中学・前半の部 |
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1 | 東北 福島県 小高町立小高中学校 (指揮/北野英樹) ※初出場 | 銅賞 |
1/交響組曲「寄港地」より II. チュニスからネフタ、III. ヴァレンシア (J.イベール/P.デュポン) | ||
冒頭のHrn、非常に揃っていて良かったですね。多少早めのテンポで進行していきました。Fl、Ob、Trpソロは好演。特にTrpのソロは良かったです! 自由曲も早めのテンポ設定。演奏時間の都合にもよるでしょうが、「チュニス〜」はもっと落ち着いたテンポのほうがいいですね。Obソロは艶のある音色で素晴らしいのですが、やはり「急いでいる」印象が非常に濃く残ってしまいました。ヴァレンシアはもっともっとスケール感、奥行きが欲しかったです。どことなくコンパクトにこじんまりとなってしまったのが残念。 |
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2 | 中国 岡山県 津山市立津山西中学校 (指揮/稲生 健) ※3年連続3回目 | 銀賞 |
2/バレエ音楽「ライモンダ」より ワルツの再開、コーダ、第3幕への間奏曲 (A.グラズノフ/鈴木英史) | ||
課題曲ではまず「音楽の流れ」が非常にスムーズで聞いていて心地よかったです。各楽器の音色も素晴らしいですね。特にTrpがうるさくなく随所で良い音色を響かせていたのが印象的です。 ライモンダも終始美しいサウンドで、特に強奏部が豊かで優しいのです。間奏曲もため息が出るほど美しい仕上がりになっていました。残念ながら3年連続金賞は逃しましたが、大変素晴らしい演奏だったと思います。金賞行ったと思いましたが…。 |
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3 | 四国 愛媛県 松山市立雄新中学校 (指揮/和田光教) ※2年ぶり18回目 | 銀賞 |
1/アルメニアン・ダンス パート I (A.リード) | ||
課題曲の各ソロは好演しましたが、Tuttiが多少硬かったように思います。 アルメニアン…は懐かしいですね。華々しいオープニングに続き期待して聞いていたのですが、やはり制限時間のためによる「楽曲のカット」が痛々しかった。カットは仕方ないと思いつつも、音楽がぶつ切りされている印象が強く、流れの悪さが目立ちました。リズムが重くもっと軽快さが欲しかったですね。 |
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4 | 九州 福岡県 志免町立志免東中学校 (指揮/白土直也) ※2年連続3回目 | 銅賞 |
2/「ペーガンダンス」より 第2楽章 「神秘」、第3楽章 「剣の達人」 (J.バーンズ) | ||
全部で35名(Fl 3、Cla 7、Sax 4、B.Cla 2、Tp3、Hr3、Trb2、Euph1、Tub2、Perc8)という小編成。少人数でのメリットを充分に活かしていました。各パートもクリアに聞こえており、サウンドがすっきりとしていました。 自由曲もダイナミクスレンジが広い演奏で好演。2楽章でみせた「密やかさ」、3楽章での「キレの良さ」など、とても上手なバンドでした。銅賞というのは厳しいと思いました。 |
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5 | 東関東 神奈川県 横浜市立万騎が原中学校 (指揮/原口正一) ※3年ぶり2回目 | 銅賞 |
1/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」 (R.シュトラウス/斎藤淳) | ||
Hrn6本による冒頭のテーマですがちょっとズレてしまったのが残念。Tuttiが濁った感じで、楽器は鳴っているのにバンド全体がまとまって響いてこなかったです。 ティルのHrnソロは多少キズがありましたが無難に追加。木管のサウンドが硬く、キンキンして聞こえました。金管とのブレンドも今ひとつという感じで残念です。課題曲同様、楽器は鳴っているのですがバンド全体の響きが乏しい感じです。小さいミスが多く、集中力が途切れた感じとなり、全体的にも雑然とした印象です。 |
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6 | 関西 兵庫県 宝塚市立中山五月台中学校 (指揮/渡辺秀之) ※2年連続3回目 | 金賞 |
1/交響曲第1番「大地・水・太陽・風」より III. 太陽、IV. 風 (P.スパーク) | ||
課題曲は余裕のある出だし、非常にまとまっていました。フレーズの取り方がスムーズで楽器間の受け渡しがうまく、音楽が良く流れていました。 自由曲では緊張感をうまく保ち、素晴らしい音楽表現をされていたと思います。各場面展開が上手で、聞く側をよく引き付けていた素晴らしい演奏でした。初の金賞受賞、おめでとうございます! |
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7 | 九州 福岡県 北九州市立沼中学校 (指揮/武田邦彦) ※初出場 | 金賞 |
1/交響詩「ローマの祭」より I. チルチェンセス、 IV. 主顕祭 (O.レスピーギ/磯崎敦博) | ||
充実した金管、豊かでやわらかい木管による分厚いサウンドは印象的です。 チルチェンセスでは、Trp3人がステージ上手でバンダ、ひな壇上の奏者もスタンドプレイでした。少々丁寧すぎるかなと思いましたが、素晴らしいファンファーレを会場いっぱいに響かせていました。主顕祭も生き生きとしており勢いがありました。タンバリン奏者がすごく上手で印象に残っています。主顕祭のラストは、ひな壇上段のTrp、Trb、Euph全員がスタンドプレイというパフォーマンス! 初出場で金賞受賞おめでとうございます。素晴らしい演奏でした!! |
