第58回全日本吹奏楽コンクール 平成22年10月24日(日) /愛媛県県民文化会館 |
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職場・一般 前半の部 |
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1 | 東北 秋田県 大曲吹奏楽団 (指揮/小塚類) ※3年ぶり13回目 | |
4/バレエ音楽「チェックメイト」より (A.ブリス/G.ウィルソン) | ||
よく整理されておりクリアなサウンドでした。さすがによくアナリーゼされており秀逸なマーチだったと思います。朝イチではありましたが良く鳴っていました。自由曲でも集中力の高さが素晴らしいと思いました。力みもあったでしょうか、強奏になるとサウンドが硬くて痛い感じになってしまったのが残念です。 | ||
2 | 関西 大阪府 創価学会関西吹奏楽団 (指揮/伊勢敏之) ※2年連続14回目 | |
2/シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」 (福島弘和) | ||
落ち着いたテンポで小細工のない正統派なマーチでした。個々のプレーヤーの技量の高さは素晴らしいものがあると思います。自由曲でもTuttiでの厚いサウンドで立体的な演奏でした。朝ということでホールが冷えているせいでしょうか? 敢えて力をセーブしていたのかはわかりませんが、期待していたような音量・音圧が全く無く、客席に音が飛んでこなかったです。いつもの創価関西のサウンドに比べるとおとなしく貧弱な印象を受けました。誠に勝手ながら、バンドのサウンドにこの選曲はマッチしていなかったように感じました。 | ||
3 | 九州 佐賀県 佐賀市民吹奏楽団 (指揮/南里隆弘) ※2年ぶり13回目 | |
1/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 (R.シュトラウス/森田一浩) | ||
よく鳴っていて非常に豊かなサウンドがしていました。Tuttiは非常に素晴らしいのですが、弱奏や音の薄い部分になると途端に不安定になる傾向がありました。この課題曲ではバンドの弱点が露呈してしまったように思います。未消化なまま課題曲が終わってしまったようです。自由曲はホルンソロに若干キズはあったものの、全体的には余裕のある流れのよい演奏でした。 | ||
4 | 東京 東京都 デアクライス・ブラスオルケスター (指揮/佐川聖二) ※初出場 | |
3/セルゲイ・モンタージュ (鈴木英史) | ||
余裕たっぷりの柔らかいサウンドでスタートしました。オーボエの旋律もたっぷりと歌えていて期待の持てるオープニングでしたが、テンポが変わったとたんにサウンドがばらつき、ミスやズレが目立ちました。課題曲はまとまらないまま終わってしまった感がありました。自由曲では佐川氏独特の歌いこみが随所に聞かれました。スケールの大きい音楽になりましたが、雑然として大味な感じの部分も多く、都大会でみせた集中力の高さは全国大会では影を潜めてしまったように思います。 | ||
5 | 東関東 茨城県 古河シティウインドオーケストラ (指揮/福田昌範) ※初出場 | |
1/カントゥス・ソナーレ (鈴木英史) | ||
初出場とは思えない厚みのある重厚なサウンドが響きました。冒頭のアンサンブルで安定を欠くバンドが多い中、古河シティはきっちりとまとまって聞こえました。よくアナリーゼされていて、随所に個性が見える課題曲でした。自由曲も大流行の曲ですが、よく練られていたと思います。重厚なサウンドと自在な歌いこみが合わさって、感銘度の高い仕上がりとなっていました。 | ||
6 | 九州 熊本県 玉名女子ウインドアンサンブル (指揮/米田真一) ※2年連続2回目 | |
4/カプレーティとモンテッキ 〜「ロメオとジュリエット」その愛と死〜 (天野正道) | ||
厚いサウンドのバンドが続く中、非常にすっきりした爽やかなサウンドは耳に心地よかったです。課題曲の曲想にもよく合っており、まさに汐風が吹き抜けるような爽快感のある演奏でした。自由曲も流れの良い演奏で、よく歌えていると思いました。全体的にはクールな感じで淡々と進んでいきましたが、逆にこの曲はもっともっと熱く語るような口調で演奏してほしかったと思いました。 | ||
7 | 東海 静岡県 ヤマハ吹奏楽団浜松 (指揮/須川展也) ※3出休明け35回目 | |
5/復興 (保科洋) | ||
