いよいよ次年度からは第12次研究が始まります。21世紀の教育への取り組みです。その取り組みがより実りの多いものになることを願い,3つの檄を飛ばします。
 
◇「キラリという言葉を研究主題に使ってもいいのかな?」「他の学校は構造図とか出しているけれど…」「手書きの指導案で本当にいいんですか?」
 こういった危惧があったことすら,もうすっかり過去のことになってしまった。やってみれば当たり前,やる前は暗闇,これは世の常である。ヒットした『だんご3兄弟』のよさを,あれこれ分析する人はいくらでもいる。オンエア直後にヒットを予測できる人は希にしかいない。これと同じことである。
 研究は,大胆に進めなければ価値はない。勇気をもって進めよう。

◇第11次研究は,外部からおおむね好評をいただいた。素直に喜びたい。しかし,外の声より,もっと気にかけなければならないのは,まず子供の声である。
「学校が楽しい」「何だかつまらない」,「もっとやりたい」「ああ,やれやれ」
こういった声こそを第一の評価基準とし,60%を充てる。
次に,保護者の声である。
「子供が生き生きとしてきました」「どうも今ひとつ…」,「先生の授業は見てい楽しいですね」「今日の参観授業は私にも難しかった」こうした声である。これが30%。 
 そして,3,4がなくて,いや5も6も7もなくて,ずっとあとに外部の声や同僚の声を位置づけるべきである。残り10%である。
 往々にしてこれが逆転する。そこから研究が教師サイドのものになり,独りよがりになり,難しくなり,方向を見失っていく。目を子供の事実にしっかり向けたい。子どもの声と保護者の声は,いつも授業の事実,教室の事実を語る。素直に,無心に耳を傾けたい。それが,二条らしい。

◇総合的な学習や指導内容の精選などが話題を集めている。もちろん,その研究を欠かすことはできない。例えば,中教審,教課審の答申や,指導要領はほとんど暗記できるくらい熟読しなくてはならない。また,それらを解釈する有識者の意見にも一通り目を通す必要がある。本をたくさん読み,新聞を切り抜き,インターネット等で最新の情報を得,KJ法などでそれらの情報を整理しておくなど,知的な生産活動を活発にしておきたい。
 時代の変わり目である。いやと言うほど勉強しよう。
 しかし,実際にそうした授業をする際にその実践の質を決めるのは,教材研究や子供の見取り,授業の運営方法といった部分である。理論研究は大切だが,目先の具体的な方法に生かしてこそ,である。
 目を広くもとう。エントロピー理論を知らずに環境の授業をすると,安易にリサイクル活動をさせて終わりという羽目に陥る。「黒板を使っての説明」が下手な教師はコンピュータを使っての授業も下手である。情報を多く持って,しかし主体的にそれらを切り捨て,整理して自分のものにするのである。そして易しい言葉で語るのである。頭でっかちに注意しよう。(横藤も反省します。)

 最後に,今年度の研究を進めてくれた皆さんに心から感謝します。
 二条の「これから」に期待します。楽しくがんばってください。

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