第71回全日本吹奏楽コンクール 令和5年10月29日(日)/宇都宮市文化会館 |
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職場一般・前半の部 |
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1 | 北海道 函館地区 上磯吹奏楽団(指揮/澤邊諒) ※2年連続9回目 |
3/吹奏楽のための交響詩「星の王子さまの冒険」(F.フェラン) | |
「星の王子さま」は、フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの短編小説で、180の言語と方言・翻訳された世界文学の最も有名な作品の1つです。飛行機が墜落した後、主人公が王子と語っていく場面を描写した楽曲になっています。昨年日本テレビ系列で放送された「吹奏楽の旅」で、鹿児島の神村学園高の自由曲として紹介されていのを覚えている方も多いと思います。北海道代表の金賞は2003年(ドゥ・ノール)を最後に出ていません。20年ぶりの金賞を期待したいですね。これまで銀賞1回、銅賞7回を受賞しています。 | |
2 | 四国 愛媛県 藤原大征とゆかいな音楽仲間たち(指揮/藤原大征) ※3年連続10回目 |
2/シンフォニエッタ第2番「祈りの鐘」(福島弘和) | |
初出場から連続代表。出場回数を2ケタに乗せました。「祈りの鐘」は2010年の春日部共栄高の委嘱作品です。題名のとおり「鐘」が重要であり、チャイムやグロッケン、クロテイルなどが印象的に使用されている作品です。職場一般での「祈りの鐘」は、創価学会関西(2010)、佐賀市民吹(2012)、福井BA(2013)の3団体しか出ておらず、金賞バンドは出ていません。四国代表の金賞は1989年の鏡野吹の1回だけという状況です。これまで銀賞2回、銅賞7回を受賞しています。 | |
3 | 東京 東京都 創価グロリア吹奏楽団(指揮/中村睦郎) ※3年連続17回目 |
1/交響曲第1番「悪魔の聖書」(J.M.デヴィッド) | |
「悪魔の聖書」は2019年に作曲され、2021年12月、昭和音楽大学吹奏楽団(指揮・福本信太郎)第22回定期演奏会にて日本初演されました。全4楽章(1:闇のあと -聖歌とオルガヌム-/2:世捨て人ヘルマン -シャコンヌ-/3:巨大な赤いドラゴン -トッカータ-/4:聖なる都市 -コラール-)で構成され、全てを演奏すると約30分かかる楽曲です。"悪魔"と"聖書"という相反するものの対比が楽曲のインスピレーションになっています。昨年、アンサンブルリベルテが全国大会初演しました。過去16回のうち金賞15回という驚異的な成績を残しています。これまで金賞15回、銀賞1回を受賞しています。 | |
4 | 東関東 神奈川県 横浜ブラスオルケスター(指揮/近藤久敦) ※3年連続17回目 |
4/交響曲(矢代秋雄/近藤久敦) | |
前半唯一の課題曲4ですね。「交響曲」は日本フィルハーモニー交響楽団が邦人作曲家への委嘱シリーズ第一弾作品で1958年に発表されました。1979年に秋田南高によって全国大会初演されており、コンクール自由曲レパートリーとしては広く認知されている作品です。第4楽章のみか第3・4楽章を演奏される場合が多いのですが、横浜BOは全楽章からイイとこ取りの抜粋になります。東関東大会を聞かせていただきましたが、圧倒的で素晴らしい演奏でした。これまで大学・職場一般部門では埼玉大(90)、筑波大(95)、大曲吹(07)の3団体のみで金賞は出ていません。これまで金賞11回、銀賞5回を受賞しています。 | |
5 | 中国 広島県 NTT西日本中国吹奏楽クラブ(指揮/金田康孝) ※2年連続53回目 |
3/ア・ウォータイム・スケッチブック(W.ウォルトン/木村吉弘) | |
53回出場は全部門通じて最多出場です。ウォータイムはウォルトンが第二次世界大戦大戦中に作曲した3作の映画音楽を中心に、クリストファー・パーマーが組曲としてまとめました。同曲は2000年に続いて2回目の選曲です。この作品は過去に大学・職場・一般部門でしか演奏されたことがなく、またこの作品での金賞は出ていません。中国代表による金賞は2013年(倉敷GH)を最後に出ておりませんが、職場一般統合後の初金賞を期待しています。これまで金賞7回、銀賞28回、銅賞8回を受賞しています。 | |
6 | 東海 愛知県 Nisshin Wind Orchestra(指揮/清野雅子) ※3年連続4回目 |
2/祝典序曲 (J.イベール/天野正道) | |
2018年に結成し同年コンクール初参加で東海大会金賞、2019年から4大会連続で全国出場と、目覚ましい結果を残しています。祝典序曲は、1939年に皇紀2600年奉祝曲の1つとして日本政府からの委嘱によりイベールが作曲した作品です。1940年に山田耕作指揮・紀元2600年奉祝交響楽団によって世界初演されました。後に秋田南高の委嘱により吹奏楽曲への編曲がなされ、1994年に千葉市立土気中が全国大会初演を行いました。これまで金賞1回、銀賞2回を受賞しています。 | |
