北国の木の小さなお話
北国の四季を豊かに感じる子供を育てたい。そう願っての樹木とのかかわりを促す一言です。子どもの動きがその日から変わります。お試しください。
春〜キタコブシの花が咲き出しました。梅よりも桜よりも早く咲く北国の春を告げる花です。あの花ね,咲いたばかりの花が大好物の動物がいるんだけれど,分かるかな? 実は,熊さんなんです。ほら,熊はハチミツなんかも好きでしょう?きっと甘いんじゃないかな…。
夏〜クマザサが勢いよくのびているね。みんなで笹舟を作ろう。その間に先生が,みんなにおいしいお茶を入れてあげるね。作り方は,簡単。笹の葉をはさみで小さく切って,飯ごうのふたで煎るの。そして,それをお湯に入れて煮出すだけだよ。ほら,おいしいでしょう。
秋〜オオウバユリの実がぱんぱんだ。この実の中には,メモ用紙のような薄い種がびっしり。みんな,この実をもって木に登れ!誰の種が遠くまでひらひらと飛んでいくか競争だ!
冬〜ナナカマドの実が赤くなってきたね。あの実は,小鳥たちの大切な冬の食料になるんだ。でも,すっかり真っ赤になるまでは食べないんだ。真っ赤に熟すまで使われる実の中のものが小鳥には毒でね,食べたら死んじゃうの。だから,色をよく見ているんだよ。ある日,「もういい」っていう日が来ると,一斉にあっちからもこっちからも鳥たちがやって来るよ。さあ,みんなはその日に気づくことができるかな?