第50回全日本吹奏楽コンクール
平成14年9月28日(土)/普門館

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中学・後半の部


1
関西 奈良県 生駒市立生駒中学校 (指揮/牧野耕也) ※3出休み明け4回目
銀賞

4/グローバル・ヴァリエーション  (N.ヘス)

バンド全体がよく歌いこみできている演奏でした。難を言えば、SaxとHrnの位置が離れすぎていたせいか、課題曲での中音域群のまとまりが今ひとつという感じです。早い部分でのリズムの良さは特筆すべきですね。Perc奏者が体全体で音楽を感じて踊っていたのが微笑ましかったです。
自由曲では楽しい曲を軽快に演奏し、聞き手を引き込みました。A.Sax、T.Saxのスタンドプレイも好演でした。2曲通して「勢い」は充分に感じられ、聴衆の感銘度も高い演奏だったと思います。


2
西関東 山梨県 敷島町立敷島中学校 (指揮/大島雅彦) ※初出場
銀賞

1/「アメリカの騎士」より 選ばれし者 (S.メリロ)

安定感のあるラメントでした。よくアナリーゼされ音楽が流れており、劇的な仕上がりでした。
自由曲では、冒頭A.Saxのソロはスタンドプレイで決めてくれました。続く導入部も非常に上手で、まとまりがあります。各パートがクリアでしかもTuttiでは豊かなサウンドです。西関東を突破した実力を充分に発揮できていたのではないでしょうか。

3
北海道 札幌地区 札幌市立厚別北中学校 (指揮/木田恵介) ※初出場
銀賞

1/交響詩「ドン・ファン」より (R.シュトラウス/森田一浩) 

課題曲は余裕の感じられるスタートだったのですが、各ソロはもう一頑張り欲しかったですね。曲の進むにつれ不完全燃焼という部分が多く、完成度が今ひとつという印象がぬぐえません。
自由曲は伸びやかなサウンドでスケール感のある演奏でした。ドンファンは非常に難しい曲ですが、Tuttiでの豊かな響きが素晴らしいと思いました。

4
西関東 埼玉県 飯能市立美杉台中学校 (指揮/磯崎政徳) ※初出場
銀賞

3/ケルト・ラプソディー (ケルト民謡/建部知弘)

注目バンドの登場です。本日の最少人数(24名/内訳はPicc1、Fl2、Cla3、Bs.Cla1、Sax2、Trp3、Hrn2、Trb2、Euph2、Tub1、Perc5)での出場。少ない人数でも各奏者が良い音でしっかり吹いているので、大編成バンドにもひけをとらない素晴らしい演奏でした。特に課題曲3はその実力を充分に発揮できましたね。
自由曲ではPiccとハープのデュエットが秀逸でしたね。終始、感動・感心という印象がたくさん残る実に印象深いバンドだったと思います。終わった後、客席からは感動の溜息が漏れるほど感銘度の高い秀演でした!! 

5
東海 長野県 松本市立鎌田中学校 (指揮/妹尾圭子) ※5年ぶり3回目
金賞

3/歌劇「トスカ」第3幕より (G.プッチーニ/飯島俊成)

こちらも小編成(27名/内訳はFl3、Cla4、Sax4、BsCla1、Trp2、Hrn2、Trb2、Euph1、Tub1、Cb1、Per6)での出場です。とても素晴らしい演奏でした。各個人がしっかり吹いていて、サウンドも非常に耳に心地よいです。ミニシンフォニーの魅力を充分に引き出した演奏でした。
トスカの冒頭、Hrn2本によるソリは非常に素晴らしい出来。曲のアナリーゼがしっかりされており、秀逸な演奏でした。2回目の金賞受賞おめでとうございます。

6
中国 島根県 出雲市立第一中学校 (指揮/原田実) ※2年ぶり33回目
金賞

1/管弦楽組曲「第六の幸福をもたらす宿」より (M.アーノルド/瀬尾宗利)

Tuttiのサウンドは多少荒いかなと感じました。しかし全体としては安定感充分で重厚なサウンドをもっているバンドだと思います。アーノルドは第1〜3楽章を細かいカットでつなげていきました。そのせいか音楽の流れが今ひとつという印象を受け、雑然とした演奏に聞こえてしまったのですが…。それでいてもそこは伝統の力でしょうか、12分間の演奏としては立派な構成であったことは間違いありません。
9年ぶり16回目の金賞受賞となり、これで中国支部代表は19年(※)連続金賞受賞ですね。お見事!
※中国代表は20年連続金賞でした。お詫びいたしますとともに訂正いたします。(ご指摘いただいたAさん、ありがとうございます。)

7
東関東 千葉県 柏市立酒井根中学校 (指揮/犬塚禎浩) ※初出場
銀賞

2/管弦楽組曲「第六の幸福をもたらす宿」より
     II. ロマンティック・インターリュード III. ハッピーエンディング  (M.アーノルド/瀬尾宗利)

