☆2007年のチョウゲンボウ☆
2007年は、チョウゲンボウが卵を温めている時から、3羽の雛が巣立つまでを観察しました。巣立ち後も暫く巣のそばで過ごしていましたが、
内1羽がトラブルにあい、その救出にも立ち会いました。
ここでは、観察経過のあらましと、写真を日付順に掲載しています。
今回の親鳥・・・左:父親、右:母親
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*** コメント ***
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***** 成長記録 *****
・04.29;空を飛んでいたチョウゲンボウが橋の下の巣に入るのを発見。以降、観察を続けた。
・04.30;雌鳥が巣の中で時折、嘴で卵を返す動作が見られ、抱卵中であることが推定できた。
・05.01;雄鳥も現れ、共同作業が確認された。雌親の飢えによる抱卵放棄の心配はなくなり安心できた。(雌親、雄親の確認日)
・05.04;雄親がトカゲをくわえて現れ、巣で抱卵中の雌親に渡して去った。
・05.05;雄親は巣の外で見張り。周囲にカラスの巣も多く、共に子育て時期で警戒心が強くなっていた。離れて観察している私にも、カラスは時々牽制行動をとってきた。
・05.07;雌親の見張り番。
・05.10;雄親の羽繕い。
・05.11;雄親の巣の外で待機 (抱卵一時中断)
・05.12;卵温め役の交替。
・05.18;雄親のスズメ捕獲。
・05.20;雌親のスズメ捕獲。
・05.20;雄親のトカゲ持ち込み。
・05.26;雄親が巣から飛び出す写真。
・05.27;3羽の雛を確認。首を伸ばしている仕種から、既に数日前に孵化したものと思われる。
・05.28;口移しで雛に餌を与える姿が見られた。
・05.31;雌親が巣のよく見える柳の木から見張り。どうやら、カラスを警戒している様子。
・06.01;雨の日、両親が並んで橋の下で雨宿り。
・06.01;巣の中の親子の姿。
・06.02;雌親がスズメをくわえている写真。観察範囲では餌はスズメが断然多い。
・06.03;巣のそばでカラスとの空中戦。猿が怒った時に似たキィッキィッと言う声を発しながらカラスを追い回す。はるかに大きなトビが巣に近づいた時も追い回す姿が見られた。
・06.05;雛鳥の羽ばたきが見られた。予想以上に早い成長にちょっと驚かされた。
・06.06;雌親のスズメ調理中。まず羽をむしり取る。
・06.06;雛鳥の頭部の毛が茶色に変わりだした。特に第1子と思われる雛の変化が目立つ。
・06.13;雌親が柳の木で巣の方を見張る。特にカラスの来襲を警戒している様子。
・06.13;両親が同時に巣に来た時の様子。
・06.16;雛鳥も大分ワシタカ類特有の顔つきに変わってきた。でも第3子はまだ幼さが残る。
・06.17;雌親がスズメをくわえている姿。
・06.18;親が巣に来る。近づく親がかなり遠くにいても分かるようで、雛たちは盛んに鳴き始める。
・06.20;この時期の雛たちは、立っている時間が大半で、盛んに羽ばたく動作も行う。
ここまでの観察では容姿から、第1子が雌、第2子が雄、第3子が雌と推定される。
・06.22;第1子は巣を出て、近くのパイプ上に止まる。
・06.23;第1、2子が巣立ち。巣の中は第3子のみ。第1、2子は飛び去ったようで近くには見当たらず。
・06.24-1;第1、2子共に巣の近くで親の到来を待っている。
・06.24-2;その内、3羽共巣に合流した。まだ巣に中が安心できる様子。
・06.26;この時期、第1、2子は巣の外での食事が多い。餌はまだ親が運んできて置いていく。
・06.27;きょうだいで餌を口移しする動作を行う。きょうだい間の仲の良さ、助け合いは大変際立って見える。
・07.01-1;1羽が食事中は、もう1羽は回りを警戒するように見張っている。
・07.01-2;食べ残し分は隠し場所に運んで保管している。
・07.07;第3子の巣の中での羽ばたきも活発化。
・07.09;第1、2子が巣の下河原に下りる。地上でも安全を確保できる自信がついたように思える。