一般と統合してもヤマハは王者でした。最初から実に豪華で立体的なサウンドが鳴り響き、課題曲では正確無比な技術をこれでもかと見せ付けてくれました。このバンドにかかると難曲と感じなくなるのが素晴らしく、演奏からは「自信」が溢れていました。自由曲でもスケールの大きい大人の演奏であり、「王者の風格」を聴衆にしっかりと印象付けたことは間違いないでしょう。保科作品の力とヤマハの総合力が生み出す至福の時だったと思います。終わった瞬間、歓声でホールは包まれました。29回目の金賞受賞、おめでとうございます。 | ||
8 | 北陸 石川県 百萬石ウィンドオーケストラ (指揮/仲田守) ※2年連続10回目 | |
2/オーロラの目覚め (J.マッキー) | ||
おちついたテンポで好スタートを切りました。力みもあったでしょうか、第1マーチからのサウンドの硬さ、荒さが目立ってしまったようです。しかし随所に個性的な解釈も見られて面白く聞くことができました。自由曲では一転、伸びやかな演奏で色彩感を出すための工夫がされていました。音色の変化はよく出ていましたが、全体的にはフォルテ以上の音が「痛い」印象でした。 | ||
9 | 北海道 札幌地区 ウインドアンサンブル ドゥ・ノール (指揮/仲田守) ※3出休明け7回目 | |
4/組曲「仮面舞踏会」より (A.I.ハチャトゥリアン/仲田守) | ||
前の百萬石WOと同じ指揮者ですが、サウンドがガラリと変わるのは興味深いですね。マーチはドライブ感がなくどこか吹き急ぐ印象で落ち着きが無かったです。自由曲は有名な「ワルツ」からスタート。サウンドの変化、表情の変化に乏しく、全体的に雑然と演奏されてそのまま終曲してしまったような印象です。課題曲・自由曲ともに曲の重心を感じられない演奏だったと思います。 | ||
10 | 西関東 埼玉県 川越奏和奏友会吹奏楽団 (指揮/佐藤正人) ※2年連続11回目 | |
5/バレエ音楽「バッカスとアリアーヌ」第2組曲より (A.ルーセル/佐藤正人) | ||
隅々まで整理されていて非常に素晴らしい出来の課題曲でした。よくアナリーゼされた上で、各奏者の集中力と技術の高さが相乗効果となって表れています。同じ課題曲のヤマハが熱い演奏だったのに対して、奏和は冷静でスマートな演奏であり、奏和らしさが出ていたと思います。自由曲では表情がめまぐるしく変化し聴衆を引き込みました。全体的にも色彩感に溢れ、終曲に向かう高揚感が素晴らしく感銘度の高い演奏でした。2年連続9回目の金賞受賞、おめでとうございます。 | ||
11 | 四国 愛媛県 藤原大征とゆかいな音楽仲間たち (指揮/藤原大征) ※初出場 | |
4/歌劇「ラ・ボエーム」ファンタジア (G.プッチーニ/淀彰) | ||
すっきりとしたサウンドで軽快なマーチでした。マーチの旋律が淡々としており、もっと「歌」を感じたかったですね。またコントラバス2名のボーイングが合っていないところが気になりました。自由曲は難しい曲をよくまとめていましたが、強豪揃いの一般バンドの中で見ると、技術的に劣る部分が明確に見えてしまうのが残念です。しかし地元での開催、恩師の指揮ということもあるのでしょうか、バンド全体からは緊張というよりも楽しさが見え隠れする演奏だったと思います。 | ||
12 | 中国 広島県 NTT西日本中国吹奏楽クラブ (指揮/金田康孝) ※3年連続44回目 | |
4/ウィークエンド・イン・ニューヨーク (P.スパーク) | ||
心地よいテンポで爽やかなマーチでした。ブラスセクションの安定感のあるサウンドと、艶のある木管セクションがよくブレンドしていて秀逸だったと思います。そしてこのバンドの実力が十分に発揮されたのは自由曲。華やかなオープニングで聴衆を一発で引き寄せました。実に多彩なサウンドと表現力で曲の魅力を出しています。ソリストが本当に素晴らしく、特にアルトサックス奏者は白眉。できればスタンドプレイして欲しかったですね。終わった瞬間「金賞確実」と思ったのですが、銀賞は個人的に納得のいかなかった評価です。 | ||
13 | 東北 宮城県 泉シンフォニックウインドオーケストラ (指揮/荒井富雄) ※2年連続3回目 | |
2/カプレーティとモンテッキ 〜「ロメオとジュリエット」その愛と死 (天野正道) | ||
個性的なマーチでした。サウンドもすっきりしていて厚化粧な感じにならず、非常に耳なじみの良い演奏だったと思います。自由曲はドラマティックな曲もよく表現できていて、聞き手を飽きさせなかったです。全体的には優等生的な演奏で、個性派揃いの職場一般の部では、良い意味での「アクの強さ」を出していかないと金賞を取るのは厳しいのかもしれません。 | ||