ラパス

(バハ・カリフォルニア)

アシカとマンタとクジラとアミーゴ!

オラ!
といっても威嚇してるわけではありません。

スペイン語で「ちっす!」ぐらいの意味でしょうか。


アシカと遊べる、マンタとアシカがじゃれる、ハンマーやジンベエに遭遇、はてはイルカ・クジラってな具合で「大物天国」ともてはやされているバハ・カリフォルニア。
単純な私はまたもそれらのセールストークにいとも簡単にひっかかり、はるばる遠路バハ・カリフォルニアへ!
                       
2000.9.2.〜9.9. 

バハ・カリフォルニアの話をしましょう。
北アメリカ大陸の南端、太平洋側に、細く長い「カリフォルニア半島」が突き出ている。
ここが広い意味での「バハ・カリフォルニア」。
付け根からメキシコ合衆国の領土となっており、その南半分が、「南バハ・カリフォルニア州」、州都はラパス。(地理の授業みたい・・)
カリフォルニアというと、アメリカ西海岸を連想しがちだが、どうやら歴史は複雑らしい。(ここからは歴史の授業)
もともとあの一帯はスペインの領土で、「アルト」(スペイン語で「上」の意味)・カリフォルニアと「バハ」(同じく「下」)・カリフォルニアに別れていた。
米西戦争の際、豊穣な「アルト」辺りは奪われてしまい、そこは単純に「カリフォルニア州」と呼ばれるようになった。


残されたのは荒涼とした砂漠だけの「痩せ細った腕」バハ・カリフォルニアだけだった。
この腕に抱かれているのが、カリフォルニア湾で、現地では「コルテス海」と呼ぶ(また地理の時間)。
日本海ほどもあるこの湾に、ロッキー山脈を水源とし、グランドキャニオンを通ってきたコロラド川が注ぎ込む。
この水は栄養分やミネラルをふんだんに含むため、河口付近ではなにやら怪しげな深緑色だ。
複雑で入り組んだ地形のコルテス海は最大水深が3000mまであり、潮の満ち干きが大きいため、深々度から掻き混ぜられ、豊潤な海が出来上がった。

強烈な太陽光線の下、砂漠とサボテンしかない赤茶けた大地。
豊潤な水をたたえ、青いというよりは濃紺色の海。
これがバハ・カリフォルニアである。
 

さて、ダイバーにとってのバハ・カリフォルニアといえば、「大物天国」。 
大型魚類、海棲哺乳類の宝庫! 
なによりもアシカちゃん(カリフォルニアシーライオン)と遊ぶのが今回の目的だったが、着いて2日目にその目的をいとも簡単に達成。
しかし、ダビングというのはやればやるほど「欲」が出てくるもので、次から次へと湧き出す「あれも見たい」「あそこ行きたい」で、ついに地球の裏側まで…
 
ラパスにいくにはロサンゼルス経由が一般的。
今回は成田からシンガポール航空でロスへ。
ここで寝ると、現地で寝られなくなりそうなので寝ずにひたすらマリオ、テニス、カービィ。
シンガポール航空は各席に小型ディスプレイが付いていて、好きな映画やゲームを楽しめる。
あっという間のL.A.到着でした。

普通、米国を訪れるってのは、ハワイに家族旅行とか、ラスベガスとハリウッド7日間とか、投信キャンペーンでN.Y.に研修(なにこれ?)とか、沖縄・・(おっとこれはマズイ)とかを考えてたから、メキシコに行く乗り換えだけのために、あの世界の大国を訪れるなんて恐れ多いですな。 
空港でクリントン大統領が「Welcome」つって写真で出迎えてくれたけど、申し訳なかった。
まあ、もうすぐ「前大統領」だからいいけど。

ロスアンゼルスからはアエロカリフォルニア。
CAがみんな揃って妙にキレーなんだけど、スペイン系の人ってみんな(?)美人に見える。
そのせいか誰が誰って区別がつかない…
エルモシージョ空港でいったん降りて、入国審査。
空港に降りた瞬間、カッと暑いんだけど、今まで熱帯特有の暑さとは違う、乾燥した大地の「熱さ」を感じる。
ワイルドだなぁ、と感激していると妙に見慣れたキャラクターが目の前をチョロチョロ、しかも2匹。
これは、●ケモンのピ●チュウじゃないですか!
スペイン系の風貌の4人家族、おチビ2人が黄色い●カチュウのリュックを背負ってあっちでチョロチョロ、こっちでチョロチョロ。
ワールドワイドなキャラですな。


エルモシージョの空港にて。
サボテンと文字どおり触れ合うタロー。


ラパスの空港では税関がいい加減で笑えた。
ボタンを押して青なら審査パス、赤なら中まで開けて調べられるという、古典的というか画期的な方法。
おそらく怪しい人は赤になるように操作してるんだろうな、と思い、それらしき人数人に目星を付けて見ていたら、全員まったくのフリーパス。
むしろ、水中カメラなんかを持った日本人ダイバーがよく開けさせられてた。

ホテルは1940年に創業した老舗「ラペラ」。
フロント脇に古い台帳と創業当時の写真が置いてあった。
世界中どこでも、古くからあることは自慢できるんだなぁ。
古いといっても、改装してあるので、綺麗で、清潔。
建物はスペイン風のコロニアル様ョで、小さいながらもプール完備。
1階にはレストランがあり、2階のテラスからはラパス湾を一望できる。
設備的には何の不自由も無かったけど、ルームサービスにくる人がスペイン語しか喋れないのが不便といえば不便。
それでも、英語が通じないとなると、出るのが日本語&ジェスチャー。
お互い、めちゃくちゃもどかしい思いをしつつも、それがまた楽しい。
今度くる時は「スペイン語会話集」を持ってこよう。

ホテルに着いたのは20:30くらい。
近くのオープンテラスの店で、タコスをほおばり、コロナで乾杯。
長距離移動の疲れをテキーラで包み込み(簡単にいえば泥酔)、早寝して明日からの冒険に備える。
 
 


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