョージ秋山」じゃないか。

・とはいえ、インパクトは1巻よりは弱まったかな。コッチがなれたかというか。相変わらずギターの音が聞こえるマンガではあるんだけど。

・読みきりもよかったですね。「つゆダク」で描いてないものをこっちで発散させているって感じかな。

・あと、あとがき+あとがきマンガがあった。もしかして、こういうのはじめてじゃないかい?
・うむ。がんばってんなあと。
(17:46:34)

「渚 NAGISA」3巻 竿尾悟(少年画報社)

・完結巻でしたね。
・オッパイにはじまり、オッパイに終わる、ライフセイバーマンガ。

・作者自身初の「普通」のマンガらしいですが、こんなにオッパイばかりでてくるのは「普通」のマンガじゃないですよね。
・健康的なお色気なんてな便利な言葉あるけど、本作は健康的にもほどがあると思った。必ずオッパイがボーンってシーンがあるけど、作中で「もー見なれてもーた」なんてセリフがあるように、コミックで通すと「くどい」というか、飽きる感じです。「機工魔術士」1巻 河内和泉のほうが、モロのシーンがないのにイヤらしいくらいで。

・これ、でも、Vシネマになったら借りそうだなあ。やっぱ、実写だとね。
(17:56:07)

2003年/2月/11日
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「(株)〜かっこかぶ〜」1巻 渡辺電機(株)(集英社)

・渡辺電機氏といえば、「ファミ通」関連、もしくは、悪い子の「ファミ通」である「ゲームラボ」関連と、ゲーム業界系のマンガ家(桜玉吉、ゾルゲ市蔵他)の流れかと思っていた。
・たしか、アスキー(現:エンターブレイン)の著作を買って「こんなもんか」扱いしていたと思った。
・ところが、この2巻が出たとき、表紙がなんだか魅力的でね、気になっていたんだ。でも、4コマ系は巻ごとのインターバルが長いんで、最新巻がでたころ前巻は影も形もなくなるなんてことはちょいちょいある。ま、本屋のスペースにも限りがあるからなあ。

・で、本作。サラリーマンショートギャグ。1p8コマ1話。サラリーマンギャグってのはそれこそ星の数ほどでてますよね。星の数ほどでてるだけあって、同じ「サラリーマンギャグ」とくくるにはムリがありすぎるほど。なんとなれば、「島耕作」シリーズもサラリーマンギャグに入れてる人もいるくらいだし。

・「(株)」は、キャラ重視ですね。とくにOLのキャラが立ってるのが特徴かな。
・お茶さえ入れればいいと思ってる桜沢(聖水プレイ風にお茶をあげたりする)、素手なら誰にも負けないヴァイオレンスOL梅宮、バイトでスナイパーやG1ジョッキーをやってる桃川、影の薄いしのぶ(なぜかこのコだけ下の名前な)、ずっと全裸で通している全裸OLの長谷川。

・男は仕事は天才だけど女グセの超悪いやつ、普通のダメサラリーマン、猫、女のアソコについて興味津々の新人、そいつらに振り回される課長(常識人)という布陣。

・で、おもしろおかしくやってるわけですよ。女性がカワイイということをおれはイチバンいいたいところですね。
・とくにお茶くみの桜沢さんがステキです。「お茶が熱い」とクレームつけたら口移しで飲ませてくれるんですよ。そんなOLいたら会社いくの楽しみになるわなあ。

・本作はそれでいて、「サラリーマンギャグ」の「サラリーマン」というところがいるのか?という感じもしますね。かなり程遠いし、なんとなれば、課長を先生、部下を生徒、社長を校長にした学園ギャグでもアリなネタが多いです。

・好きなネタ。
酒の席で新人がマイクをつかんで、
「女のあそこってどこにあるんですか〜?」
すると、困った社員が「ここに」と、OLの股間を指す。
「ここかぁ、ここにいるのか。お〜〜〜い」
新人がよびかける。
すすと、OL(梅宮)が腹話術で
「は〜〜〜い」と応える。

・まあ、こういうマンガですよ。
(15:49:36)

「(株)〜かっこかぶ〜」2巻 渡辺電機(株)(集英社)

・サラリーマンギャグ2巻目。
・2巻目はOLのキャラがさらに立つ。やっぱ、好評なんだな。でも、全裸OLは使いようがないのか出番ナシ。

・そのかわり、猫社員の借金を取り立てにくる「ミナミの帝王」風、接待を暗に要求する他社のスケベ社長。ああ、この会社の社長の変態っぷりにも磨きがかかったな。女装して夜の会社を歩いたりするんだ。

・1巻のあとがきでMAC作画って書いてありましたが(しかも、スパークスを引き合いに出してた。作者はやるな)、その加減か妙に線がかすれて読みにくいのがあった気がしました。
・あと、キャラに頼ってるネタがちょいと多くなりすぎですかね。

・でも、問題はそれくらいで、2巻での成長っぷりはなかなかです。オマケのエッセイ風コミックもダークネスな日常を窺い知れてグーですし。

オススメしとこ。3巻はいつでるかわからんし。
(15:59:01)

「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」15(78)巻 荒木飛呂彦(集英社)

・ようやっと、いろいろとみえてきた巻かなあ。とはいえ、ウェザーリポートのスタンドの種明かしはムリがありすぎじゃないでしょうか?さすがにキツイなあと思いました。

・イマサラですが、もうちょっと刑務所脱出にいろいろあってもよかったんじゃないでしょうかね。だいたい、「通常」のクライマックスに向けて動いている感じです。

・んー、次回はもうちょっとシンプルなほうがいいかなあ。ワケのわからなさはシリーズ最高ですよこれ。
(16:04:20)

