高校・後半の部 |
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1 | 東北 宮城県 宮城県泉館山高等学校 (指揮/細倉博) ※2年連続2回目 | |
4/鳳凰が舞う 〜印象、京都 石庭 金閣寺 (真島俊夫) | ||
よく鳴っていますが、ピッチに難ありでハーモニーなどが決まらない箇所があります。そのためかサウンドに艶がないのが残念でした。特にマーチのオープニングから中盤にかけてはバンドのサウンドが安定しなかったですね。自由曲はこの曲の世界観は良く表現できていたと思います。しかしTuttiのサウンドがまとまらず、雑然とする部分も多くなってしまい、聞かせどころや決め所に魅力がありませんでした。 | ||
2 | 中国 広島県 広島国際学院高等学校 (指揮/中島洋治) ※初出場 | |
4/バレエ音楽「シンデレラ」より (S.プロコフィエフ/小長谷宗一) | ||
豊かなサウンドで伸び伸びとした自然なマーチですね。旋律も自然な表現ですが、加えて伴奏群が非常に上手でした。生き生きとした音楽が流れていました。「シンデレラ」はメリハリがはって構成もしっかりしていました。しかし、この曲のどこを一番聞かせたいのかポイントが定まっていない印象を受けました。 | ||
3 | 西関東 埼玉県 埼玉栄高等学校 (指揮/大滝実) ※3年連続18回目 | |
1/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より (P.マスカーニ/宍倉晃) | ||
柔らかく豊かなサウンドで今年一番の難曲と思われるマーチですが、楽しく軽快で、そして洒落た演奏を聞かせてくれました。ソルフェージュがしっかりできているのでしょうね、非常に素晴らしいピッコロマーチでした。自由曲は本日の白眉。奥行きのある深いサウンド、甘美的なハーモニーで秀逸。オフステージでのTrpソロは実に表情豊かでブラボーでした!サックスの音色の美しさも印象に残っています。指揮者は声楽が専門だったと思いますが、バンド全体が常に「歌」を大切にしているのが十分に伝わる感銘度の高い演奏でした。2年連続15回目の金賞受賞です。 | ||
4 | 東海 愛知県 光ヶ丘女子高等学校 (指揮/日野謙太郎) ※5年ぶり7回目 | |
3/バッハの名による幻想曲とフーガ (F.リスト/田村文生) | ||
小細工のない大変素直な演奏で、一服の清涼剤のようなマーチでした。構成もしっかりしており好演。自由曲も明るく透明感のあるサウンドで流暢な音楽です。大変難しい曲だと思いますが、しっかりアナリーゼできており、緻密なアンサンブルをしっかり聞かせてくれました。コンクールにおいてこのような曲で全国出場してきたことも特筆すべきことですが、本番のステージでその実力を出し切り初の金賞です。「ゴールド金賞」という発表の時は自分のことのように嬉しく感じました。本当におめでとうございます。 | ||
5 | 関西 大阪府 明浄学院高等学校 (指揮/小野川昭博) ※2年連続6回目 | |
2/科戸の鵲巣〜吹奏楽のための祝典序曲 (中橋愛生) | ||
美しいファンファーレでスタート。旋律の歌い方も力が抜けていて自然でしたし、特にEuphのオブリガードが秀逸でした。木管・金管のバランスが良く、Tuttiでのサウンドが重厚で素晴らしいです。本日の課題曲2の中では一番の演奏でしょう。自由曲では安定感抜群。木管群のしなやかさも秀逸ですし、各ソロも見事です。立体的なサウンドでよくまとまっており感銘度の高い演奏だったと思います。終わった瞬間「金賞行った」と思っていたので、「ゴールド金賞」の発表には思わず「やった!」と(小さく)叫んでしまいました。悲願の初金賞おめでとうございます。 | ||
6 | 東海 愛知県 愛知工業大学名電高等学校 (指揮/伊藤宏樹) ※3年連続32回目 | |
3/バレエ音楽「中国の不思議な役人」より (B.バルトーク/佐藤正人) | ||
輪郭のハッキリしたマーチでした。ピッチが不安定なところが見受けられました。全体的には躍動感や推進力に乏しい感じでした。自由曲は各楽器ともよく吹けていますが、この曲のもつ怪しさ、狂気めいた雰囲気を出すにはもう一つといった感じです。個々の奏者の技術には光る部分がたくさんあると思います。ただ合奏体「名電」としての個性が固まっていないように思うのですが、殻を破って生まれ変わるのを期待しています。 | ||
7 | 北海道 札幌地区 北海道札幌白石高等学校 (指揮/渋川誠人) ※4年ぶり18回目 | |
4/交響曲第2番「キリストの受難」より (F.フェルラン) | ||
大らかで重厚なサウンドは健在。曲想をうまく表現した演奏でした。躍動感もしっかりしているし、何よりも爽快感を十分に出せていると思います。むしろ丁寧すぎる演奏がマーチ特有のドライブ感を損ねていたかもしれません。自由曲ではたっぷりと歌いこみされており、表情豊かでした。フルートやトランペットのソロも秀逸です。緩やかな部分での表情の出し方に非常に長けていたと思います。 | ||
8 | 北陸 福井県 福井県立武生東高等学校 (指揮/尾鳥達彦) ※2年ぶり13回目 | |
