第58回全日本吹奏楽コンクール 平成22年10月24日(日) /愛媛県県民文化会館 |
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職場・一般 後半の部 |
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1 | 東関東 神奈川県 横浜ブラスオルケスター (指揮/近藤久敦) ※2年連続7回目 | |
5/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より シャコンヌ (J.S.バッハ/森田一浩) | ||
非常にレベルの高い演奏でした。課題曲は譜面をきちんと音にしていて細部まで作り込まれていたようです。一般バンドでここまで隅々まで練習できていることは素晴らしいですし頭が下がる思いがしました。自由曲では一転、クラシカルな選曲となりました。課題曲同様クオリティの高さが光り、Tuttiも安定感抜群で重厚なサウンドは特筆モノでした。欲を言えば、課題曲のサウンドのまま古典の自由曲を演奏してしまったところが勿体無かったですね。もっと色が変わると更に面白かったと思いました。7年ぶり4回目の金賞受賞です。 | ||
2 | 東北 宮城県 名取交響吹奏楽団 (指揮/近藤久敦) ※3年連続16回目 | |
2/パガニーニの主題による狂詩曲 (S.ラフマニノフ /森田一浩) | ||
指揮の近藤氏は連続での登場です。やりたいことがきちんと伝わってきた課題曲でしたね。輪郭のしっかりあるクリアなサウンドで、オーソドックスなマーチをしっかり仕上げてきたと思います。自由曲ではのびのびとした音楽が印象的で、特に木管セクションの艶のある音色は後半部門でもトップクラスと感じます。ソロ群も安定していましたし、最近では聞きなれたこの曲を実に堅実にそして新鮮に聞けました。 | ||
3 | 中国 島根県 出雲吹奏楽団 (指揮/仲田守) ※3年ぶり12回目 | |
4/「翡翠(かわせみ)」より (J.マッキー) | ||
本日3つめの仲田バンドの登場です。スムーズな流れをもった軽快で爽快感のあるマーチでした。自由曲では全篇通して色彩感がよく出ている演奏でした。冒頭のオフステージでのトランペットソロもなかなか秀逸です。決して派手なサウンドではありませんが、堅実な音作りをしていると感じました。管理人は銀賞でもよいかなと思いましたが…。 | ||
4 | 関西 滋賀県 大津シンフォニックバンド (指揮/森島洋一) ※3出休明け11回目 | |
4/吹奏楽のためのバラードX (兼田敏) | ||
非常に重厚なサウンドのマーチでした。どっしりとした作りで多少軽快さに欠けた感はありますが、それでも十分に素晴らしい出来だったと思います。自由曲は難曲ですが、それと感じさせないのはOSBならではでしょうか。同バンドとしては初の銅賞で色々思うところもあるかと思います。(管理人も銅賞には驚きました…。) もしかするとコンクール向きではない選曲だったのかもしれませんが、バンドの存在感は確かなものがありました。 | ||
5 | 西関東 埼玉県 伊奈学園OB吹奏楽団 (指揮/宇畑知樹) ※2年ぶり4回目 | |
4/スピリッテッド・アウェイ (久石譲/森田一浩) | ||
49名(50名?)編成でしたでしょうか、ほとんどのバンドが60名以上で重厚なサウンドを作り上げてくるのに対して、すっきりとしたクリアで且つ軽いサウンドで一線を画しました。しかしこのサウンドが課題曲にはよく合っており爽快感のある仕上がりでした。自由曲も同様、清涼感のある仕上がりはある意味存在感があります。全体的にはおとなしめの演奏で、もっと主張が感じられると良かったかなと思います。OBバンドの宿命でしょうか、どことなくスクールバンドの域を超えていない印象も受けました。 | ||
6 | 関西 兵庫県 宝塚市吹奏楽団 (指揮/渡辺秀之) ※2年連続5回目 | |
2/カントゥス・ソナーレ (鈴木英史) | ||
非常に美しいサウンドでマーチが格調高く聞こえました。きれいにまとめ過ぎの感もありますが、これが宝塚の音楽なのでしょう。自由曲はまさに宝塚のサウンドを十分に堪能できました。(最近の流行のサウンドではないかもしれませんが、個人的には好きです。) 本来この曲はテクニカルというよりも曲名のとおり「歌」が大切ですが、渡辺氏独特の歌心が随所に見られ、感銘度の高い仕上がりになっていたと思います。個人的には金賞でもよいと感じた一つです。 | ||
7 | 東関東 神奈川県 グラールウインドオーケストラ (指揮/佐川聖二) ※2年連続7回目 | |