2003年/2月/10日
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「カラブキ」1巻 中川いさみ(小学館)

・かなりの変形版型ですよね。マンガ新刊コーナーをつぶさにチェックしている方なら、イヤでも目につくカタチ。これはどうやってこの大きさを説明したらいいんだろう?CDケースを一回り小さくした感じ?文庫サイズが近いけど、横長だし。
・と、思っていたけど、カバーを外して謎が氷解。これは掃除機のゴミ袋パックの大きさなのか?
・あと、カバーのオモテ見返しがぐるりと本を回りこむカタチになって、シールが貼られていて、おいそれと立ち読みできない仕様になってる。まあ、本屋もこれにビニールするの大変だろうしなあ。

・総ページ500p。とはいえ、見開き2pで4コマ1本というスタイルだから、読み応えありすぎ!ってほどでもない。ちなみに装丁は祖父江慎。変装丁の重鎮ですよね。「伝染るんです/吉田戦車」をはじめ、数々。おれはなぜか、彼はしりあがり寿氏と同一人物だと長いこと思い込んだんだな。なぜだろう?んま、白泉社のしりあがり作品も多くてがけてらしたしな。

・んま、内容は「中川いさみ」でしかないんで。スピリッツ連載の前作「大人袋」が一応「サラリーマン」というシバリがあったのだが、本作はそれすらない。一応、「カラブキ」ということで表紙には雑巾を持った「何をするかわからない星人」がいるけどね。

・ほかに恒例の変キャラシリーズでいえば、ちょっと下ネタの「大きなお世話仮面」、大喜利の司会「金玉おやじ」、おずおずしながらズケズケとものをいう「レポーターちゃん」、なぜか1巻通して出ずっぱりの「マコスケくん」「ヒゲヅラくん」など。ああ、今回、主役にあたる人がいないんだね。

・中川いさみ氏の特長は世界一おもしろい1コママンガということで、「カラブキ」では「世界の珍しい〜」シリーズ。これがかなり秀逸でした。「世界の珍しい家具調コタツ」「世界の珍しいゴッドハンド」が笑ったな。

・いや、個人的には吉田戦車氏より、中川いさみ氏のほうが変形版型が似合うと思いますね。
(14:12:29)

「踊る!クレムリン御殿」駕籠真太郎(平和出版)

・おなじみカゴちゃんの変態猟奇ワールド。今回はソ連を舞台に繰り広げられてます。

・ま、社会主義国家だった、ソ連をね、カゴワールドに落とし込むと、そんな具合ですよ。これが第二次世界大戦時の日本だったら、「輝け!大東亜共栄圏」になると。

・ソ連に関する知識を意図的に曲解し、それを笑うと。

・で、上記2つを組み合わて、ロシアンルーレット全国大会、スターリンが大活躍する暴れん坊閣下、悪のネオナチに改造されたが、正義の心に目覚めたゴルバチョフが活躍。、世界各国のゴルビーが野球をするゴルビーズ(これネタ元わからんやつ多いんじゃないかい?)、歴代革命家が戦う「ボルシチファイト」等。

・んー、実在登場人物が出るっての、案外とカゴ氏には珍しいかもしれない。そして、そのことでとんだ欠点が露呈。「似顔絵下手」。これは大きいぞ。まあ、スターリンの似顔絵なんて似てても似て無くてもカンケイないじゃーん!って気もするけどさ、似てないものは似てないや。
・あと、こういうわかりやすいパロディもあんがいと向いてないような。

・あまり、似顔絵カンケイないネタがおもしろかったですかね。それでも、全体的に唐沢なをき風味が感じ取れますね。

・薄味なんで初心者向けかもしれませんねえ。スカトロとか少な目だし。
(15:19:11)

2003年/2月/9日
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「狂四郎2030」15巻 徳弘正也(集英社)

・理想郷編完結と。帯裏にいろいろと「**編」の遍歴が書いてあるんだけど、なにげに長いんだね。こうやって長くなる方針なのかな。

・んま、毎回手堅いんだけど、今回のはかなり苦しんだってなことを書いてました。苦いオチ(ま、これも毎回なんですけど)であった。いくつかラストパターン考えていたそうですが、ほかのがどうか知りたい感じ。まちがいではないですけど、参考ってことで。

・で、その後ですよ。ついに、狂四郎は北海道上陸してしまったな。と、ラストに向けて収束しているとは思います。個人的には甘いですけど、ハッピーエンドにしてほしいなあ。
・あ、それにむけての伏線も貼られていたな。ちょっとトートツだったけど。
(23:27:14)

「無敵看板娘」2巻 佐渡川準(秋田書店)

・あー。もういいかなーと。

・ラーメン屋の看板娘。ま、やることなすことムチャクチャやる娘。ライバルの向かいのパン屋のカバン娘に、幼馴染のトナリの八百屋。

・絵の向上が目覚しく、キャラもすごいよく動く。そしてかわいい。でも、「もういいかなー」って思っちゃったんだな。

・なんとなく中途半端な位置で落ち着いてるので、なんとなく見切れたんだよなあ。ここで安定してどうする?って感じでさ。

・おれは完成度の高いマンガってのも好きだけど、次がどうなるかわからん、先が見えない、ってマンガのほうがどっちかというと好き。

・パターンが見える。これはあることですよね。個人の持つ「引き出し」ってのは有限であり、その中でやりくりして、ちがうものを出すのが「新機軸を打ち出す」ってやつになる。
・で、作者が好きってのはそのいくつかのパターンが好きかどうかになるわけで、本作はおれにとっては「きらい」ということになる。

