第71回全日本吹奏楽コンクール 令和5年10月29日(日)/宇都宮市文化会館 |
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職場一般・後半の部 |
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1 | 北陸 石川県 百萬石ウィンドオーケストラ(指揮/仲田守) ※2年ぶり19回目 |
1/ピース、ピースと鳥たちは歌う(伊藤康英) | |
「ピース〜」は創価大学パイオニア吹奏楽団の委嘱作品で2019年に全国大会初登場した作品。パブロ・カザルスの「鳥の歌」に啓発を受けて作曲された作品です。仲田氏は3年連続で百萬石WOの他に出雲吹奏楽団、飯田市民吹奏楽団を指揮されており、昨年は出雲吹、今年は百萬石を全国に導きました。これまで金賞1回、銀賞6回、銅賞11回を受賞しています。 | |
2 | 九州 福岡県 春日市民吹奏楽団(指揮/八尋清繁) ※3年連続13回目 |
4/交響組曲第2番「GR」より トレインチェイス・エディション(天野正道) | |
1978年に福岡県春日市の中学校OBが集まって創設、翌年に春日市民吹奏楽団として活動開始しましたので、今年で創設45周年を迎えます。指揮の八尋氏は太宰府市立学業院中(1984)、春日市民吹(2014-2023)を指揮されて今回が10回目の全国大会ですね。後半唯一の課題曲4です。こGRシリーズは第2番・第3番(ともに全国大会初演は2000年)が主流でしたが、最近は「シンフォニックセレクション」が主流になっています。これまで銀賞9回、銅賞3回を受賞しています。 | |
3 | 中国 広島県 祇園ウィンドアンサンブル(指揮/大咲司朗) ※2年ぶり3回目 |
2/交響曲第3番より(J.バーンズ) | |
祇園中吹奏楽部OB会として1983年に創設、1989年にOBバンドから市民楽団になりました。今年は創設40周年を迎える記念の年ですね。交響曲第3番は、アメリカ空軍軍楽隊の委嘱を受け1994年に作曲されました。バーンズ自身の第1子の死の悲しみ、第2子の誕生への喜びの感情が作品に反映されています。軍楽隊による初演演奏会が中止になったため、大阪市音楽団によって1996年に世界初演されました。中国代表の金賞は2013年(倉敷GH)を最後に出ていません。これまで銀賞1回、銅賞1回を受賞しています。 | |
4 | 西関東 埼玉県 川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団(指揮/福本信太郎) ※3年連続26回目 |
2/ウインドアンサンブルのための協奏曲(K.デイ) | |
協奏曲は2022年に昭和音楽大学吹奏楽団によって日本初演されました。全5楽章から成り、ビッグバンドジャズ風の作品です。もちろん全国大会初演となります。常連バンドながらも毎年意欲的なレパートリー開拓をする姿勢には敬服するばかりです。金賞21回は職場バンドを除く一般バンドの中では歴代トップの成績となります。昨年まで6大会連続金賞。一般バンド最多受賞数と連続受賞を更新できるか注目ですね。これまで金賞21回、銀賞4回を受賞しています。 | |
5 | 東北 宮城県 名取交響吹奏楽団(指揮/宍戸篤) ※3年連続27回目 |
3/交響詩「ローマの祭」より チルチェンセス、主顕祭(O.レスピーギ/佐藤正人) | |
「ローマの祭り」は全国大会で最も多く演奏された管弦楽作品です。しかも1982〜2009年においては、毎年全国大会で28年連続で金賞を出していた記録をもつ楽曲です。名取は1993年以来30年ぶりの「祭り」となります。指揮の宍戸氏になって3回目の全国大会になります。1989年の初出場以来、名取の歴代の指揮者は在任中に一度は金賞を受賞しています。宍戸氏の初金賞、期待したいです。これまで金賞9回、銀賞14回、銅賞2回を受賞しています。 | |
6 | 東関東 千葉県 光ウィンドオーケストラ(指揮/佐藤博) ※3年連続10回目 |
3/カタリナの神秘の結婚(2023年版)(樽屋雅徳) | |
出場回数を2ケタに乗せました。今や東関東代表の顔といっても過言ではないバンドです。カタリナは宝塚市吹奏楽団の2007年の委嘱作品。同年のコンクールでは全国代表になれませんでしたが、昨年度、再演にて宝塚市吹が全国大会初演を果たしました。今回は題名に2023年版がついていますので改訂版のようです。10回出場を金賞で飾りたいところですね。これまで金賞1回、銀賞8回を受賞しています。 | |
7 | 東北 秋田県 秋田吹奏楽団(指揮/阿部慎太郎) ※2年連続17回目 |
