第49回全日本吹奏楽コンクール
平成13年9月29日(土)/普門館

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中学・前半の部

1
西関東/埼玉県  飯能市立加治中学校 (中川徳夫) ※3年連続3回目
金賞

2/バレエ音楽「くるみ割り人形」より
    お菓子の王国、チョコレート、アラビアの踊り、トレパーク、コーダ (P.I.チャイコフスキー/中川徳夫)

セッティングを済ませた状態で審査員紹介とかされちゃって、ちょっと待たされましたね。
課題曲はやはり朝イチのせいでしょうか、「音が飛んでこないなぁ」という第一印象でした。多少金管が荒いかなぁと思いましたが、しっかりしたマーチでした。自由曲はバレエ音楽らしい楽しい演奏でした。演奏が進むにつれてエンジンがどんどんかかってきたようで、特にコーダが秀演。94年以来7年ぶりの『朝イチ金賞』、しかも3年連続金賞! おめでとうございます。


2
関西/大阪府  大阪市立城陽中学校  (梅田隆司) ※3年連続14回目
銅賞

3/組曲「惑星」より 木星 (G.ホルスト/建部知弘)

課題曲は非常に丁寧な演奏。ピッコロのソロが爽やかに決まり、軽快なマーチとなりました。特にチューバ、コントラバスが上手で、マーチの要となっていたと思います。自由曲では、ティンパニーが2セット、ハープ2台を使った豪華な編成。ユニゾンが随所にあるのですが、そこであまり響いてこなかったような気がします。全体には「聞かせどころ」が不明確な演奏になってしまいました。

3
東関東/栃木県  宇都宮市立陽西中学校  (星 弘敏)  ※2年連続5回目
銀賞

3/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り (M.ラヴェル/佐藤正人)

スマートなマーチと表現したい。ピッコロソロも上手ですし、特に弦バスがよく響いており軽やかなマーチとなりました。
自由曲は、夜明けの部分でピッチがうまくハマリきっていないような印象で、雑然とした感じです。「全員の踊り」は練習の成果がよく出ていたと思います。ほんとに良く指が動きますよねぇ。

4
北海道/旭川地区  旭川市立北門中学校  (泉 修)  ※3年連続5回目
銅賞

4/管弦楽の為のジョージバーナードショー的素描「メジャーバーバラ」(W.ウォルトン/瀬尾宗利)

多少リズムが重く感じましたが、骨格のしっかりした重厚なマーチでした。「メジャーバーバラ」は難しい曲をよく合わせています。しかしフレーズの受渡しがスムーズでないので、音楽が流れていかない印象を受けました。

5
東海/三重県  桑名市立正和中学校  (伊藤宏樹)  ※初出場
金賞

1/「斑鳩の空」より 夢殿、まほろば、里人の踊り、斑鳩の空 (櫛田朕之扶)

課題曲の出だしからオーボエの美しい音が響いてきて、「んっ!これはやるな!」と思いました。前奏部分はオーボエを核にしたサウンドでよく歌えてます。自由曲では予想どおりオーボエが実力を発揮。音色が絶品で秀逸なソロでした。ピッコロも好演でした。櫛田作品の持つ日本独特の「間(ま)」の取り方が上手く、本当に素晴らしい演奏でした。初出場での金賞受賞、おめでとうございます。(しかし、、オーボエ上手だったなぁ…。)

6
九州/福岡県  志免町立志免東中学校 (白土直也)  ※2年ぶり2回目
金賞

1/祈りとトッカータ  (J.バーンズ)

正確ではありませんが、38名ぐらいだったと思います。(40人はいなかったと思う…) 丁寧で美しいマーチです。決して派手さはないのですが、金管セクションに安定感があってサウンドが良かったです。自由曲は懐かしい曲で楽しめました。少ない人数ながらも小気味良いパーカッションがうまくバンドを締めており、非常に良い演奏でした。福岡県のバンドとしては、1971年の響南中以来、30年ぶりの金賞受賞です。おめでとうございます。

7
中国/島根県  平田市立平田中学校  (古川慎治)  ※お休み明け4回目
銀賞

1/スターズ・アトランピック '96  (三善晃)

サウンドが分厚いです。楽器がよく鳴っていて骨太なマーチという印象です。
自由曲は、中学生離れした技術で難しい現代曲に取り組んでいたと思います。この曲は聞かせどころが難しいと思いました。いろいろやっていてスゴイのはよく分かるのですが、聞かせどころが不明確になってしまったように感じました。しかし、非常に素晴らしい演奏だったことは間違いありません。

8
東北/山形県  米沢市立第四中学校  (加藤公一)  ※2年連続2回目
銅賞

1/管弦楽組曲「第六の幸運をもたらす宿」より (M.アーノルド/瀬尾宗利)

課題曲の前奏部分では、ピッチがゆらぎ気味でサウンドが安定するのにちょっと時間がかかりました。マーチが始まってからも、リズムが詰まり気味だったのが気になりました。アーノルドは、中低音群が安定しており全体としてもソツの無い演奏なのですが、もっと「アツク」なってもいいかなと感じました。