・もうしわけないですけど。サヨナラということで。
(23:45:43)

2003年/2月/8日
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「機工魔術士」1巻 河内和泉(エニックス)

・富山市一アレな本屋のイチオシポップがついていたので、「ものはためし」で買ってみました。じゃないと、おれが買う要素はまったくない。タイトルといい、出版社といい、表紙の絵といい。

・これがおもしろい。なるほどイチオシポップは伊達じゃないなと。

・トナリのおねーさんが自分の学校のセンセイになり、生徒とセンセイという立場から悶々としているハルヒコのもとに、おねーさんそっくりの悪魔が降臨してきた。そして、化け物も。そいでいきなりはじまる戦闘と。
・なんでも、ハルヒコは稀代の魔術士フルカネリにそっくりで、悪魔のユウカナリエはハルヒコの身体を奪って、フルカネリの魂を入れようとしてつきまとう。

・と、まあ、「うる星やつら」形式になるわけですよ。で、主に学校を舞台としてドタバタアクションコメディになる。

・このユウカナリエとそっくりのセンセイ。同じ顔でがらっぱちとおしとやかって、正反対のキャラづけ。で、ユウカナリエさんがまた奔放なんですね。まあ、セクシーな服着て、おねえさんならではのドキドキ発言やポーズをとったりするわけなんですよ。

・このエロのライン引き。乳首モロはナシ、ハルヒコが触るのもナシ、これ以上も当然ナシ。ここいらのラインをわかってらっしゃる。あとがきマンガでも描いてますね。
引用

触れそうで触れないキョリ感が切なさですよ

・というライン。それに加えて、「おねーさん」というのもポイント。おねーさん=経験豊富、教えてア・ゲ・ル的な挑発的なセリフ。これらが相まって、うすく悶々とさせるわけですよ。

・絵はいい意味でも悪い意味でも万人ウケのするもので、すげえいい絵!でもないし、この絵サイアク!ってのでもない。それと基本的にサッパリしてるんですね。だから読者を選ばず度は高いかと。これなら、小2のうちのガキ(女)に読ませても大丈夫だろと思うし(おもしろいおもしろくないかは別として)。

・アケスケなエロももちろん好きなんだけど、おれはこういうのもけっこうというか、だいぶ好きなんだなあということがわかりました。だって、本作、それ以外の要素はおれが嫌うコトガラばかりだもん。ビシッとスジの通った、作者のエロポリシーがこの作品の完成度を高めてるのですよ。

・このエロポリシーってのは最近、表現者には必須ではないかと思ってきているおれだ。それはエロマンガのみならず、いわゆる幼児向けとかでもそうだ。
・たとえば、藤子不二雄Fと宮崎駿。彼らはロリコンだ。それが作品にえもいわれぬエロをかもし出しているではないか。そいで、まあ、実例をあげると、「風の谷のナウシカ」。このナウシカさん、実はけっこう巨乳であるけど、そういう視点ってあまりみかけられないでしょ?それはナウシカさんの胸に宮崎監督はほとんど興味がないからなのですね。
・つまり、そういうことです。なんだか、軽く名誉毀損してるような気がしてきましたが、そんなことイマサラですね。

・ということで、本作、エロポリシーがビシっとしてて読んでて楽しい作品に仕上がってます。オススメは2巻以降で判断しますが。
(13:01:52)


「苺ましまろ」1巻 ばらスィー(メディアワークス)

・池袋や渋谷のカラーギャング風にいうなら「超ヤバイっすよ」って感じか。本作で引用するならp128の4コマ目だにゃ。

・ええと、小学校高学年の仲良し3人組と中の1人の高校生の姉がおりなすホノボノショートマンガ。

・あずまんがフォーマットですね。こうみると「あずまんが大王」ってのは一種の発明だったのかもしれない。あえて、こう表現しますが、オタク向けでありながら、そういう適性のない人にも違和感なく読める。そういう線を狙ってますね。あちこちほころんでますが。

・だいたい、その4人でダラダラと遊んで過ごしてるワケなんですよ。キャラとしては、ヘヴィスモーカー(高1でだぜ?)の姉・伸江、その妹でわりあいと常識人の千佳、お隣りさんでトラブルメーカーの美羽、お近所さんで、よく泣くメガネッ子の茉莉(まつり)と。で、海行ったり、外で遊んだり、お泊り会したりするわけですね。
・お、男の登場人物ってこの巻全部(あとがきマンガも含)でも10コマ以下な。ほとんどすべてが彼女ら。

・と、これも作者のエロポリシーが如実に現れてますね。


…子供が描けりゃ何でもいいんだ


・と。非常にわかりやすいことになってます。そして、それは非常に大きい恩恵をわれわれに与えてくれます。3文字で表現しましょう、「萌える」。

・いや、おれってロリ?ってカンチガイするほどですよ。ま、素質はあるんでしょうな。

・だけど、あくまで、作者の視点は「少女」全体に向かってますし、それでいてそれにばかり気を取られているわけでもないし、エロな視点は女性同士でやる「イタズラ」って線で収めてます。たとえば、水着の紐をとったり、スカートをめくったり。

・え、冒頭であずまんがフォーマットとか書きましたが、奥さんウケは悪かったです。このフォーマットで成功するのは難しいみたいですね。(奥さん、「あずマンガ大王」はバッチリでした)
・ま、大きいお友達ならバッチリじゃないすかね。
(14:52:35)

「ジジメタルジャケット2「ザ・デルタ」」泉昌之(ブルース・インターアクションズ)

