中学・前半の部 |
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1 | 北陸 石川県 津幡町立津幡中学校 (指揮/吉田淳一) ※3年連続9回目 | |
2/歌劇「イーゴリ公」より ダッタン人の踊り (A.ボロディン/山里佐和子) | ||
課題曲は冒頭からフレーズを丁寧につないだ演奏でしたが、マーチの躍動感に欠けたのが残念。この時間のホール状態では仕方ないかもしれませんが、サウンドも乾いた感じでブレンドもいまひとつという感じです。自由曲では冒頭のダブルリード楽器のソロは表現があっさりしていて、好みとしてはもうちょっと歌いこみがほしいところ。バンドとしてもTuttiでの力みが感じられ、力任せな演奏になってしまったようです。課題曲同様、サウンドも痩せて聞こえてしまったのが残念でした。 | ||
2 | 北海道 札幌地区 札幌市立厚別北中学校 (指揮/木田恵介) ※2年連続5回目 | |
4/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/森田一浩) | ||
津幡中同様、音の飛びが今ひとつと感じました。マーチは旋律の表現が平板になってしまい、おとなしい印象です。この曲のもつ爽快感を出すにはもう一歩でした。サロメは冒頭のバスクラリネットとコントラバスのポルタメントのピッチが合わないのが残念。各ソロはよく吹いていましたが、この曲のもつ妖しさ・艶かしさを表現するにはあと一歩でしょうか。木管セクションはもっとしなやかさや遊びが欲しく、全体のアンサンブルにも柔軟性がほしいと思いました。 | ||
3 | 関西 兵庫県 加古川市立浜の宮中学校 (指揮/中原淳子) ※3年連続3回目 | |
1/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | ||
非常にクリアですっきりしたサウンドです。このサウンドに「ピッコロマーチ」はよく合っており、耳に心地よく聞くことができました。この曲の鬼門とも言える中間部のTrpは2人で演奏していましたが、よく揃っていて美しかったです。全体的にもうまくまとめられた演奏でした。自由曲は実にしっとりと色彩豊かに聞かせてくれました。オーボエソロも秀逸。メリハリもあって音楽の流れが素晴らしく推進力がありました。個人的には金賞行くかなと思ったのですが…。この3年間で着実にバンドの力が向上していると思います。来年はお休みですが、再来年もまた普門館に戻ってきてください。 | ||
4 | 東京 東京都 小平市立小平第三中学校 (指揮/中村睦郎) ※2年ぶり5回目 | |
4/バレエ音楽「ガイーヌ」より 友情の踊り、剣の舞、アイシェの目覚めと踊り、収穫祭 (A.ハチャトゥリアン/中村睦郎) |
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よく整理されたマーチでした。爽快感は躍動感は十分に出ていましたが、正直もっと弾けてもいいのではと感じましたね。「ガイーヌ」は各曲ともに表情豊かに演奏されています。アグレッシブな「剣の舞」も印象的で音楽の流れが秀逸でした。ただ都大会でうけたほどの勢いは感じられず、全体的に作りすぎな感じも否めなかったのは事実です。正直、ガイーヌは「導入部」のファンファーレが聞きたかったし、どこかフラストレーションの残るような印象でした。2年ぶり4回目の金賞おめでとうございます。 | ||
5 | 西関東 埼玉県 草加市立草加中学校 (指揮/浅井加奈子) ※初出場 | |
3/青い水平線 (F.チェザリーニ) | ||
柔らかく豊かなサウンドを持っています。旋律の歌いこみも作為的でなく好感がもてました。ただ、マーチの躍動感・ドライブ感に欠ける部分も見受けられ、全体的にメリハリのない演奏になっていたように思います。自由曲でも表情豊かな演奏でしたが、強奏での力強さやパンチ力不足。特に金管がもう少し鳴ってもよいかなと感じました。 | ||
6 | 中国 広島県 東広島市立黒瀬中学校 (指揮/三宅裕子) ※3年連続3回目 | |
4/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | ||
30数名という編成で、奏者1人1人がしっかりと楽器を鳴らしていました。編成上仕方ないと思いますが、中音域の内声パートがもっと充実すると良いでしょう。自由曲では大きい音を出そうとするあまり、サウンドが分散してしまっていました。終始積極的な表現ではありましたが、Tuttiでの強奏が力任せで、それが全体的な音楽の流れを妨げてしまったように思います。 | ||
7 | 東海 愛知県 名古屋市立新郊中学校 (指揮/楫野克彦) ※初出場 | |
2/「マ・メール・ロワ」より 眠りの森の美女のパヴァーヌ、パゴダの女王レドロネット、美女と野獣の対話、妖精の園 (M.ラヴェル/森田一浩) |
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初出場で緊張したでしょうか、出だしから浮き足立った感じで躍動感のないマーチとなってしまいました。Tuttiでの管楽器と打楽器のブレンドが今ひとつで全体としても波に乗れないまま曲が終わってしまった感じで残念。自由曲では一転、非常に色彩豊かな音楽を聞かせてくれました。透明感のあるサウンドがこの曲によく合っています。全体的には表情の乏しい部分も見受けられましたが、堅実なアンサンブルを聞かせ実力の高さを示していたと思います。 | ||
8 | 四国 徳島県 徳島市城西中学校 (指揮/大荒優子) ※初出場 | |
3/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | ||