3/交響曲第1番より 第4楽章 (天野正道) | ||
課題曲は冒頭からよく響かなかったのが残念。サウンドが雑然としてしまい、もっと透明感が欲しいと思いました。早くなった部分のTrpのベルトーンも決まらず全体的に精彩を欠いた演奏だったと思います。自由曲は熱演でしたが、サウンドが分散してまとまらず雑然としたまま過ぎていった感じがあります。特にTuttiでの一体感が感じられませんでした。 | ||
8 | 北海道 日胆地区 創価学会北海道吹奏楽団 (指揮/甘粕宏和) ※初出場 | |
2/吹奏楽のための交響的印象「海響」 (和田薫) | ||
初出場でかなり気合が感じられました。課題曲は非常にゴージャスなサウンドで、落ち着いたテンポのマーチ。特に小細工をするわけでなく正統派な演奏と思いました。自由曲も気合十分、大変アグレッシブな演奏です。冒頭からお囃子に入るまでの間、打楽器群が多彩な効果音を入れていました。本来楽譜にないことを独自の工夫を凝らしたのだと思いますが、正直なところやり過ぎの感。そのままでも十分な演奏をどんどん厚化粧していき結果的に逆効果だったと思います。 | ||
9 | 北陸 福井県 ソノーレ・ウインドアンサンブル (指揮/佐藤正人) ※6年ぶり6回目 | |
2/おほなゐ 〜1995.1.17阪神淡路大震災へのオマージュ〜 (天野正道) | ||
課題曲はオープニングがクリアなサウンドでまとまっていましたが、第1マーチ以降のセクションのまとまりやアンサンブルに難があったと思います。個々のプレーヤーの技量にバラツキが露呈した印象を受けました。自由曲「おほなゐ」は久しぶりにライブで聞きましたが、全体的な構成は良かったと思います。課題曲よりもかなりのびのびと演奏できており、特にソプラノサックスは主張が感じられて音楽を引っ張っていました。指揮者の力に寄る部分が多いと思いますが好演だったと思います。 | ||
10 | 東海 愛知県 創価中部サウンド吹奏楽団 (指揮/多戸幾久三) ※2年ぶり3回目 | |
2/交響詩「ドンファン」 (R.シュトラウス/森田一浩) | ||
早めのテンポ設定でのマーチでした。旋律が流れてリズムも定まらずマーチの体を成していませんでした。明るいサウンドながらもまとまりに欠けた雑然とした印象で、全体的にも精彩を欠いていました。自由曲はブラスセクションのバランスの悪さが露呈。サウンド自体も硬くて艶が欲しいところ。アクの強い演奏ではありましたが、これがこのバンドの個性なのかもしれません。 | ||
11 | 九州 福岡県 ブリヂストン吹奏楽団久留米 (指揮/小野照三) ※3年連続39回目 | |
4/ディオニソスの祭り (F.シュミット) | ||
重厚感溢れるサウンドでどっしりとしたマーチとなりました。多少リズムが重く、このマーチの曲想とは若干違うかなと感じました。(できれば課題曲2を聞いてみたかった…) このサウンドが力を発揮したのは自由曲です。自在な表現で余裕のある音楽を聞かせてくれました。非常にアグレッシブな演奏で細かいことを言えばアインザッツが揃っていなかったり、アンサンブルが散漫になっていたりとも乱暴な箇所もありますが、それも全て計算づくのような雄大な大人のディオニソスでした。2年ぶり28回目の金賞。(統合したとはいえ、九州の職場一般部門に初の金賞をもたらしました) | ||
12 | 東京 東京都 創価グロリア吹奏楽団 (指揮/中村睦郎) ※2年連続7回目 | |
1/ラッキードラゴン〜第五福竜丸の記憶〜 (福島弘和) | ||
松山大会で唯一、課題曲の冒頭アンサンブルが文句無しに素晴らしかったバンドです。個々の技術の高さが物語るように、強奏も弱奏でも安定感が抜群です。メリハリのある構成のしっかりした課題曲でした。自由曲はストーリー性のある作品をドラマティックに聞かせてくれました。ソロの秀逸さ、Tuttiでの立体感、スケールの大きさなど後半部門では抜きん出た演奏だったと思います。2年連続7回目の金賞で「出れば金賞」を更新しました。 | ||
13 | 四国 香川県 高松市民吹奏楽団 (指揮/金川公久) ※10年ぶり4回目 | |
1/バレエ音楽「シバの女王ベルキス」より (O.レスピーギ/木村吉宏) | ||
課題曲は音楽の流れが自然でしたが、全体的に抑揚の無い一本調子な演奏に終わってしまったようです。サウンドにも硬さが見られました。自由曲では一転、重厚なサウンドを聞かせてくれました。「戦いの踊り、暁の踊り、狂宴の踊り」を披露してくれましたが、奇をてらうことなく堅実に演奏していたと思います。ラストはTrp、Hrnがスタンドプレイで魅せました。全体的に派手さはないものの、個々のレベルは高かったと思います。 | ||