・「ジジメタルジャケット」の続編。前回はヘヴィメタルだったが、今回はもうシュミ全開のルーツミュージック。ブルースですか。
・これがマジで全然わかりません。ネタとか。でも、おもしろく仕上がってますし、前回よりも波乱万丈なバンド物語になってますね。

・そして、前作でジジメタルのメンバーにホレこめば、わからなくてもノープレブレム。非常に楽しく読むことができました。

・こう、バンドで演奏しているって感じが非常に巧いんですよね。ライブシーンの迫力なんざ、そこいらのバンドマンガにゃあ、およびもつきませんぜ。「Beck/ハロルド作石」よりすごいかも。

・久住氏はバンド歴ものすごいし、メジャーでリリース経験あるし、泉氏はものすげえコレクターだからな。音に関する造詣はたいしたもんですよ。そして、その肝もガッシリと捕らえてる。その両者の音楽マンガがつまらないワケがないんでね。まあ、かなり深くつっこんだためにギャグが少なめになってますが、それもノープロブレム。
・すげえマンガです。
オススメ
(14:19:43)

「ナッちゃん」8巻 たなかじゅん(集英社)

・「全く新しいスタイルで、マンガ界唯一のジャンルを確立!」たあ、大きく出たね。いえね、帯のコメントなんですけど。

・父親の後を継いで、女だてらに若いみそらで鉄工所をキリモリしてるナッちゃんの奮闘記ですわ。
・このアイディア(帯だとアイデア)が唯一ってことなんですけど、こういう「工夫」するってのはジャンルとして多いですよね。たとえば、食い物系とか。ビッグ錠氏の作品なんかは特に。

・8巻では、ナッちゃんがシェイプアップされてますよ。6巻7巻では妙にふっくらしてきたナッちゃんでしたが、シャキっとシャープな体型になりました。やっぱ、いろいろいわれたんかな。

・ナッちゃんはやせましたが、本作のおもしろさは豊かなままですね。
(14:55:24)

2003年/2月/7日
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「HUNTERxHUNTER」16巻 富樫義博(集英社)

・G・I編はまだまだ続く。
・うまいと思う。このうまさは本当にタチが悪い。
・こう、今の「少年ジャンプ」系のマンガ(全部知ってるワケもないが)をみてると、「なんでもアリ」世界が非常に濃厚。これは、遡れば原点は「Dr.スランプ」になるのかもしれないね。ゴジラとウルトラマンが浴衣を着て走り回ってる世界。
・その中でも、イチバン狡猾なのが、「HxH」なのかもしれないなと。狡猾って表現がアレなら、イチバン賢い。
・今ウケる要素を惜しみなくぶち込む。カード、バトル、ネットRPG、そして、ドッジボール。次がどうなるかってのが読めない率は高い。作者自身も全部計画通りではないと思うし。

・それでいて、狡猾なのが、それだけじゃないんだよな。「裏」のニーズにも応じてもいるんだな。たとえば、ヤオイがわかりやすいか。カードでは、「カイジ」の限定ジャンケン的な人とのかけひきなど、微妙な小技を忍ばせている。

・そして、社会のトレンディ以外に富樫氏内のブームも反映しているような。16巻はダイナミックプロ、もっといえば、風忍氏的な画面レイアウトがあった(p122)。考えてみれば、ヒソカの股間にふきだしってのは「けっこう仮面」だしな。かといって、あからさまな引用でもないしパロディでもない。あくまで「風」。「**風」の「風」。そういう視点でみると、おどろくほどたくさんのマンガが消化吸収され「風」となって本書にある。それは他のマンガもそうだ。だけど、その選択と「風」の具合が、なんていうか、「狡猾」だなと。

・で、ダイナミックプロとか知らないヤングマンはヒソカの股間ふきだしをおもしろいとか思うワケなんですね。

・そして、そういったことも含めてなお「おもしろい」のです。
・でも、本作の最終回ってどういうんだろ?
(12:49:41)

「ONE PEACE」27巻 尾田栄一郎(集英社)

・「ONE PEACE」は1回読んだあと、すぐもう1回読んでる。10巻あたりまでは、読んだあと1巻から読み直したりもしていた。
・ちょっと前まではおもしろくて読み直していた。でも、26巻と27巻は「話がわからない」からもう1回読み直している。

・この空島編よくわからんよ。そしておもしろくない。さしあたって今のところ。
・27巻ではいろいろな謎がわかった。これまでは謎だらけだった空島の輪郭や争いのタネがみえてきた。
・でも、よくわからんし、おもしろくない。

・その原因をたどると、今回「浪花節」がないってのがあるんじゃないかと思ったりする。必死な人がいないというかね。人情噺的な「泣かせ」がないんだよな。それもこれもアラバスタ編の反動からだろうと思う。なんのかんのいってアラバスタ編はこれまでの集大成的なオモムキがあった。それだけじゃないと毛色のちがった展開を模索している様子はよくわかる。そのための仕込みがうまくいってないような気もするんだな。
・実際問題、描写をはじめとして、作者は飛躍的に技術力はアップしてると思う。けど、全体の構成みたいのは下手なまんまなんだよな。ここで、場面転換とか、そのタイミングがトートツな気がする。今回、ルフィ一行はわかれて行動してるのが多く、それと、敵方もよくわからんままちょいちょいと場面転換する。これがよくわからんし、おもしろくない。

・そいでもって、その場面転換の要素でもある、いろいろな伏線がうざったいんだ。うざったいと思うような伏線ならナイほうがマシな気がするんだよ。

・あと、今回、「戦い」自体がよくわからん。ルフィ一行の戦いはともかく、ガン・フォール(今回の主要NPC)の空中戦なんか「なにがおこってるのかわからん」現象があるな。

