電気機関車がいた頃

 1899年の開業以来、東武鉄道では貨物輸送を行ってきました。当初は蒸気機関車による客貨混合列車からスタート。その後昭和30年代から順次電化が完成し、貨物列車に対しても電機機関車が続々投入され、昭和41年には全列車の電化を完了しました。

 形式的には、東武鉄道に初めて入線した電気機関車ED4001号(1930年)から始まります。次いで総武鉄道からのED3000型3両、凸型電気機関車の4010・4020型4両(1946年)と続きますが、いずれも自社発注ではなく、何らかの形による編入でした。本格的な増備となるのはED5000型3両(1949年)からで、次いで5010型14両(1957年)、5050型2両、5060型13両(1960年)、5080型3両(1970年)です。最盛期には43両もの機関車が在籍していましたが、年々衰退する貨物取扱量にともなって順次廃車が進められ、最終的には4両のみとなりました。

 長らく続けられてきた貨物輸送もトラックへの転化が進み、1985年の野田線からの廃止を皮切りに、翌86年に東上線、89年に日光線で廃止され、93年には伊勢崎線久喜以南(業平橋発着)、96年には桐生・小泉線、97年には会沢線と廃止が続きました。そして2003年9月23日。大手私鉄唯一となっていた貨物列車(久喜〜北館林荷扱所)も廃止となり、開業以来104年間続いた貨物輸送に終止符が打たれました。

保存されるED5015号機 (拡大画像あります) 東武鉄道唯一の保存電気機関車
東武博物館
 東武鉄道創立90周年を記念して、1988年に開館した東武博物館では、東上線で活躍していたED5010型5015号機を静態保存しています。現役機関車がなき現在、かつて東武鉄道に貨物列車が走っていたことを証明する、貴重な文化遺産です。

東武鉄道貨物列車の活躍が待望の映像化
監修:東武鉄道 東武博物館
発売:テイチクエンタテイメント
 大手私鉄最後の貨物列車の活躍がついにDVD化。これまで東武博物館にて発売されていた貨物列車記録のビデオ3種を再編集の上、DVDとして全国発売されました。発売元は数多くの鉄道ビデオ・DVDを手がけているテイチクエンタテイメント。ビデオショップなどで購入可能です。ぜひとも手に入れたい商品です。
       (2003.10.22発売 111分 定価3800円)
CONTENTS
貨物列車編 甲種回送編 重連・単機編
さようならイベント&列車編 その後・・・
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