まず,小学校学習指導要領解説算数編のp168を引用します。「算数においては,数学的な
考え方を育成する観点から,筋道を立てて考えることが重視されてきた。例えば,児童がこれまで
に学習したことや体験したことを基にして,新しいことを見いだしたり,幾つかの事柄に共通するこ
とから一般的なことを導いたり,さらには,根拠になることを明らかにしながら筋道を立てて考えた
り,確かめたりするなどの能力や態度を育てるための指導がなされてきた。
これらいずれの場合についても直観が用いられている。そこで,これまでの算数の指導において
も論理的な思考力を育てるために,考察の対象を柔軟にとらえる際に働く直観力,さらには,問題
の構造や規則性などを見抜く際に働く直観力などを育てることを重視する取り扱いをしてきた。・・・
なお,論理的な思考力や直観力を育てるためには,・・・作業的・体験的な活動など算数的活動が
できる場面をできるだけ多く設定するよう工夫することが大切である。」この引用からわかるように,
論理的な思考力や直観力を育て,ひいては数学的な考え方を育てるには,様々な事象を考察する
に当たって,子どもが意欲的,主体的に学習に参加できるよう,算数的活動を重視することが大切
だということが述べられています。子どもが直観力を育てるのは,子どもが様々な算数的活動をして
いる時ということになります。
また,国立教育政策研究所から公表された「評価規準の作成,評価方法の工夫改善のための参
考資 料」の算数科各学年の評価の観点の趣旨において「数学的な考え方」の観点には全学年とも
最初に「算数的活動を通して」という文言が含まれています。このことからも「数学的な考え方」を育
てるために「算数的活動」を重視しなくてはならないと言うことが分かります。
次回は「数学的な考え方」の評価についてです。