・短期間にたくさんのキャラを登場させたのもそれらの現象に拍車をかけている。

・たぶん、それら全部、必要な「仕込み」なのだろうが、タイミングなんかが悪いんだな。

・まあ、今後おもしろくなってくれることを祈ります。
(13:13:02)

「ケロロ軍曹」6巻 吉崎観音(角川書店)

・のほほん宇宙生物地球侵略ギャグということで。普通にドタバタしてましたね。ケロロの仲間ネタが各キャラ1話づつあったり、「プール開き」「縁日」「海」なんて定番季節ネタがあったりと手堅くいってるなと思ったら、6巻の最後、突然、彼らがいなくなってる。あれ?って感じ。

・まだ、「MONSTER」パロがあったな。でも、わかるやつってどれくらいいるんだろ?そして、それ以外のパロネタが少なくなったね。どういう心境の変化だろ?アニメ化が内定して水面下で動いてるから、それ用のネタにシフトしていったのかもしれないね。だって、ガンプラネタとかは、スポンサーにバンダイがつくか、サンライズ制作じゃないと使えないだろうしねえ。

・ああ、でも、巻末の「ケロロ軍曹百科」ってドラえもんの「ひみつ道具百科」のパロなんかな。

・ま、ともかく。ノホホンと楽しめますね。
(13:25:28)

2003年/2月/5日
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「血笑鴉[完全版]」横山光輝(講談社漫画文庫)

・横山光輝でっせ。あまり、おれは読んでないですが、「時の行者」とか「バビル2世」などおもしかったですね。「鉄人28号」「魔法使いサリー」、最近では「ジャイアントロボ」なんてアニメにも恵まれてる。というか、こうみると、横山光輝原作のアニメってカルト人気になるの多い感じです。そいでもって現役なのかな未だに。潮出版あたりで歴史モノをマイペースで描き続けられてるのか。

・本作は時代劇です。上記のようにあまり氏の活躍はわからないんですけど、かなり変り種に属するような気がしますです。

・金で誰でも斬り殺す、殺し屋を生業としている。人を殺しちゃ(後腐れないように)その場から立ち去るので人はいつしか彼をカラスと呼ぶようになる。
・金と女に汚いブ男。そして、剣にも汚い。凄腕の達人であり依頼は必ず果たす。ただし、真正面から向かって勝てない相手には卑怯な手を使っても勝ちにいく。

・というかなりダーティーな主人公なんですね。

・700pの長編(持って読むと腕が疲れる)、ほぼ1話完結で、わりに設定なんかも途中でなくなっていくというおおらかな昔の流れではあるが、この話のまとめかたはスゴイ。無駄なコマが1コマもなく、アクションも過不足無く、セリフも1字1句無駄がない。それでいてこの主人公を軸として、定型的な話も多いが、キッチリとまとめあげてる。1話読むたび「む〜」って感心してしまう。これがプロの仕事だよな。
・そう、なんていうかな、手塚治虫を始点としてのトキワ荘の面々の流れとちがい、作者の顔が見えない人ですよね。

・で、これもやはり宿命というか自然な流れなんかもしれないけど、ダーティーな主人公ってのは、おいおいと丸くなっていくんですよね。たとえば、「ブラックジャック/手塚治虫」なんかがわかりやすいですけど、最初は極悪非道であったのが、徐々にやさしさをみつけたり、心の平安を求めて隠居しようとしたりするわけですよ。それでいて、自分の宿命かとばかり殺し屋の道に戻る。こういうパターン。それでもおもしろさは変わらないんですけど。

・父が浪人で、子にも浪人をさせるのが不憫だから、大手商人に恐喝などをして金を稼いでる。それを疎ましく思った商人がカラスを雇って消させる。
・農民をこきつかい、干拓工事を結構させていた代官に陳情し、殺された男。そして、その妻が後を追おうとしたところをカラスが助ける。そして、久しぶりにカラスがその女性を訪ねると…。
的なお涙頂戴も。

・どうしても勝てなかった剣士。あまつさえも「殺すには惜しい」と見逃された。カラスはかなり陰湿なやりかたで復讐する。
・愛人にそそのかされてよくできた自分の息子の殺しを依頼するじじい。
的な後味の悪さが「心地いい」話も。

・街に隠された財宝を巡っての全編大アクションというのもある。

・硬軟自在の話作りにゃあ、あんた舌を巻くばかりですよ。

・そして、ここから本題。「血笑鴉(けっしょうがらす)」が変り種なのは、そのダーティーな主人公なために濡れ場が多く存在することです。
・人を殺して稼いだ金で女を買う。お金がない女が代金のかわりに身体を提供する。などなどね。まあ、それでも前半なんですけどね。後半、カラスは人が丸くなっていくしな。これは「ギャラリーフェイク/細野不二彦」なんかもそうですね。

・なぜ、こんなことを書くのかというと、この横山画の女性の裸が、ちょっとインパクトあるからなんですね。こういったらなんだけど、ぞんざいなんですよね。おっぱいなんて「>>」こんなだぜ?ほかは流れるような達者な描線なのに、どうも、「ためらい」を感じられるんですよ。それが逆にインパクトだったりします。今のこなれすぎた線の見事なパイオツばかりみてる分にはとくに。

・これ、70年代になり、マンガの中身が高度になってきたとき、だれもが通った道だそうで、夏目房之介(漫画夜話に登場してる人っすよ)の著作(チョット失念。ちくま文庫の著作のどれかにあると思うが)に詳しい解説があるんですけど、やっぱり描きなれてないものを描くってんで、いろいろと大変だったみたいですね。手塚治虫氏や水木しげる氏の女性裸描写もアレですもんね。ま、もっとも、水木氏はアシスタントに描かせていたらしいけど(だから、アシ時代のつげ義春氏が描いた女性ってのもあるそうで)。