3/カム・サンデー(O.トーマス) | |
東北大会では佐藤正人氏が指揮をされましたが、全国大会では阿部氏が指揮のようです。「カム・サンデー(Come Sunday)」は 《第1曲・証し、第2曲・叫び》 で構成されるジャズ・ポップス調の作品です。課題曲と通して楽しそうな12分間になりそうです。全国大会初演、オマール・トーマスの作品としても全国大会初となります。これまで金賞4回、銀賞10回、銅賞2回を受賞しています。 | |
8 | 北海道 札幌地区 札幌ブラスバンド(指揮/米田浩哉) ※3年連続7回目 |
1/三つのジャポニスム(真島俊夫) | |
ジャポニスムは、東京佼成ウインドオーケストラによる委嘱作品で、「鶴が舞う、雪の川、祭り」の3楽章から成り2001年4月に同WOの第68回定期演奏会にて初演されました。コンクール自由曲としては2003年から登場するようになり、全国大会初演も同年(広島・海田中)でした。さて、北海道代表の金賞は2003年(ドゥ・ノール)を最後に出ていません。札幌BBの初金賞、20年ぶりの北海道代表金賞を期待したいですね。これまで銀賞2回、銅賞4回を受賞しています。 | |
9 | 関西 兵庫県 尼崎市吹奏楽団(指揮/田中弘) ※3年連続32回目 |
1/ル・シャン・ドゥ・ラムール・エ・ドゥ・ラ・プリエール(愛と祈りの歌)(松下倫士) | |
32回出場は職場バンドを除いた一般バンドの中では最多出場です。自由曲「愛と祈りの歌」は大阪・精華高の第10回定期演奏会記念の委嘱作品で2018年に発表され、2019年以降広く演奏されるようになりました。関西代表からは2011年から連続で金賞が出ていますが、それは創価学会関西か大津SBです。尼崎市吹は1999年を最後に金賞から遠ざかっています。これまで金賞16回、銀賞13回を受賞しています。 | |
10 | 九州 福岡県 ブリヂストン吹奏楽団久留米(指揮/冨田篤) ※3年連続49回目 |
1/スペイン奇想曲(N.リムスキー・コルサコフ/榛葉光治) | |
出場49回はNTT中国に次ぐ2番目、金賞36回は全部門通じて最多受賞数を誇ります。「スペイン奇想曲」は全5楽章からなる管弦楽作品で、70年代〜80年代においては中学部門の自由曲の定番として人気を博した作品です。2012年以降、BSの自由曲は全て管弦楽作品ですが、2015年(火の鳥)を除いて全て榛葉氏による編曲ですね。同氏編曲によるスペイン奇想曲は全国大会初となります。これまで金賞36回、銀賞8回を受賞しています。 | |
11 | 四国 香川県 高松市民吹奏楽団(指揮/金川公久) ※2年ぶり11回目 |
1/ 黎明のエスキース(阿部勇一) | |
「黎明のエスキース」は大津シンフォニックバンドによる委嘱作品で2017年に発表され、同年、大津SBは自由曲として全国大会初演・金賞を受賞しました。「黎明」とは「夜明け」、「エスキース」は絵画などを制作するための着想や構想、構図などを描きとめた下書きのことを言います。四国代表の金賞は1989年の鏡野吹の1回だけという状況です。これまで銀賞1回、銅賞9回を受賞しています。 | |
12 | 東海 三重県 白子ウインドシンフォニカ(指揮/宮木均) ※5年ぶり12回目 |
1/ラッキードラゴン 〜第五福竜丸の記憶〜 (福島弘和) | |
東海代表常連という印象ですが、5年ぶりとは意外でした。「ラッキードラゴン」は春日部共栄高による委嘱作品。ビキニ環礁で行われた水爆実験により被曝した第五福竜丸の物語を描いた作品です。2009年に春日部共栄が全国大会初演した後、多くの団体が取り上げるようになりました。福島作品の自由曲レパートリーの中では最も演奏されている作品です。白子WSの金賞は38年前(85年)に一度きりです。これまで金賞1回、銀賞8回、銅賞2回を受賞しています。 | |
13 | 東京 東京都 東京隆生吹奏楽団(指揮/畠田貴生) ※3年連続12回目 |
1/シンフォニエッタ第4番「憶いの刻」(福島弘和) | |
指揮の畠田氏は高校部門で朝イチ、職場一般で大トリと、何かを持っているかのようです。「憶いの刻」は2020年の東海大高輪台高の委嘱作品であり、おそらく2020年の自由曲の予定だったと推察しますが、残念ながらコロナ禍でコンクール中止になりました。高輪台高での全国大会初演は出来ず、全国大会初演は2021年の札幌ブラスバンドに譲ってしまいました。やはり思い入れもあるでしょうし、本作品で全国初金賞を狙っているに違いありません。色んな思いをもって10回目の金賞受賞となるか注目したいです。これまで金賞9回、銀賞2回受賞しています。 | |