7 | 関西 兵庫県 宝塚市吹奏楽団(指揮/渡辺秀之) ※3年連続15回目 |
2/交響詩「祈りの陽」(田村修平) | |
「祈りの陽」は宝塚市吹による委嘱作品であり、全国大会初演となります。2021年にも田村氏作曲の「祈りの手」という作品で全国大会出場されていますね。関西代表からは2011年から連続で金賞が出ていますが、創価学会関西か大津SBであり、宝塚市吹の金賞は2005年に1回のみです。激戦の関西支部を抜けたあと全国ではもう一つ存在感を示せていないような印象を受けます。これまで金賞1回、銀賞11回、銅賞2回を受賞しています。 | |
8 | 西関東 埼玉県 川越奏和奏友会吹奏楽団(指揮/佐藤正人) ※2年ぶり20回目 |
3/交響詩「天地創造」(阿部勇一) | |
昨年はまさかの支部大会落ちからの雪辱を果たしての代表返り咲きです。「天地創造」は川越奏和による創立45周年記念委嘱作品で、5月の定期演奏会にて初演されました。全国大会初演となります。西関東代表は2005年から17年連続で金賞が出ています。復活20回目の出場を金賞で飾れるでしょうか。これまで金賞15回、銀賞4回を受賞しています。 | |
9 | 北陸 福井県 ソノーレ・ウィンドアンサンブル(指揮/成川真司) ※3年連続15回目 |
3/エニグマ変奏曲より (E.エルガー/佐藤正人) | |
1899年に発表された変奏曲。作曲者自身もこの曲に隠されエニグマ(謎)について言及したため、エニグマ変奏曲と呼ばれる。「中に描かれた友人たちに捧げる」曲ということで、各変奏でエルガーの友人たちを描いています。全国大会初演したのは2001年のソニー吹奏楽団。過去演奏されたのはソニーを含めて6団体のみであり、しかも編曲は「スローカム、近藤久敦、杉本幸一、高山直也、榛葉光治」と様々な版があり、佐藤正人版は初登場となります。指揮の成川氏はソノーレのフルート奏者でもあります。これまで銀賞7回、銅賞7回を受賞しています。 | |
10 | 東関東 千葉県 開智アカデミックウインドオーケストラ(指揮/石田修一) ※初出場 |
2/組曲「ヴァレンシアの寡婦」より 序奏、セレナーデ、ソング、ダンス (A.ハチャトゥリアン/石津谷治法) |
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柏市内にある開智国際大学の吹奏楽部が開智アカデミックWOという一般バンドとして連盟に加入。今年5月創設され、コンクール初参加でいきなり東関東代表まで昇り詰めました。「ヴァレンシアの寡婦」は1940年初演の演劇作品であり、ハチャトゥリアンがその劇付随音楽を作曲しました。劇中音楽から6曲を抜粋し管弦楽組曲として発表、自由曲では1994年に福井のソノーレが全国大会初演しました。指揮者は昨年まで市立柏高を指導していた石田氏ですね。石田先生は95年に柏高で取り上げて全国大会出場しています。大学部門にエントリーしなかったことは色々憶測が飛んでいますが、今年の注目バンドのひとつです。 | |
11 | 関西 大阪府 創価学会関西吹奏楽団(指揮/伊勢敏之) ※3年連続23回目 |
1/吹奏楽ための風景詩「陽が昇るとき」より(高昌帥) | |
「陽が昇るとき」は「1.衝動、2.情緒、3.祈り、4.陽光」の全4楽章から成り、元々は別々の4団体の委嘱作品を一つの組曲として完成させたもので、「衝動」は創価学会関西吹、「情緒」はウインドアンサンブル一期一会、「祈り」は関西大学、「陽光」は宝塚市吹による委嘱作品です。創価関西としては2015年以来2回目の選曲。目下2011年から8大会連続で金賞受賞中ですが更新できるでしょうか。金賞20回は関西のバンドとしては最多受賞です。これまで金賞20回、銀賞2回を受賞しています。 | |
12 | 九州 福岡県 西区市民吹奏楽団(指揮/松井裕子) ※3年連続6回目 |
3/ドラゴンの年(2017年版)(P.スパーク) | |
西区市民吹は1993年結成ですので、今年は創立30周年ですね。2017年の初出場金賞デビューから連続代表です。指揮の松井氏は2019年から4大会連続で福岡工業大と西区市民吹の2団体指揮となります。自由曲は大流行の「ドラゴンの年」ですが、今年も中学・高校・大学・職場一般で各部門で1団体ずつ演奏されますね。30周年を再びの金賞で飾ることができるでしょうか。これまで金賞1回、銀賞3回、銅賞1回を受賞しています。 | |
13 | 東北 秋田県 大曲吹奏楽団(指揮/小塚類) ※4年ぶり22回目 |
3/パッサカリア 〜B-A-C-H によるオマージュ〜(R.ネルソン) | |
東北の常連バンドですが、2021・2022年は県大会A部門ではなく自由編成部門にエントリーしていました。ようやくコロナも明け、A部門に再び参加し見事に全国返り咲きとなりました。パッサカリアはシンシナティ大学音楽院の創立125周年記念として委嘱され、1992年にアメリカ空軍音楽隊によって初演されました。題名の通り、バッハに敬意を表した作品です。自由曲としては1995年に岩手県の久慈中が県大会で演奏したのが初のようです。今回が全国大会初演となります。これまで金賞7回、銀賞13回、銅賞1回を受賞しています。 | |