・服を着てるとあでやかだしキレイだけど、脱ぐと「アレー?」って感じ。そういった意味じゃ、江戸時代はブラジャーとかヒップアップのパンツとかないからリアルって見方もあるんですけどね。

・まあ、それはそれとして。あなたの予想以上におもしろいと思いますよ。おれもかなり予想以上に楽しめたし。古本400円で買いましたが、一気に読んでも2時間弱かかると思うボリュームだし。

・まさか、21世紀になって横山光輝をオススメすることになるとは思わなかった。「時の行者」あたり読み直したくなりました。
(10:50:04)

「職業・殺し屋。」西川秀明(白泉社)

・ネットの(逆)オークションで人殺しを請け負う殺し屋さんの活躍を描いたものですね。まあ、殺し屋が主人公の話はいっぱいありますよね。

・表紙がまったく中の絵を窺い知れぬものになっていて、「あんたはよくこんな中身のわからないものを買う気になれるね」と奥さんにホメられました。でも、中身がわかったら逆に買えないものってのもあるよな。
・たとえば本書とか。

・帯の「純粋文学的衝撃作」に騙されたなあ。

・たいていはエロがらみの事件で女性が苦しんでいて、主人公の殺し屋さんがその恨み晴らしまっせ!って感じ。普段は温厚なサラリーマン風が変身ということです。
・(原文紛失しました。つまらなかったです)


2003年/2月/4日
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「軽井沢シンドロームSPROUT」2巻 たがみよしひさ(秋田書店)

・一世を風靡した軽シンの続編の2巻目。書店のオバチャンも知ってた軽シン。
「あれ、これ、昔出てなかった?」ってなもんよ。

・相変わらずボーダイなキャラ、説明口調をできるだけ省いた独特のセリフ回し、シリアスとデフォルメを行き交うキャラ、と複雑なことになってます。それでも読めるしわかるのは、ハマってたからなのかねえ。

・これ、やっぱ、前作読まないとなにがなんだかわからねえや。そういうことがはっきりわかりました。まあ、古本屋揃いでも1000円しないだろう。少なくとも前作は読むにやぶさかではないぞ。

・長野県軽井沢を舞台とした青春群像、それは前作今作変わらず。で、前作主人公の耕平ちゃんのガキが主役なのです。でも、前作のキャラのほうがたくさん登場しますし、それらの説明の少なさが、前作知らない人にはちょっとツライ感じですね。というか、正直、おれもだいぶ忘れてます。あれからいくつの物語に触れたと思ってるんだよ。

・で、あとがきマンガでも軽く触れられているけど、前作も今作も、「現在」のたがみ氏の気分に忠実な感じ。つまり、前作を描いていたときはそのまんま耕平ちゃんたちの年齢だし、今作もそう。つまり、40歳になった耕平ちゃんたちのほうに目線がいってる。これがおもしろい。耕平ちゃんのガキというよりも、あまり出番がないけど、耕平ちゃんたちの目線で物語は進行している。

・それが顕著なのは「死」だ。これはおれも思い知ったけど、ある年齢を超えると「死」が非常に身近になる。おれは平均でならすとちょっと早い気もするけど。それが物語、とくに2巻では濃厚に漂っていた。

・耕平ちゃんのガキ・薫平の親友である義時の母親が死ぬ。1p登場したかと思ったら、その8p後に死んでる。この電話1本でガラリと空気が変わったかと思うような感じ、非常にうまい。いや、本当そうなんだもんな。そして、死んだ後のバタバタした感じも。
・そして、伏線らしいところもあちこちに「死」っぽいものがある。あと、いろいろと「病気」もある。だいたいが、耕平ちゃん働いてないしな。
・そんなんでありながら、義時の彼女と酔ったイキオイで寝てしまう薫平と、そういう前作同様の「軽シン」っぽいところもあるけど、それよりも、この「死」のニオイがちょっとスゴイなと。

・たがみよしひさは侮れないなあ。
(22:03:20)

2003年/2月/2日
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「プラネテス」3巻 幸村誠(講談社)

・第33回青雲賞受賞だそうで。あとSFニュースタンダードだそうです。

・3巻はド鬱編ですね。宇宙に出る意味みたいなものを主人公のハチマキが延々探し続ける回です。
・おれは連載誌である「モーニング」を定期購読していて、「あー鬱な展開だなあ」と思ってましたが、この巻でキレイにそのド鬱編が終わっていることに気づきました。ま、普通、読者は、ここまでが*巻に入るなって計算して読みませんからね。
・してみると、1巻、2巻、3巻と巻ごとに流れみたいなものがありますね。そこいらは慎重に計算して物語を組み立てているんでしょうね。ま、アタリマエっちゃあアタリマエなんですが。

・3巻の間中悩んでいたハチマキは、まわりまわったすえにシンプルな結論に導かれる。そこにいたるまでの構成がまたうまいですわ。

・カラーは忠実にカラーで再現という「完全版」なつくりだけにちょいと割高でございますが、それもなっとくのキレイさなので問題ないですね。

・しかし、タナベのオヤジ(パンクロッカー)が冒頭で歌っていた歌が気になる。「夕暮れ/THE BLUE HEARTS」と思っていたけど、歌詞がちがうわな。これは、わざとか素か?