重厚なオルガンのようなサウンドです。多少ドライブ感には欠けましたが、落ち着いたテンポで骨太なマーチとなりました。自由曲は多少バタついた印象がありました。オーボエソロは秀逸。サウンドに奥行きがあり、この広い普門館のホールいっぱいに艶のある音楽を響かせてくれたと思います。初出場とは思えない堂々たる演奏には今後の可能性を期待できそうです。後半は表現が一本調子になった感もありましたが、終曲はよいサウンドがホールに響きました。 | ||
9 | 東関東 千葉県 柏市立酒井根中学校 (指揮/須藤卓眞) ※2年連続5回目 | |
3/科戸の鵲巣〜吹奏楽のための祝典序曲 (中橋愛生) | ||
マーチは流れが秀逸でしかも躍動感・ドライブ感に溢れたマーチでした。各セクションの音色が素晴らしくTuttiでのサウンドは透明感があります。自由曲は本日の白眉。この曲を演奏しきるだけでも賞賛ものですが、立体的な構成と、色彩豊かで且つキレのある表現力でホールの空気をかえてしまいました。ソロ群を含めて木管セクションのレベルの高さは特筆ものでしょう。見事にアナリーゼされ計算されつくした演奏であり、こんなにゾクゾクするというのは久しぶりの感覚でした。ブラボー!!。2年連続3回目の金賞おめでとうございます。 | ||
10 | 東北 福島県 南相馬市立小高中学校 (指揮/北野英樹) ※2年連続5回目 | |
2/ハンガリー狂詩曲 第2番 (F.リスト/石川喬雄) | ||
Tutti での木管・金管のブレンドに冴えがなくサウンドが硬いです。マーチは音楽が進まず推進力に欠けていたのが残念。フラストレーションの溜まったまま曲が終わってしまったようです。自由曲ではいくぶん緊張も解けたのかサウンドに艶が出てきました。フルート、オーボエ奏者がコントラバスに移動。3本のコントラバスを含んだ柔らかく豊かな低音に支えられて、たっぷりと旋律を歌いこんでいきました。ただサウンドがシャープなので、この曲の魅力を出すにはもうひとつという印象を受けました。 | ||
11 | 九州 沖縄県 沖縄市立美里中学校 (指揮/比嘉伸夫) ※2年連続2回目 | |
4/「交響曲第5番」より 第2、第4楽章 (M.アーノルド/瀬尾宗利) | ||
こじんまりしたサウンドで、マーチの快活さに乏しかったのが残念。音楽の流れが悪く停滞した演奏に聞こえ、躍動感や推進力がもうひとつという印象でした。アーノルドの2楽章は非常にしなやかで美しい響きでしたが、マーチ同様流れが悪く音楽が前に進んでいかなかったです。第四楽章は全体的に力みすぎ。この曲のもつスケール感を出すにはもうひとつという演奏で、Tuttiでのサウンドには華があり良いものを持っているだけに残念でした。 | ||
12 | 東北 秋田県 秋田市立山王中学校 (指揮/木内恒) ※3出休み明け27回目 | |
2/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 (Z.コダーイ/森田一浩) | ||
非常に輝かしいファンファーレで始まり、華々しいオープニングでした。金管セクション上手でしたよ。マーチもビートのしっかりしたオーソドックスな仕上がり。「くじゃく」は奥行きのある立体的なサウンドを聞かせてくれました。ただ、歌いこみが今ひとつでエンジンがかからないなぁという印象です。表現が平板で全体の流れにも魅力がありませんでした。フル回転する前に曲が終わってしまった…という印象で残念でした。 | ||
13 | 中国 岡山県 津山市立北陵中学校 (指揮/稲生健) ※3年連続4回目 | |
4/喜歌劇「伯爵夫人マリツァ」セレクション (E.カールマン/鈴木英史) | ||
落ち着いたテンポ設定で、作為的でない自然な旋律の歌い方は心地よく好感がもてます。Tuttiでの暖かいサウンドも手伝ってオーソドックスながらも品のある仕上がりでしたね。自由曲は非常に印象的な打楽器アンサンブルでスタート。聴衆を一気に引き込んだように思います。豊かで艶のあり甘美的なサウンドは秀逸。アレンジの良さもあるのでしょうが、バンドの力を十二分に発揮した快演でした。見事3年連続3回目の金賞で、中国代表の連続金賞記録を25年に更新しました。ブラボーでした! | ||
14 | 関西 奈良県 生駒市立生駒中学校 (指揮/牧野耕也) ※2年連続8回目 | |
3/喜歌劇「モスクワのチェリョムーシカ」より モスクワを疾走、ワルツ、ポルカ、ギャロップ (D.ショスタコーヴィッチ/鈴木英史) |
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大変美しいまとまりのあるマーチでした。しかも躍動感や爽快感は十分に伝わってきます。木管のパッセージも正確でフレーズの受け渡しも見事です。自由曲でも美しくクリアなサウンドは健在。楽曲の構成・メリハリもしっかりしており、非常にクオリティの高い演奏でした。「チェリョムーシカ」を自由自在に表現できていました。ただ、全体的に低音群がもっと充実するともっと良くなると思います。昨年の雪辱を果たし、3年ぶり6回目の金賞おめでとうございます。 | ||
15 | 西関東 群馬県 榛東村立榛東中学校 (指揮/水出雅基) ※2年連続2回目 | |
3/狂詩曲「タラス・ブーリバ」より III. タラス・ブーリバの予言と死 (L.ヤナーチェク/山本教生) |
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課題曲はドライブ感があって勢いはあり、爽やかなマーチとなりましたが、全体的に木管セクションのピッチが多少危うかったと思います。自由曲はこじんまりとしてしまい、表現も一本調子で平板な感じです。課題曲同様、全体のピッチに難アリという感じで、Tuttiでのサウンドも貧弱な印象を受けました。大変難しい曲だと思いますが、その難しそうな雰囲気がそのまま出てしまったような演奏でした。 |
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