1.求残の指導は例えば子どもにあめ玉が7こあり、その内の5こを食べた時の残りを考えさせ
るので、割合に理解しやすいと思います。しかし、2つの数量の差を求める求差は少し難しいよ
うです。「ケーキが7こあります。おさらは5まいあります。ケーキはおさらよりなんこおおいでしょ
う。」という場合、求残の時は
7こ − 5こ = 2こ(単位は必要ないが、説明のためにつけています。)となりますが、求差
の場合は
7こ − 5まい = 2? 異なる種類同士を引けるのか?と悩む子どももいます。これが求
残より求差の方が難しい理由です。求差は求残と1対1対応が組み合わされたものであること
を考えれば、当然と言えば当然です。求差の指導をうまく行うには、既習事項の求残を確実に
理解させておくことと、ものの多い、少ないを判断する根拠は1対1対応が根本にあるということ
を具体的な操作活動を通して、子どもに理解させておくことが必要です。例えば、数を知らなく
ても2つの分離量の多い少ないは判断できます。
下の図で、○と□が線で結ばれ、1対1に対応しています。しかし、右の2つの○は対応する
□がなく残っています。したがって、○の方が多いのです。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
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□ □ □ □ □
さて、この図を使ってケーキの方が2こ多いことを子どもに理解させるためには、5このケーキ
と5まいのおさらを1対1対応させます。(○がケーキ、□がおさらとします。)そうすると2この
ケーキに対応させることのできるおさらがありません。ケーキが2こ残っているわけです。すな
わちケーキの方が2こ多いのです。
式で示すと、
7こ − 5まい・・・@ ではなく、 7こ − 5こ・・・A になります。
@の式からAの式になった理由は、5まいのおさらに5このケーキが1対1対応したからです。
普通は単位をつけないので、 7−5 と書きますが、この5はおさらの5まいではなく、ケーキ
の5こなのです。前述したように求差は求残と1対1対応を組み合わせたものなのです。
また、1対1対応を意識させるためには、○−□のように、2つの分離量を線で結ぶことが大
切です。