・話はラストの番外編(ハチマキのオヤジ)が好きです。

・4巻ではどうなるか(まだ、本作以外は1編のみ)。そして、どこまでこの話は続くのか。そして、あのオマケ4コマはなんなのか。
(15:19:14)

「風雲児たち」10巻 みなもと太郎(リイド社)

・マンガの感想てな難しいね。とくに続き物が難しいんだ。これは毎月毎月でてますし毎月毎月おもしろいんだけど、そうやると、あらすじ以外のことは書きにくくなる。

・とりあえずあらすじ書きます。書きながらまた展開するのを願いながら。

・10巻では松平定信が田沼意次を切り捨てて後のことが描かれてます。また暗黒政治に逆戻りとなるんですね。そして、これまで並行展開していた登場人物が微妙にリンクしていきます。
・最上徳内の蝦夷地調査隊が打ち切られたことで、松前藩のアイヌ虐待が過激さを増し、その結果、アイヌ人の反乱が起こり、そのやつあたりみたいなカタチで最上らは投獄される。ついで、そのからみで、なんかマイペースかましまくっていた高山彦九郎も兄の策略にハマり投獄。林子平も松平に意見をしたために見張りがつく身分。一方ロシアに漂流した日本人もよくわからんうちに半ばロシアを横断しつつあり、ラックスマンという博物学者と出会う。

・うーむ、ややこしい。でも、わかる。これはおれにとって驚きだ。とりあえず、人出しておけとばかり、どわどわと登場人物が増える傾向にある昨今のマンガについていけないおれとしては驚くほかない。まあ、構成、キャラ、展開、いろいろと分析はできると思うけど、それらすべてひっくるめてのレベルが高いからこそだと思うのですよ。そして、歴史マンガでそれができるということは、みなもと氏の中に確固とした人物像があり、歴史観があり、それを表現できる構成力があるからこそなんですよね。しかも、ギャグも入ってるんだからさ。

・女性が、だいぶ、最近の描写に近づいてきたな。徳内と妻ふでとの「奇跡」のラブロマンスでしめくくるのもいい感じ。
・そういや、けっこう濡れ場があった10巻でした。3pもあったし(高山彦九郎と2人の妻との)。
(15:50:46)

「愛…しりそめし頃に…」5巻 藤子不二雄A(小学館)

・その後の「まんが道」っすわ。これはスタジオゼロ設立までやんのかな?トキワ荘がなくなるまでやんのか?
・とりあえず、5巻ではピークなんじゃないですかね。マンガ家人生のピーク。仕事が安定している。仲間と遊ぶのも楽しい。そして、マンガに対する熱意も薄れてない。と、遊んでばかりいるAでした。
・なにげに描かれていたけど、締め切り前だってのに、奥多摩にキャンプに行ってる。女目当てで。そいでもって、帰ってきてFに手伝ってもらってるんだもんな。

・で、当時売れっ子の石森章太郎氏が世界一周旅行に出かけたり。

・金が入ったからって、8ミリカメラと映写機を買ったり、映画を取ろうって、上野のアメ横でモデルガン一式買い込んで、シナリオも書いて、赤塚不二夫&石森章太郎(当時同居してた)を誘おうとしたけど、締め切りが近いって断られたんで、つのだじろうと鈴木伸一と撮影したりする。
・ちなみに本コミックは毎回「オマケ」がついているんだけど、今回はつのだ&鈴木両氏との対談。当時の写真もふんだんに使って。

・たぶん、その後、おかしくなってくるとは思うんだけどね。そこいらどドロドロしたゴタゴタを描くのかしら?
・あと、そのずっと先にある藤子不二雄FとAの別れを匂わせるエピソードなんかもあるなあ。

・うむ、しあわせそうでよかったです。なんだか、読んでるこっちもそのおすそわけをしてもらっているような気分になります。まあ、長い修学旅行みたいな状態なんだろうなと。
(16:09:06)

「ジャングルはいつもハレのちグゥ」10巻 金田一蓮十郎(エニックス)

・そういや、エニックスの出版部門ってのは、スクウエアの合併に、なんか影響されるのだろうか?今の今まで気がつきませんでしたが。

・さて、10巻100話をもって「ジャングルはいつもハレのちグゥ」は最終巻だそうですが「つづく」になってます。まあ、新連載「ハレグゥ」に引き続くそうですが、こんなアカラサマに続いて、新シリーズになるのってこれまであったか?なんのための新シリーズなんだよ?
・おれ的には新シリーズになったことだし、購読中止しようかと思っていたのに、止められなくなってしまったじゃないかよ。

・しかし、あいかわらず人間の区別がつかないマンガだ。

・おまけページで絵の変遷をいろいろと描いてましたが、たしかに変わりましたよね。だいぶスッキリした絵柄になったような。無駄な線は描かない的な。あと、迷いが少なくなったというか。

・えーと、グゥの一発ギャグ「のうみそ」がちょっとおかしかったです。あと、ダマはいいキャラですけど、出しすぎじゃないかなと。あと、おれもグゥの「中」で暮らしたい。
(16:20:55)

「π パイ」1巻 古屋兎丸(小学館)

・むむむ?これはなんだ?

・オタクが円周率のパイとオッパイは同じじゃないかということに気づいた。だけど、今のオタクのままじゃその理論を裏付けること(まあ、パイオツ拝むってこと)ができないと気づいたので一念発起してダイエットしたら、雑誌に載るようなイケメンになってしまいましたとさ。で、変に喋るとオタクがばれてしまうからクールにしているためにモテモテ。
・って、エロコメなんですよ。

・朔ユキ蔵といい、古屋兎丸といい、小学館というか、「スピリッツ」は、サブカル系作家を全員エロコメ作家にしようとしてるのか?最終的には永島慎二にも「ぼっきーん!」って擬音が入るようなマンガを描かせようとしてるのか!(こんな商業マンガ誰でも書けると、豪語し、実践するために柔道一直線を描いてヒットさせた永島氏のエピソードにからめて書いているのですよ。でも、永島氏のエロコメってそういうこと抜きに読んでみたいな。藤本和也風味になるんか?)