・07.10;幼鳥がスズメを調理している様子。巣の中にいる時から学習済。
・07.11;第3子が巣の外に出てパイプに止まり、飛び出すのは暫く躊躇している様に見えた。第2子がそばにきて促す様に飛び立ち、つられるように空に向かった。第3子巣立ち。何と、第1、2子の巣立ちから18日間を要した。
・07.16-1;幼鳥の水浴姿。
・07.16-2;幼鳥達はまだ巣の回りで過ごすことが多い。姿が見えなくとも短時間で戻って来る。特に第3子は、巣の中が安心なようだ。
***** トラブル発生 *****
・07.21-1;1羽が巣から飛び出す動作を繰り返していたが、何度やっても飛び出せず。巣にいることが多い第3子の幼鳥と思えた。
・07.21-2;良く見ると右足首にテグス状の物が巻きついていて、それが原因。
・07.21-3;親鳥が餌を巣に置いて飛び去った。その餌をしきりに食べ始めたので当面の飢えは回避できると安心。
・07.22;しきりに嘴でテグス状の物を取ろうとするが叶わず。
この日も何度も飛び出そうとする動きを繰り返す。
・07.23;この日も飛び出し動作を繰り返す。きょうだいが心配してか飛んで来て巣のそばに止まる。
・07.24-1;この日もきょうだいが巣のそばに来る。
・07.24-2;左足にも繊維状の塊が絡みついている。巣の中で暴れたため絡みついたと思われ、もともと巣の中にあったもののようだ。
・07.24-3;左足の繊維も嘴で外そうとするが取れず。
・07.24-4;両足が固定されたまま、飛び出しを繰り返す。これまでは、無言であったが、この日はキィキィ鳴き声を発しながら必死に試みる。
・07.24-5;暴れ疲れて巣の中でぐったり。体力の限界がきているように思える。
-----以上、7月24日午前中-----
***** 救出活動 *****
○午後から東京都の鳥獣保護員の方を中心の救出、保護活動を行う。又、川崎市の野生動物保護ボランティアの方にも現場を見てもらい協力、アドバイスを頂く。
・07.24PM-1;橋の上からは巣の位置が見えず、救出不能。又、下からは中州の上で足場が悪く約20mと高いことから、本格的な足場組む必要がある。
結局、関係者で協議の結果、道路修理用のゴンドラを橋の上からさげて実施と決まる。但し、準備を要することから、翌日実施となる。
・07.24PM-2;人が巣に近づいていたためか、何度も親鳥が近くに飛来した。日暮れになり飛び去った。
・07.24PM-3;関係者が解散準備をしている時、急遽レスキュー部隊による救出を行うとの情報が入った。
暫くして、レスキュウ部隊が到着、救出活動に入った。
・07.24PM-4;レスキュウ隊員がクレーンに釣下がり巣に近づいく。
・07.24PM-5;恐れてキィキィ鳴く鳥をレスキュウ隊員が巣から切り離し救急袋に確保する。午後8時半。
・07.24PM-6;救助袋の中の救助された鳥。
・07.24PM-7;足に絡みついた糸類の切り離し。右足はテグス、左足は網状の繊維。
○お医者さんに見てもらう必要から、この日は鳥獣保護員の方が連れて帰る。
・次の日の診察結果、左足の骨折および神経断裂、自然への復帰が危ぶまれた。
・尚、この鳥は雌の幼鳥と判明し、巣に戻ることが多かった第3子と思われた。
○希少生物保護団体で、治療、リハビリを受けることになった。
・再診の結果、神経断裂は免れていることが分かった。
・餌の二十日鼠やバッタ類を自分捕獲することを覚えるとともに、体力もついて放鳥可能と判断された。(約1ヶ月後)
***** 放鳥*****
・08.30;巣のあった近くで放鳥することになった。運ばれて来た籠の中で暫くの間、様子をうかがっていた。
・08.30;ついに思い切った様に籠を飛び出し、大空に舞って行った。
*以降、巣の近くを通る度に見ても、チョウゲンボウが近くに止まっている姿はない。只、放鳥した幼鳥が無事成長してくれることを願うのみ。
*長い間、御覧頂き、ありがとうございました。これで 2007年のチョウゲンボウ記録は終わります。
*長い間、御覧頂き、ありがとうございました。これで 2007年のチョウゲンボウ記録は終わります。
*** END ***