2けたでわるわり算について
1 数の相対的な大きさ
まず,小学校学習指導要領解説−算数編−のp110を参照します。
「前略・・・2位数で割る計算は,計算の手順を形式的に指導すると,児童にとっては
理解が困難となる。指導に当たっては,計算の各段階の意味を十分に理解できるよ
うにする必要がある。その際,これまでに,数の相対的な大きさについての理解を深
めてきているので,それがここで有効に働くということについても分かるよう配慮する
必要がある。また,各段階の商を求める際は,商の見当をつけて進めることになる。
計算の見積もり,及び簡単な暗算の力はここで生かされる。なお,商の見当を修正
しなければならない場合の手順をていねいに取り扱うことは特に重要である。・・・・
以下略」
計算の手順を形式的に指導するなら,
80 ÷ 40 で
80から0を取る。
40からも0を取る。
次に,8 ÷ 4 を計算する。 ということになります。
確かに,これだけを教えられたのでは,8 ÷ 4 の計算の意味を子どもは理解で
きません。そこで,計算の意味を理解させるために指導の工夫が必要になります。ま
ず,割り算なので,等分除または,包含除どちらかで指導することになります。3年生
で最初に習う割り算は等分除から入りますが,ここでは,包含除から入るのが良いと
思います。なぜなら,包含除の方がストレートに考えやすいからです。
80円を1人に40円ずつ分けます。何人に分けられるでしょうか。
80円 ÷ 40円 = ? (これは包含除です。)
ここで,80円は10円玉で8枚,40円は10円玉で4枚,したがって
80円 ÷ 40円
↓ ↓
8枚 ÷ 4枚
この問題は,「円」を「枚」に変えてしまった訳ですが,何人に分けられるかを求める
のでこれで良いことになります。子どもにとって80円は10円玉で8枚などは分かり
やすいし,80円を1人に40円ずつ分けることから,8枚を1人に4枚ずつ分けるこ
とに思考を移行することは割合容易だと思います。
これで,
80 ÷ 40 で
80から0を取る。
40からも0を取る。
次に,8 ÷ 4 を計算することの意味が理解できると思います。
また,ここでは,10を単位にして,80を8に,40を4に,しています。ここでは,
数の相対的な大きさについて触れることが,既習事項との関連性をつくることに
なります。