・とはいえ、朔ユキ蔵氏ほどブッ飛べなかったのか、細部にこだわるクセが災いしたのか、妙な方向に流れていってるんだよなあ。突如パロディを挿入したり、途中から登場したオタク時代の尊敬の的だった男に流れがシフトしたり、どうも古屋氏には動かしづらい主人公だったみたい。だから、あんなことさせたのか。

・というか、エロシーンが後ほど少なくなるなあ。
・というか、どんどん「妙」になる。
・というか、このマンガが目指してる先がわからない。

・おもしろいかどうか聞かれたら「おもしろい」と答えますが、「どこが?」と聞かれると考えてしまうところですね。現時点での回答は「バカらしいから」になるのかなあ。
(16:40:48)

「ジジメタルジャケット」泉昌之(角川書店)

・古本200円で購入。双葉社から出てたのの再販みたい。

・久住昌之(原作のほう)氏のサイトによると、「いちばん好きな作品」だそうだ。
・以前に立ち読みかなんかで読んだときは、ピンとこなかったけど、これが今読むと味がある。まあ、なんでも年齢の変化でちがいがあるもんでね、これなんか典型的。

・タイトル通りなんですよね。じいさまたちのヘビメタバンドなんですね。やってることはヘビメタなんだけど、行動や会話の内容がまったくじいさまというギャップ。昔はこれが安易と思ってていやだったんだな。

・大工の棟梁とか、隠居ジジイのシュミでやってるんだけど、彼らには熱い血潮が流れてるんですよ。

・それら一番わかりやすいのがオリジナルの作詞かな。


地獄の女王はツナイト塩梅が悪い
何処そこの誰か何のダレ兵衛が
いけにえになるのだツナイト


・今と読むと、そのサマに素直に感動したりするんだな。ジジイになってもロッカーってなイイネ。糸巻きに弦を通すのが老眼で難しいとかさ、髑髏のループタイつけたり、ロンドンブーツ履いてヨロヨロになって歩く。

・格好はともかく、そういう気概は忘れてはなんねえなあと、妙に読後元気になりましたよ。

・角川版はオマケにミュージシャンに「ジジメタルアンケート」を載せてます。これがなにげに超豪華メンバーです。野村義男もいます。

・うむよかった。2巻も読みたくなりました。2巻はブルーズだそうで。そして、ブルースインターアクションってマイナーなところから出ているそうで、みたことねえんだな。それでも見つけたら買おうかと。
(17:07:15)

2003年/2月/1日
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「めもるは何もメモらない」1巻 真右衛門(竹書房)

・真右衛門氏は「なにを描いてもいっしょ」の人だと思う。これと「G組のG」「働き者はばかをみる」の差はおれにはわからない。いや、わからないというのはアレだな。うまく説明できないというほうが正しいか。
・たとえば、本作。めもるという小2の少女が主人公。彼女はなんでもメモをとるのがシュミの子だ。格闘家の兄、トレーニングロボット、担任、同級生などが登場する4コママンガ。
・でも、これは設定を書いただけど、説明してるとはいえない。

・真右衛門氏は4コマのジャンルでいえば「不条理系」だ。さらに細かくいえば中川いさみ(クマのプー太郎・大人袋)の系譜にあると思われる。
・そして、中川いさみ氏もぶっちゃけると「どれもいっしょ」的だ。まあ、もっとぶっちゃけると、ギャグマンガ家なんて多かれ少なかれ「どれもいっしょ」の魔の手に収束されていくもんだ。ファンならちがいはくっきりわかるけど、第三者的にみれば、どれもこれもいっしょだろ。音楽でいえばB'zとかミスチルもそうだよな。

・その「どれもいっしょ」度が問題か。これは個人の感性もあるし、ファン度もからんでくる微妙な問題だから一般論に変換して展開するのはムリがあるんだけどさ。ということで、完全主観になりますが、中川いさみ系統は「どれもいっしょ」度が高い。
・独自の世界をつくり、その中でキャラを展開する手法。不条理系は概してそういうところがあるが、たとえば、吉田戦車氏なんかは、リアル社会との位置を微妙に計り、その都度、「世界」を調合しているが、中川いさみ系はそれらがいっしょの世界なんだよな。だから、「どれもいっしょ」度が高い。
・なんだか、ただ、複雑にくどくどいってるだけの気がしてきました。

・だから、その「世界」の完成度の高さに、その「世界」の好き嫌いってのが全てといえる。

・で、真右衛門氏はどうかというと、微妙なんだよな。世界観の完成度は普通だと思う。ただ、コミック1冊の中に、笑う笑わないというレベルを超えた「スゴイ」のがあったり(どこかいわない。だって、「へーこれがスゴイんだプププ」とかバカにされそうだから)、うそーんってなくだらないのが隣り合ってたりするんだよな。
・だから、おれ的には超ムラのある作家。
・逆を返せば、真右衛門氏が「おもしろい」と思うものをおれは一部しか共有できない。まあ、たいてい、不条理系で全肯定できる人って少ないけどね。一番多いのが中川いさみ氏かな。

・そしてその共有度は「G組のG」「働き者はばかをみる」と同程度でした。

・だから、これらのぐでぐでした文章を4文字でまとめると「まあまあ」ということですね。
(23:43:42)


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