第57回全日本吹奏楽コンクール 平成21年10月25日(日)/東京・普門館 |
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高校・後半の部 |
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1 | 北陸 富山県 富山県立高岡商業高等学校 (指揮/神田賢二) ※2年連続25回目 | |
4/「アルプス交響曲」より (R.シュトラウス/森田一浩) | ||
木管も金管も活き活きしており、発音の良い明るいサウンドです。ファンファーレは美しく決まり、ドライブ感溢れるノリの良いマーチでした。自由曲は普門館の空間をいっぱいを使ったスケールの大きい演奏でしたが、課題曲での元気な勢いそのままで切替が無かったので、サウンドと作品そのものに違和感がありました。しかし一つ信念を貫いた突き抜けるようなブラスセクションのサウンドは見事。トランペットのハイトーンも実に気持ちよく響き渡っていました。 | ||
2 | 東北 福島県 福島県立湯本高等学校 (指揮/藤林二三夫) ※3年連続6回目 | |
4/「交響曲」より (矢代秋雄/篠崎卓美) | ||
輪郭のはっきりしたシャープなサウンド。躍動感もあり堅実なマーチでしたが没個性的。もう少し積極的な音楽が見えると良かったと思います。自由曲は終始心地よい緊張感が漂っていて好演。イングリッシュホルンとアルトフルートのソロは秀逸ですね。第4楽章は期待通りのキレがありスピード感のある演奏で楽しめました。 | ||
3 | 四国 高知県 高知県立高知西高等学校 (指揮/中山直之) ※2年ぶり3回目 | |
5/「アクシス・ムンディ」より アパティア、ヘードネー (S.ブライアント) | ||
よく練られた課題曲ではありましたが、単純な音量の大小ではなく、ニュアンスの緩急がもっと感じたいと思います。そういった点ではメリハリの無い一本調子な演奏になってしまったようで残念でした。自由曲は初めて聞いた曲でしたが、「アパティア」での極端なまでの弱奏での緊張感は、残念ながらこの普門館では伝わらなかったように感じました。「ヘードネー」での大音量も極端過ぎて、何を伝えたかったのか不明瞭なままでした。 | ||
4 | 九州 鹿児島県 原田学園鹿児島情報高等学校 (指揮/屋比久勲) ※2年連続2回目 | |
4/交響曲第5番「革命」より 第4楽章 (D.ショスタコーヴィチ/C.ライター) | ||
見事なファンファーレが響き渡って期待が膨らみました。骨太なサウンドながらも決して重くならず、躍動感のある立派なマーチだったと思います。自由曲も全くスキのない演奏で、ここまで楽器が鳴ると気持ちよいですね。かつて屋比久先生が率いていた「福工大城東」かと見間違うような重厚なサウンドが見事でした。この「吹奏楽的」なサウンドと管弦楽作品との相性をどう感じて評価するかは好みの問題とも思います。管理人は金賞でも十分と感じました。 | ||
5 | 西関東 埼玉県 埼玉県立伊奈学園総合高等学校 (指揮/宇畑知樹) ※3年連続12回目 | |
4/交響曲第1番「巨人」より 第4楽章 (G.マーラー/森田一浩) | ||
美しくまとまったシンフォニックなサウンドですが、若干線が細く例年に比べて安定感に欠けていたように思います。抑制されたサウンドで、マーチの躍動感やドライブ感がうまく出ていませんでした。自由曲は後半ではおそらく最も注目されていた「巨人」でしたが、サウンドに艶が足りなかったり厚みが無く違和感がありました。難しいですね。 | ||
6 | 北海道 札幌地区 東海大学付属第四高等学校 (指揮/井田重芳) ※2年連続28回目 | |
4/バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より ソロモンの夢、狂宴の踊り (O.レスピーギ/中村俊哉) | ||
大変美しく力強いファンファーレは前半後半通じてのベスト。躍動感・スピード感も十分で正確な伴奏群と表情豊かな旋律群が融合し、この日一番の「青空と太陽」だったと思います。自由曲は、「ソロモンの夢」での艶のある豊かな木管セクション、「狂宴の踊り」での力強い金管を中心としたバンドのエネルギーが見事。確かなテクニックに加え、艶のある色彩豊かなサウンドで普門館の空間を支配したと思います。ラストはバンダTrpがステージ上手後方で演奏し花を添え、大歓声がホールを包みました。2年連続15回目の金賞です。 | ||
7 | 関西 大阪府 大阪桐蔭高等学校 (指揮/梅田隆司) ※2年ぶり3回目 | |
5/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」より (C.オルフ/J.クランス) | ||
課題曲はテクニカルな部分も確実に音になっていて、スピード感を損なうことなくフレーズが見事に繋がっていました。サウンドにもキレがあり非常に安定した演奏を聞かせてくれました。自由曲ではサウンドもガラッと色を変えて色彩豊かでした。メリハリの利いた構成で情感豊かな「歌」を聴くことができました。イングリッシュホルン、フリューゲルホルンのソロも安定感があり秀逸。(※特にフリューゲルホルンはブラボー!!) Tuttiが重厚で豪華であり、終曲へ向かうバンドの一体感には凄まじいエネルギーを感じました。初の金賞受賞、おめでとうございます。 | ||
