6050系は1985(昭和60)年12月にデビューした、日光線快速用車両です。前身は1964(昭和39)年登場の6000系で、こちらも日光線快速用車両として誕生しました。整然とボックスシートが並ぶ車内は現在の6050系と同様です。WC付きでしたが、冷房装置が備わっていませんでした。
 1986(昭和61)年10月、第三セクター新線鉄道第一号として野岩鉄道が開通。東武との相互直通運転が開始され、これに合わせて全車6050系へ更新されました。
 車体は完全新製で、台車や制御機器などを流用。追加装備として、冷房装置はもちろん、空転防止の散砂装置、会津地方の豪雪対策として耐寒・耐雪仕様となっています。更新はアルナ工機、東急車両、富士重工の三社で行われ、1年間で44両全車を完了させています。この間、車両が不足することから、完全新製車の61101F・61102Fを新造して不足分を補いました。同編成は当初から野岩への譲渡予定車であり、車番も区別されました。また更新中は6050系と6000系が併結する姿も見られました。その後、快速列車の編成増強のため、東武7編成、野岩1編成、会津鉄道乗り入れを機に会津が1編成それぞれ新造しています。

 なお、平成24(2012)年10月27日デビューの634型「スカイツリートレイン」改造用として、完全新造車となる6177F・6178Fの2編成が供出されています。
6050系在籍数 東武鉄道 27編成 54両
野岩鉄道 3編成 6両(61100型)
会津鉄道 1編成 2両(61200型)
【車内】
 旧国鉄の急行型車両を彷彿とさせる車内は、前身の6000系ゆずり。しかし6000系も同様にデッキがなく、また6050系では側扉を両開き式とし、付近はロングシートに変更され混雑時を考慮しています。
 快速列車は下今市で分割して運転されるため、誤乗防止のため各車両の行き先を表示する車内方向幕が設置されました。当時は車内へ表示する車両は少なく、東武の試みは大変画期的でもありました。
 ボックスシートは布団が個々に独立しており、設計時の細かい気配りが窺えます。
【運転室】
 近年では機器の増設・改造が相次いでいます。まず、1997(平成9)年のダイヤ改正を前に、自動解結装置設置と連結器の変更(密着自動連結器から密着連結器へ)を実施。これにより分割・併合作業は運転室内のスイッチのみで完了するようになりました。この改造は、10000系統にも実施されています。
 次いで乗務員支援装置として、運転情報装置の追加、さらに方向幕設定器のタッチパネル化がされ、登場時とはかなり様変わりしました。
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