4/バレエ音楽「シンデレラ」より (S.プロコフィエフ/小長谷宗一) | ||
シンフォニックなサウンド。骨太なマーチで、小細工のない正統派な演奏でした。スネアドラムを2台重ねていましたが、リズムが重くなるし管セクションのサウンドの邪魔をしていたように思います。自由曲ではいろいろやりすぎて雑然とした印象を受けました。クラリネットのリードミスが多く集中力を欠いた演奏になったのが残念。アレンジに因るものかもしれませんが、バタ臭い演奏に終わりました。 | ||
9 | 東北 福島県 福島県立湯本高等学校 (指揮/藤林二三夫) ※3出休み明け4回目 | |
3/管弦楽のための協奏曲 (三善晃/根本直人) | ||
落ち着きのある演奏で、全体的に抑制された感があります。力の抜けた自然な表現で、端正な作りのマーチでした。サウンドにも品があり何とも清々しい演奏だったと思います。自由曲は超絶技巧の曲ですがよく演奏できていますね。シャープなサウンドでキレ味抜群です。管楽器群の技術もさることながら、打楽器のキレのよさが光っていました。めまぐるしく変化する曲想ですが、バンドが自由自在にサウンドの色を変えていきます。こういった曲が苦手な人も多いと思いますが、十分に魅力を伝えることができたのではないでしょうか。 | ||
10 | 九州 福岡県 福岡工業大学附属城東高等学校 (指揮/武田邦彦) ※3年連続26回目 | |
3/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | ||
指揮者が代わっても相変わらずゴージャスなオルガンサウンドは健在でした。オープニングのハーモニーも非常に重厚で、続くマーチは軽快で流れのよい演奏でした。各セクションがクリアに聞こえてきてTuttiも見事なまとまりをみせました。ラストのオーボエソロは秀逸。自由曲でもしっかりと構成された重厚な演奏でしたね。歌いこみも丁寧すぎるくらいで、こちらのオーボエソロも素晴らしいです。力強い金管群としなやかな木管群の対比が良く、独特の世界を作りだしていました。終曲部は「これでもか!」というくらいの濃厚なサウンドを響かせたのが印象的。3年連続13回目の金賞です。 | ||
11 | 四国 愛媛県 愛媛県立北条高等学校 (指揮/石村新吾) ※2年連続2回目 | |
2/科戸の鵲巣〜吹奏楽のための祝典序曲 (中橋愛生) | ||
重厚でゴージャスなサウンドをしています。バンドが良く鳴りますが、強奏でのバランスが少し悪いように思いました。旋律群は積極的な表現をしようとしていましたが、全体的にリズムが重く推進力に欠けるマーチになっていました。自由曲ではスピード感溢れる快演。バンドの一体感は素晴らしかったですが、強奏部分は「鳴らしすぎ」で、聴いているほうも少々疲れました。しかし、この曲をこう伝えたいという思いがよく出ていたと思います。銀賞受賞で四国代表の7年連続W銅賞にピリオドを打ちました。 | ||
12 | 西関東 埼玉県 埼玉県立与野高等学校 (指揮/坂田雅弘) ※3年ぶり8回目 | |
2/交響詩「ローマの祭」より 十月祭、主顕祭 (O.レスピーギ/佐藤正人) | ||
決して吹き過ぎず爽やかな表情をしっかり出せているマーチでした。強奏になってもバランスの崩れないのは素晴らしいですね。自由曲ではとても品のある美しい「十月祭」が秀逸でした。クオリティが高いです。「主顕祭」ではよくありがちな勢いだけの演奏ではなく音楽的によく考えられており、きちんと整理されており流暢です。ソロ部分を2人で演奏する箇所など若干の不満はありましたが、それを上回るほどのサウンドの美しさや色彩感の豊かさが印象的な秀演でした。3年ぶり7回目の金賞で、「ローマの祭」の連続金賞記録を26年に更新しました。 | ||
13 | 東京 東京都 東海大学付属高輪台高等学校 (指揮/畠田貴生) ※3年連続5回目 | |
4/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り (M.ラヴェル/畠田貴生) | ||
非常に重厚なサウンドでバランスが良かったです。マーチでは流れのよい演奏で躍動感やドライブ感もしっかり出ていました。普門館を良く知っている響かせ方ですね。自由曲が更に素晴らしかった。「夜明け」での木管セクションの流暢で色彩感豊かな表現は抜群に良く感動的。「全員の踊り」も緻密なアンサンブルの結晶によりスピード感のある秀演で、特にラストに向かう高揚感には脱帽です。3年連続5回目の金賞受賞おめでとうございます。 | ||
14 | 東関東 栃木県 作新学院高等学校 (指揮/三橋英之) ※8年ぶり2回目 | |
3/三つのジャポニスム (真島俊夫) | ||
Tuttiでのサウンドはブレンド感がもう一つ。マーチは自然な旋律とビートのしっかりした低音・打楽器によってツボを押さえた演奏でしたが表現が一本調子だったように思います。自由曲は強奏になるとバランスを崩す箇所があります。「鶴が舞う」では雑然とした印象がぬぐえず残念。「雪の川」は非常に流麗なサウンドと表現で素晴らしいと思います。ソロ群は表情に硬さが見られましたが無難にクリア。「祭り」での一体感は良く、終曲に向けての盛り上がりも十分だったと思います。 | ||