8 | 東海 愛知県 愛知工業大学名電高等学校 (指揮/伊藤宏樹) ※3出休み明け33回目 | |
5/楽劇「サロメ」より 七つのヴェールの踊り (R.シュトラウス/森田一浩) | ||
安定したサウンドで非常によくまとまった課題曲だったと思います。打楽器を雛壇の最上段にセットしていることもあり、バンド全体の音が分離することなく一体感がありました。整然とした仕上がりになっています。自由曲「サロメ」は表情豊かで艶やかなサウンドを披露し、オーボエのソロも秀逸だったと思います。各奏者のアンサンブルも上手で音楽も良く流れているのですが、全体的なメリハリが少なく単調なまま終曲してしまった感がありました。 | ||
9 | 中国 岡山県 おかやま山陽高等学校 (指揮/松本壮史) ※2年連続7回目 | |
5/バッハの名による幻想曲とフーガ (F.リスト/田村文生) | ||
明るいサウンドでしたが、課題曲は流れが悪かったように思いました。一見無機質に見える音符の羅列をいかに音楽的なフレーズにまとめていくかが難しい曲ですが、そこがうまく解決できないまま終わってしまったようです。自由曲は豪華で色彩感溢れるサウンドが良く合っていたと思います。若干アンサンブルの乱れが目立つなど全体の流れが悪いところも見受けられました。 | ||
10 | 東関東 神奈川県 横浜創英中学・高等学校 (指揮/常光誠治) ※3年連続5回目 | |
2/歌劇「トゥーランドット」より (G.プッチーニ/後藤洋) | ||
サウンドが直線的でブレンド感に欠けました。楽曲のもつ柔らかいニュアンスを出すにはもう一つという印象。また、全体的にリズムが重くマーチとしての推進力が足りなかったように思います。自由曲はスケールの大きい演奏をしようという意欲が伺えましたが、Tuttiでのサウンドが硬くて伸びやかさに欠けていたように思いました。まだこのバンドの顔が良く見えないという印象なのですが、3出休みを経て更に独自性を確立したバンドになってほしいと思います。 | ||
11 | 西関東 埼玉県 春日部共栄高等学校 (指揮/都賀城太郎) ※2年連続6回目 | |
5/ラッキードラゴン 〜第五福竜丸の記憶 (福島弘和) | ||
柔らかいサウンドでこの無機質とも言える課題曲を流暢に仕上げています。音楽の流れがスムーズで心地よく、この日一番の「躍動する魂」だと思いました。自由曲では、委嘱作品だという自負もあるでしょう。この曲の持つ世界観をしっかりと確実に表現していたと思います。このバンドは音でストーリーを語っていくのが本当に上手ですね。同じ曲の中でも多様な表情とサウンドをみせており、聴衆を引き寄せていたと思います。昨年の雪辱を果たし3年ぶり4回目の金賞です。 | ||
12 | 東北 秋田県 秋田県立秋田南高等学校 (指揮/阿部智博) ※2年連続26回目 | |
5/「交響曲第2番」より (F.シュミット/天野正道) | ||
こじんまりしていて、Tuttiでのサウンドに魅力を感じませんでした。課題曲はアンサンブルにズレや乱れが見られ、バンド全体としても不完全燃焼といった感じです。自由曲は興味深い選曲でした。難しい曲をしっかり練習されていたと思いますが、全体的に表現が硬いというか表情が乏しく平板な演奏となってしまいました。 | ||
13 | 東京 東京都 駒澤大学高等学校 (指揮/吉野信行) ※5年ぶり10回目 | |
4/ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲 (Z.コダーイ/森田一浩) | ||
都大会同様、スネアドラム、シンバル、バスドラムをステージ上手後方にセット。しっかりしたビートにのって安定感抜群のマーチとなりました。自由曲は伸びやかで表情の豊かな「くじゃく」です。サウンドには艶があってシンフォニックが響きがしています。冒頭の低音群のアンサンブルも巧く出来ていましたし、中間のフルートソロとハープのアンサンブルも美しく秀逸。終曲に向かう高揚感は素晴らしいものがありました。5年ぶりの出場を4回目の金賞で飾り、これで今年の東京代表が全部門金賞という快挙を成し遂げました。 | ||
14 | 中国 広島県 修道高等学校 (指揮/大咲司朗) ※6年ぶり3回目 | |
3/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り (M.ラヴェル/森田一浩) | ||
安定感のある重厚なサウンドでした。所々アンサンブルにツメの甘さが見えましたが、全体的にはよくまとまった課題曲だったと思います。自由曲は音楽に推進力がありました。よく吹けていると思いますが、サウンドが直線的で「夜明け」では幻想的なニュアンスが不足していたようです。「全員の踊り」では見事な一体感を見せてワクワクするようなエネルギーを感じました。 | ||
※出場回数には、招待演奏、特別演奏を含んでおりません。 |