9
関西/兵庫県  宝塚市立中山五月台中学校 (渡辺秀之) ※10年ぶり2回目
銀賞

1/トッカータとフーガ ニ短調 (J.S.バッハ/渡辺秀之)

美しい透明感のあるサウンドです。どのパートも安定している立派なマーチでした。バッハは出だしのサウンドが良かったです。課題曲同様、バランスの良い演奏でした。全体的にはちょっと「クール」な演奏で、終曲に向けてもっと盛り上がってほしいと感じたのですが、これは個人的な好みの問題なので…。

10
東北/福島県  原町市立第一中学校 (三浦邦彦)  ※3年ぶり5回目
銀賞

2/3つの交響的素描「海」より 第3楽章 "風と海との対話"  (C.ドビュッシー/八田泰一)

クリアな音で各セクションが埋もれずに聞こえてきます。ピッコロソロも上手でしたね。パーカッションはもっとバンドに近づいてセットしたほうがよかったと思います。バンドの音と分離して聞こえました。課題曲は練習番号毎にコンパクトにまとめて、くっつけた感じがして、せわしいマーチという感じ。 自由曲はコンクールでは定番ですが難しい曲ですね。ところどころにハッとするほど素晴らしいサウンドの部分もあれば、ピッチの危うい部分もあり、全体的に安定度がほしいですね。

11
西関東/埼玉県  草加市立川柳中学校 (浅井加奈子)  ※初出場
銅賞

4/管弦楽組曲「第六の幸運をもたらす宿」より (M.アーノルド/瀬尾宗利)

明るいサウンドには安定感があり素晴らしいです。構成がしっかりしていて、「この曲をこうやって聞かせたい」という意志がよくわかる演奏でした。(しかし、ここぞという所の金管のベルアップは逆効果だったかも…。) 自由曲のアーノルドも素晴らしいです。余裕が感じられるので聞く方も安心して楽しめましたし、ハープがかなり効果的に使われて音楽に花を添えていたのが印象に残っています。銅賞はちょっと厳しいですね。個人的にはすごく良い演奏だと思いました。

12
四国/愛媛県  松山市立椿中学校  (河野伸明) ※2年ぶり2回目
金賞

1/喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション (F.レハール/鈴木英史)

課題曲はなんともカッコイイ演奏でした。木管も金管も打楽器もバランスが良いですね。自由曲では、良い音でしっかり楽器が鳴っています。フレーズの処理が大変上手なので、次への受け渡しがスムーズで曲がうまく流れていました。メリハリの利いた楽しい演奏で、四国代表としては84年の雄新中以来17年ぶりの金賞受賞です。おめでとうございます。

13
東京/東京都  玉川学園中学部  (土屋和彦)  ※4年ぶり6回目
銀賞

4/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り (M.ラヴェル/林紀人)

課題曲はパーカッションが上手く、バンド全体を締めています。ダイナミクスレンジも広く好演でした。ダフニスはテクニカルな面はよく吹けていましたが、都大会の時のような「音楽の勢い」がちょっと無かったように思いました。

14
北陸/石川県  根上町立根上中学校 (田中一宏) ※2年ぶり3回目
銀賞

4/組曲「グランドキャニオン」より II, III, V  (F.グローフェ/後藤 洋、淀 彰)

ドライブ感があって、ぐんぐん進んでいくマーチでしたね。田中先生のゴムマリのように弾ける指揮がなんとも楽しい感じでした。スネアの音が軽すぎた点と、バスドラムの音を止めすぎの部分が気になりました。(…これは好みの問題。)  自由曲は冒頭のクラリネットのデュエットが多少ぎこちなく、その後の木管の下降音階ソロの部分の繋がりが乱れたのは惜しい。ちょっとハラハラしてしまいましたが、ホルンソロのあたりから調子が上がってきて、グロッケンとビブラフォーンのアンサンブルも秀逸。随所に見られる情景描写が面白く、好演でした。

15
東関東/茨城県  水戸市立双葉台中学校  (岡田宏之)  ※6年ぶり5回目
金賞

3/交響詩「ローマの噴水」より (O.レスピーギ/紫園鐘久)

流れの良いマーチです。ピッコロソロは実に爽やかで美しく好演でした。洒落た感じが良く表現され、曲を通して安定したサウンドの上でピッコロがよく響いていて素敵な演奏になりましたね。 噴水は出だしが少し不安定でしたが、バンドがノッてきた後は色彩感のある素晴らしい演奏になったと思います。 6年ぶり3回目の金賞受賞おめでとうございます。


【前半の部】
金賞5、銀賞6、銅賞4という結果。金賞の内訳は東関東1、西関東1、東海1、四国1、九州1でバラけましたね。加治中が朝イチ金賞で見事3年連続金賞です。自由曲では管弦楽作品の大曲路線が主流の中、正和中志免東の吹奏楽オリジナル曲での名演が光りました。今年で加治中、城陽中、北門中が3年連続出場でした。

※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。

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