非常に美しい! 個人的にも大変気に入りましたー。音楽の流れが自然で、秀逸な課題曲でした。アーノルドは美しさの際立った第2楽章、躍動感溢れる第3楽章と好演でした。各パートに安定感があり、楽曲としての完成度が高いです。私は金賞だと思いましたが、うーん残念。

8
東京 東京都 小平市立小平第三中学校 (指揮/中村睦郎) ※2年連続2回目
金賞

4/バレエ音楽「ガイーヌ」より
     友情の踊り、アイシェの目覚めと踊り、収穫祭 (A.ハチャトゥリャン/林紀人)

エネルギッシュな指揮の元、明確にアナリーゼされた演奏を披露しました。各パートが良く整理されていましたね。当日の課題曲4の中では一番の仕上がりだったと思います。ガイーヌはメリハリが利いていて、躍動感溢れる演奏で終始音楽が生き生きしていました。95年の小平第六中以来7年ぶりに東京代表が金賞受賞しました。おめでとうございます。

9
東北 秋田県 秋田市立飯島中学校 (指揮/木内 恒) ※2年ぶり4回目
銅賞

4/バレエ音楽「青銅の騎士」より 
     序奏、元老院の広場にて、踊りの情景、偉大な都市への讃歌 (R.グリエール/林紀人)

課題曲は小細工の無い素直な音楽作りでした。リズムのキレもあり非常にまとまりがありました。
自由曲はどの楽曲も安定感があり、特に「讃歌」は歌心充分で見事な演奏だったと思います。

10
関西 兵庫県 伊丹市立天王寺川中学校 (指揮/永澤 譲) ※4年ぶり4回目
銅賞

4/交響詩「英雄の生涯」より (R.シュトラウス/片岡大蔵)

冒頭はサクサク進みすぎという印象。中間部も遅めのテンポ設定で独特の解釈でした。もっとアツクなってもいいかなぁと…しっくりこない感じがしましたね。あまりにもアッサリしすぎた課題曲でした。
自由曲は堂々たる導入部でした。個々人の技術の高さを発揮できていたようです。特にTrpセクションが好演。カットはちょっと驚きましたが…(笑)。

11
北陸 石川県 津幡町立津幡中学校 (指揮/吉田淳一) ※12年ぶり6回目
銀賞

4/楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/M.ハインズレー)

冒頭のPicc&Euphは大変美しかったです。続くHrn&Saxのコードも綺麗に決まっていました。たっぷり歌い込む木管がいいですね。テンポの速い部分も躍動感、ドライブ感に溢れ、見事な流れにのった音楽を披露してくれました。
サロメでは期待通りにObが好演。伴奏のピッチが多少危うい部分もありましたが、全体的には色彩豊かで素晴らしい演奏だったと思います。充分に金賞クラスの演奏だったと思いますよ。

12
四国 愛媛県 松山市立椿中学校 (指揮/河野伸明) ※2年連続3回目
金賞

1/バレエ音楽「白鳥の湖」より (P.I.チャイコフスキー/保科洋)

木管・金管のバランスが良く、重厚なサウンドでした。Trpソロはちょっと惜しかったですが…。
自由曲ではパワーのある金管が力を一層発揮。終曲を見事に吹ききりました。Trpは4人しかいませんでしたが、絶賛ものです!! 中学生による「白鳥の湖」では初の金賞。同校としては2年連続2回目の金賞です。おめでとうございます。

13
九州 福岡県 須恵町立須恵中学校 (指揮/南 光俊) ※3年連続3回目
銀賞

2/セント・アンソニー・ヴァリエーション (W.H.ヒル)

伸びのあるクリアなサウンドですね。課題曲は曲想をうまく表現していました。強奏になっても決してうるさくなく、非常に心地よい音がしていました。
自由曲では強引なカットでしたね…笑。時間制限があるので仕方ないですが、もうちょっと違うカットのほうがよかったなぁ。ラストのセント・アンソニーのコラールは美しく響きわたりました。

14
東海 愛知県 名古屋市立萩山中学校 (指揮/楫野克彦) ※3年連続4回目
銀賞

1/バレエ音楽「赤いけしの花」より
     クーリーの勝利の踊り、ワルツ、ロシア水夫の踊り (R.グリエール/仲田守)

大変安定感がありました。木管・金管のバランスが良く、堂々たるラメントだったと思います。
自由曲は躍動感に満ち溢れ、生き生きとした演奏でしたね。ワルツの歌いこみは素晴らしく、「水夫の踊り」でも息切れすることのなく勢いを最後まで持続できました。演奏後の大きな拍手が会場いっぱいに広がりましたね。中学の部トリを締めくくる快演でした。

金賞4、銀賞8、銅賞2という結果。金賞は鎌田(東海)、出雲第一(中国)、小平第三(東京)、松山椿(四国)です。 個人的には酒井根、津幡も金賞クラスの演奏だったと思います。
中学・後半の部は、課題曲も1〜4の全てを聞けましたし、小編成バンド&大編成バンド、管弦楽アレンジ作品にオリジナル作品と実に多彩なプログラムでした。出場された皆さん、本当にお疲れ様でした。



※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。