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8 | 東海 三重県 桑名市立正和中学校 (指揮/伊藤宏樹) ※2年連続2回目 | 銀賞 |
1/秋の平安京 (櫛田朕之扶) | ||
Tuttiが優しく、ブレンド感のあるサウンドでした。各ソロも安定感があり秀逸。終曲部はもっと切迫感が欲しい気がします。自由曲では曲想をうまく表現しており好演。Picc、Fl、Cla、Ob、Saxのソロによる五重奏の部分は5人がスタンドプレイしましたね。とにかくソロになっても安定感があり、音楽が死なないところが流石。ラストのTrpソロも秀逸でした。 | ||
9 | 中国 広島県 海田町立海田中学校 (指揮/古土井正巳) ※2年連続3回目 | 銀賞 |
2/「フォスター・ギャラリー」より (M.グールド/建部知弘) | ||
すっきりとしてしなやかなサウンドです。緩急のつけ方がうまく、弱奏になっても音楽が生きていました。 フォスターは楽しい曲でしたが、最初は音が分散しすぎという印象で「楽曲としてのまとまり」がもう一つという感じです。合奏体として仕上げるのが難しい曲だなと思いました。 |
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10 | 北海道 札幌地区 札幌市立白石中学校 (指揮/出口三春) ※初出場 | 銀賞 |
4/バレエ音楽「ル・シッド」より (J.マスネ/渡部哲哉、吉市幹雄) | ||
本日最初の課題曲4。冒頭のPicc&Euphは無難な出だし。続くTubaの伴奏ですが、セッティングがあまりにも前方だったせいか、ベルが直接客席を向いてしまいました。そのため生音が直接飛んできて、バンドにブレンドせず違和感がありました。Tuttiにも安定感がありません。早い部分は、リズムが悪く音楽の流れを妨げています。自由曲は一本調子で、聞かせどころが不明瞭という印象です。 | ||
11 | 西関東 埼玉県 菖蒲町立菖蒲中学校 (指揮/神本直紀) ※4年ぶり2回目 | 銅賞 |
1/「アメリカの騎士」より 選ばれし者 (Sメリロ) | ||
冒頭のHrnちょっと残念でしたね。ところどころピッチの危うい部分があって全体として魅力半減といった印象があり残念でした。 さて自由曲。A.Saxソロは好演でした。難曲をよく演奏されていました。パートによって不鮮明な部分があり、この曲のもつ「キレ」に欠けていたような感じです。 |
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12 | 東京 東京都 玉川学園中学部 (指揮/土屋和彦) ※2年連続7回目 | 銀賞 |
1/「フォスター・ギャラリー」より (M.グールド/建部知弘) | ||
前半の部ではラメントの冒頭が一番安定していたと思います。楽器もよく響いており重厚な仕上がりになっていました。フォスターも非常にキレがありました。各パートがしっかり演奏できていて、合奏体としてもまとまりがありました。ハープの好演も手伝って楽曲としての魅力が充分に発揮できていたと思います。個人的には金賞行くかなと思いました…。 | ||
13 | 東関東 千葉県 松戸市立和名ヶ谷中学校 (指揮/須藤卓眞) ※3年ぶり2回目 | 銀賞 |
2/リヴァーダンス (B.ウィーラン/G.ブイテンハイス) | ||
おそらく全員女子でしたね。耳に心地よいサウンドをもったバンドです。 課題曲はしっかりアナリーゼされたスマートな演奏。曲想とバンドのもつサウンドがマッチしており非常に良い演奏でした。自由曲では美しいFlソロやアンサンブルの上手さが光りました。テンポの速い部分も躍動感に溢れ、生き生きとした演奏を聞かせてくれ、聴衆の感銘度も非常に高かったと思います。こちらも金賞行ったと思ったのですが…残念。前半の部での私の好きな演奏の一つでした。 |
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14 | 北陸 石川県 根上町立根上中学校 (指揮/田中一宏) ※2年連続4回目 | 金賞 |
4/「利家とまつ」〜加賀百万石物語〜 オリジナルサウンドトラックによる吹奏楽のための交響組曲より (渡辺俊幸/後藤洋) |
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冒頭のPicc&Euphは危なげない演奏。続く部分はちょっと大味だったような気がします。早い部分はリズムが重く、もう少しキレが欲しいとも思いましたが…。 さて期待の自由曲、前半はアンサンブルの微妙なズレ等、雑然とした感じがしていたのですが、いわゆるメインテーマの部分からは一転して好演。非常にスケールの大きい劇的な演奏になりましたね。大拍手と大歓声に包まれました。出場4回目にして初の金賞受賞、おめでとうございます! |
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15 | 東北 秋田県 秋田市立秋田南中学校 (指揮/佐々木勉) ※20年ぶり2回目 | 銀賞 |
4/ルーマニア民族舞曲 (B.バルトーク/後藤 洋) |
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わりとあっさりした歌い方です。早い部分ではリズムが詰まり気味で音楽の流れを妨げていました。また細かいミスが目立ってしまい、完成度としてはもう一つでしたね。 自由曲では打って変わり、非常に良い演奏でした。バルトークの独特のサウンドも良く演奏できているし、リズムにキレがありました。終曲の盛り上がりも良かったと思います。 |
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金賞3、銀賞8、銅賞4という結果。中山五月台(関西)、沼(九州)、根上(北陸)はいずれも初の金賞受賞ですね。おめでとうございます。しかし、、、金賞3つというのは厳しいですね。津山西、和名ヶ谷、玉川学園も充分金賞に値する演奏だったと思います。 |